★伊孚九 | 骨董品買取専門

■伊孚九(いふきゅう)

伊孚九は、中国清代中期の貿易商・画家です。貿易商として長崎に度々来日し南宗画の画風を伝えました。池大雅や桑山玉洲らが私淑し、その後日本の文人画壇に広まったそうです。彼は南宗画風の山水画をよく愛しました。長崎の清水伯民が門弟となっていますが桑山玉洲は『絵事鄙言』で「舶來清人中の逸格」と絶賛します。また『近世名家書畫談三編』でも北宗画を伝えた沈南蘋とともに最上位に置かれています。孚九の名を全国に広めるに『伊孚九・池大雅山水画譜』が大きな役割を果たしました。この冊子は韓天寿が縮模し画譜としていた稿本を、天寿没後木村蒹葭堂を介して中野素堂が刊行したものです。
なお、孚九と続いて渡来した費漢源・張秋穀・江稼圃を合わせて来舶四大家と呼ばれています。作品を拝見するとさすがに南宋画の大家で池大雅などに影響を残した画家だということが一目で分かりますね。すこし暗めの色彩で木々の枝先なども繊細ですが何かを訴えているような様子を醸し出しています。日本でも古美術商や数寄者が多くとても貴重な作品も多い画家です。

◎作品紹介

「離合山水図」重要文化財

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