福岡市城南区で浜田庄司の茶碗を買取りました!

赤絵茶碗 琉球窯
琉球窯作品の買取

◇骨董品買取の福岡玄燈舎です。今回は福岡市城南区の閑静な住宅街に茶道具の査定に伺った時の話です。掛軸や屏風、勲章や茶器など一通り査定して一息ついたところに家主の叔母様がご実家より嫁入り道具として持たされた桐箱に入った抹茶茶碗をお孫さんが持ってきました。今回の茶道具にあった茶碗は普段使いのものが多かったので家主さんもあまり期待していないようでした。しか~し、箱書きを見ると「濱田庄司」とあり「贋物か?」と恐る恐る竜宮城から持ち帰った玉手箱のように蓋を開けるとそこには本物の「浜田庄司の赤絵櫛目茶碗」が鎮座しているではありませんか!そうです。なんと人間国宝の「浜田庄司」さんが拵えた琉球窯の作品。「こんな古い茶碗があったけど価値がわからないから燃えないゴミに出すつもり」なんと「ストップザミュージック」…ではなくチョットお待ちなさい。これは私が責任もって預かります…いや絶対に買わせてください!と嘆願して大枚を叩きまして無事購入をさせて頂きました。まだお客様はポカーンとして何のことやら判らないようでしたので私がこの方の事、とても貴重な作品など詳しく事を優しく?説明すると、ようやく納得されたようで大変喜んでおられました。これを大切に保管されていた 叔母様のお母様もとても喜んでると思います。この作品については後ほど少しばかり真面目に開設させて頂きますので最後までお付き合いくださいませ…。

 

 

 

買取品の詳細

モダンな図柄
赤絵櫛目模様の茶碗

◇この「琉球窯 赤絵櫛目茶碗」は箱には少しばかり汚れがあるものの作品自体には傷や汚れもなく大事に保管されていたものと思われます。琉球独特の赤絵に菱形の文様と櫛目柄は見ようによってはモダンな図柄でこの時代に流行した柳宗悦さんらの民藝運動と重なる時期だと思われますね。形も全体にきちんと整えられたわけでもなく特に縁などはよがみや歪もありますが逆にそのことが何かを訴えているように感じられます。色使いも赤、紺、緑が独特で決して派手さはありませんが濁白の釉薬と混じって素朴で人間の手が感じられる作品でした。残念ながら入荷して間もなく売約となりました。ありがとうございました。

買取査定額

不均一な形
不均一な作品、人間味

 

◆人気の「浜田庄司」作品の買取査定額もしくは評価額ですがまず第一に贋物が多いので真贋、次に人気の作品、そして状態、付属品の有無などでより高価買取&できます。なお、今回買取した茶碗は沖縄の「琉球窯」という人気の窯元で製作されたもので状態もよく、しかも元箱なども揃っているということで高価買取させていただきました。模倣した作品では5000円から15000円。本物でしたら15万円~高いものでは100万円以上の査定額になります。ありがとうございました。尚、ご自宅やコレクションに人間国宝の方の作品がありましたら是非、骨董品買取の福岡玄燈舎にお声掛け下さいね。宜しくお願い致します。

高台もごつごつしています

 

 

■過去の作品買取例

民藝運動の名残
民藝運動の名残

青流大鉢  益子焼    700,000円
柿釉面取赤繪水指    500,000円
柿釉青十字掛方瓶   350,000円
塩釉色打茶碗       150,000円 他多数

 

 

◇浜田庄司とは…

縁もユラユラ感があります
縁もユラユラ感があります。抹茶茶碗

◇浜田庄司(はまだ しょうじ、1894年12月9日 – 1978年1月5日)は、栃木県に生まれ、昭和の時代を代表する日本の陶芸家です。彼は日本の伝統的な工芸技術を現代に伝える重要な役割を果たし、人間国宝(重要無形文化財保持者)としてその名を刻みました。幼少期から手先が器用で、ものづくりに興味を持っていた浜田庄司は、東京高等工業学校(現・東京工業大学)に進学し、そこで本格的に陶芸の道を志します。彼の師匠である河井寛次郎との出会いが彼の人生を大きく変えることとなり、二人は深い友情と陶芸に対する情熱を共有しました。

陶歴

浜田庄司の陶歴は、日本の陶芸界に多大な影響を与えるものでした。彼はイギリスに渡り、バーナード・リーチと共に活動し、東洋と西洋の陶芸技術を融合させた作品を生み出しました。1920年にイギリスへ渡った彼は、バーナード・リーチとともにセント・アイヴスにてリーチ工房を設立。ここでの経験が彼の作品に大きな影響を与え、彼の独自のスタイルを形成する基盤となりました。

帰国後、彼は自身の工房を開き、日本各地の伝統的な陶芸技術を学びながら独自の作品を創作しました。特に民藝運動(みんげいうんどう)に深く関わり、柳宗悦や河井寛次郎、バーナード・リーチらと共に日本の民藝品の美しさを再評価し、その価値を広める活動を行いました。

 

存在感のある底面の茶碗
存在感のある底面の茶碗

代表作品

浜田庄司の作品は、その技術と芸術性の高さで知られています。彼の代表的な作品には以下のようなものがあります。

  1. 掛分け壺 浜田の作品の中で特に評価が高いのが、掛分け技法を用いた壺です。これは、異なる釉薬を使用して壺の表面に独特の模様を描く技法であり、彼の作品に見られる美しい色彩の対比が特徴です。
  2. 鉄釉皿 浜田は鉄釉を用いた作品でも知られています。鉄釉は、鉄分を含む釉薬を使用して焼成することで、深い色合いと独特の質感を持つ作品を生み出します。彼の鉄釉皿は、その深みのある色とシンプルな形状が特徴で、多くの愛好家に支持されています。
  3. 絵皿 浜田の絵皿には、彼の自由奔放な筆遣いが見られます。伝統的な技法に基づきながらも、彼独自の感性を取り入れた絵皿は、見る者に強い印象を与えます。特に自然や動植物をモチーフとしたデザインが多く見られます。
  4. 甕(かめ) 甕は、浜田の作品の中でも重要な位置を占めています。大きなサイズと力強い造形が特徴で、彼の陶芸技術の高さを示す作品です。特に、掛分け技法や鉄釉を用いた甕は、彼の代表作として高く評価されています。
  5. 皿や鉢 日常使いの器としての皿や鉢も、浜田の手によると芸術作品に変わります。シンプルながらも力強いデザインと、使い勝手の良さが両立した彼の作品は、多くの家庭で愛用されています。

受賞歴と評価

浜田庄司の陶芸家としての評価は国内外で高く、多くの賞を受賞しました。1955年には重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され、その後も多くの展覧会で彼の作品が紹介されました。彼の作品は、現在も多くの美術館や博物館に所蔵されており、彼の技術と芸術性は後世にわたって受け継がれています。

晩年と影響

浜田庄司は晩年まで精力的に創作活動を続けました。彼の工房は、次世代の陶芸家たちにとっての学びの場となり、多くの優れた陶芸家を輩出しました。1978年に83歳でこの世を去りましたが、彼の作品とその精神は現在も多くの人々に影響を与え続けています。

人間国宝作品、堂々詩る立ち姿です
人間国宝作品、堂々詩る立ち姿です

 

沖縄琉球窯の作品について…

沖縄での活動期間である1946年から1954年までの8年間は、彼の創作活動において重要な転換点となりました。

琉球窯での活動

第二次世界大戦後の混乱期、焼け野原となった沖縄の復興支援のために渡った浜田は、読谷村に「琉球窯」を開設しました。そこで朝鮮半島からの渡来系陶工である金銀煥(キム・ウニョン)と出会い、朝鮮半島の製法を取り入れた作品を制作しました。今回の買取品もこの時代のものです。

代表作

琉球窯時代における代表作は以下の通りです。

  • 赤絵:朝鮮半島伝来の技法を用いた赤絵作品は、明るく華やかな印象を与えます。代表作として、「赤絵花卉文茶碗」、「辰砂釉赤絵草花文花瓶」などが挙げられます。

  • 辰砂釉:鮮やかな辰砂釉を用いた作品は、力強さやダイナミックさを表現しています。代表作として、「辰砂釉水注」、「辰砂釉四方耳花瓶」などが挙げられます。

  • 黒釉:朝鮮半島の黒釉技法を取り入れた作品は、深みのある黒色と光沢が特徴です。

    代表作として、「黒釉朝鮮茶碗」、「黒釉四方耳花瓶」などが挙げられます。

作品の特徴

琉球窯作品は、下の特徴によって他の時代の作品と区別することができます。今回の私の買取した作品も当てはまりますね。

  • 朝鮮半島の影響: 朝鮮半島からの渡来系陶工との交流により、朝鮮半島の製法や意匠を取り入れた作品が多く見られます。
  • 明るく華やかな表現: 戦後の復興を象徴するかのように、明るく華やかな色彩や文様が特徴です。
  • 力強さやダイナミックさ: 辰砂釉を用いた作品など、力強さやダイナミックさを表現した作品も多く見られます。
  • 実験的な試み: 新しい技法や素材を用いた実験的な試みも多く見られ、浜田の旺盛な探求心が伺えます。

作品の位置づけ

琉球窯での活動は、浜田庄司の創作活動において重要な転換点となりました。それまでの重厚で落ち着いた作風から、明るく華やかで力強い表現へと変化し、その後の作品にも大きな影響を与えました。また、朝鮮半島の陶芸との交流を通じて、彼の視野は大きく広がり、国際的な陶芸家としての地位を確立するきっかけにもなりました。最後に琉球窯時代は、浜田庄司の創作活動において短期間ではありましたが、その後の作品に大きな影響を与え、彼の芸術性を飛躍的に高めた重要な時期と言えます。朝鮮半島の陶芸との出会いによって生まれた新しい表現は、20世紀の陶芸史において重要な位置を占めています。ありがとうございました。

◎関連、参考サイト

 

 

 

 

■その他の買取品目

 

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