書道具(筆)買取/福岡市城南区より書道家の方より買取依頼があり.出張査定に出かけました。中国の書や硯、屁出や墨など多数あり高価買取させて頂きました。端渓や坑仔の硯や未使用の墨などがありましたが筆の多さにはびっくり致しました。これはその一部ですが南山尚文堂の筆や純羊毛の筆もありました。良い筆とは「尖・斉・円・健」の筆の四徳[高濂の「燕間清賞箋」論筆]で、
尖…(とがること)鋒先が尖ってまとまりが良い。
斉…(そろうこと)穂先を扁平にして一斉に揃っている。
円…(まるいこと)命毛・喉・腹・腰の各部がまとまりよく回転する。
健…(つよいこと)腰から鋒先までバランスよく弾力がある。
これら4つの条件が整っている筆がよいといわれております。
羊毛とは実際は山(ヤ)羊(ギ)の毛で羊(ヒツジ)ではありません。
日本では明治期に羊毛の原料が入ってきて、当時の書家達によって盛んに使われることになりました。羊毛は、その生える部分によって、戦前は筆用の毛として32種に分類されていました(昭和45年の「筆料山羊毛」の目録では18種類に分けて紹介されている)。そして羊毛のうち、最も良い品は、細光鋒、細光鋒筆先、細光鋒筆先
・細長鋒・細直鋒と呼ばれる三種です。
そして上質の羊毛筆は毛質が良く、毛先が透明に近いアメ色をしています。柔らかで墨含みが良く、耐久性にも優れています。
長鋒などの筆の作りに、毛の長さを全て同じにし、毛先を全部打ち揃えた形(以前は中国・日本にも無かった作り)があるのも特徴の一つで、太く強い線條が表現できます。
その他の動物の毛を使用した筆は下記のとおりです。
■馬毛
主に農耕馬が筆の原料となり、北海道産のものが良いとされますが、今ではほとんど原料として流通していませ
ん。馬の尾は筆の原料の中で一番長いので、出鋒 12 ㎝以上の大筆には必ず使用します。馬毛は総じて剛毛といえま
すが、質感が羊毛に似ているモンゴル馬の尻尾を使い、軟毛の大筆を作ることもあります。
■イタチ毛
筆の原料として使用できる部位は尾の上側のみで、その他の毛は短くて使用出来ません。
イタチも雄の毛を使った筆が良いものになります。イタチ毛の筆を狼毛筆と呼びます。
イタチの長い毛は大変希少であるためイタチを主原料とした太筆は高価になります。
毛質はほど良い弾力があり、毛先が鋭くまとまります。紙あたりが良く、なめらかに滑ります。トメ、ハネ、ハ
ライがきれいに表現できる特徴がありますので、楷書、行書、仮名の筆に使われます。
■兎毛(紫毫しごう)
兎は最古の筆とされている長沙筆の原料として使われており、中国では紀元前 200 年以上前から使われていたと
考えられています。兎の毛も羊毛同様、何種類にも選別され、中国では毛の選別をする職人によって筆の良し悪
しが決まると言われていました。代表的なものは紫毫と呼ばれる黒い兎の毛で、切っ先が強く、トメ、ハネ、ハ
ライがきれいに表現でき、写経用の筆によく使われます。他には白尖(バイヂエン)・花尖(ホワヂエン)と呼
ばれているものがあり、白尖は唐筆(写巻)の原料となっています。
■猫毛(玉たま毛げ)
筆に使われる猫の毛は、原種に近い猫からしかとれず、通常白猫の毛を使います。背筋の綿毛の間に生えている
ほんの僅かなさし毛しか筆の原料になりません。猫の毛は別名玉毛といって、毛の中ほどにふくらみがあり、切
っ先に力があり独特の粘りがあります。細い線を引くのに向いており、仮名筆として用いられます。
■狸毛
狸毛を主原毛とした兼毛筆は先に弾力があり、穂先の開閉に優れた筆になります。日本狸は特に上質で、トメ、
ハネ、ハライ等美しい線を表現します。
弘法大師(空海)が嵯峨天皇に献上したとされる筆は狸毛筆であったとされています。
■鹿毛
鹿毛は主に細筆に使用し、鋭く粗く弾力性に乏しいので、通常、筆の先端に使う事は出来ませんが、筆の腰など
に使用して力や姿を整えます。
■ムジナ毛
アナグマの類の毛のことで、抜群の弾力を有しますが、毛が粗いのでまとまりはあまり良くありません。
■牛耳毛
値有のある弾力性で、これを混ぜた筆はまとまりが非常に良くなります。
■豚毛
豚毛は毛先が二本に割れているので、毛先を切り落とし、腰毛として使用します。筆原料のなかで一番毛質が硬
いものになります。
■人造毛
動物の毛が年々高価になり、入手困難になりつつあります。安定して入手可能でほど良い弾力が有るので、使用
する割合が近年増加しています。
骨董品買取の福岡玄燈舎では書道具を買取致します。お見積りだけでも構いませんのでお問い合わせください。福岡県内は無料出張査定致します。