福岡市早良区でアンティークのガラスランプを買取りました!

黒木国昭さんのランプ買取りました/骨董品買取の福岡玄燈舎
黒木国昭さんのランプ買取りました

 

【そろり骨董、どっこいランプ。~早良区アンティーク放浪記~】

こんにちは…骨董品の福岡玄燈舎です。そろそろ梅雨入りかいな……と、天気予報士が鼻声まじりでテレビに向かってささやいていたある日のこと。窓の向こうじゃ、ツバメが低く飛んでいて、これまた見事に気象庁の見解と一致していた。梅雨の気配というのは、たいてい湿気とともにやってくる。が、この日の湿気はちょいと違った。「骨董依頼の匂い」ってやつ。

舞台は福岡市は早良区、そこそこ築年数の経ったマンションの一室。エレベーターで上がっていくと、ドアを開けて出迎えてくれたのは、物腰柔らかなご依頼人。笑顔の奥に、ちょっぴり「整理しないと怒られる」というプレッシャーがにじんでいた。聞けば、ご両親が生前、事業のかたわら日本全国を駆け巡っては蒐集していた骨董たち。つまりこの部屋は、いわば「骨董品の選抜集合写真」のような状態だったのである。

まず目に飛び込んできたのは、古伊万里の皿、皿、さらに皿。中には鍋島焼の品もあり、幕末〜江戸中期あたりの作品がずらり。状態も上々、まるでつい昨日、有田の窯元から出てきたかのよう。裏を返してみれば、しっかりとした高台、まるで「どうぞ査定してください」と言わんばかりの堂々たる風格。こちらも負けじとメジャー片手に、そろりそろりと一枚ずつ拝見。

「これだけきれいに残ってるのも珍しいですねぇ」
「父が“これは絶対売るな”って言ってたんですけど……売ります」
「えっ」

人生、決断がすべてである。仏壇に手を合わせるがごとく、心の中でお父様に拝礼しつつ、値付けを開始。

続いて、和室の片隅からぬるりと姿を現したのは、軍刀に脇差、合わせて数本。うっかり本気で抜いたら、梅雨前線を斬り裂きそうな気配。登録証付きで保存状態も極めて良好。ふつう軍刀というと、銃刀法違反の香りがしてくるものだが、こちらはまるで「はじめまして、お国の許可済みです」と言わんばかりのまっとうな育ち。査定士としては嬉しいやら恐ろしいやら、胸がきゅっとなる瞬間である。

お次は、洋室の壁にずらりと並んだ油絵たち。あれも絵、これも絵。どれもキャンバスにたっぷり油を乗せて、筆の勢いが画面を突き抜けていた。サインを見ると、なんと福岡ではちょいと名の知れた画家の作。失礼してスマホで検索してみたら、あれまあ立派な個展歴がずらり。しかも近年評価が上昇中ときた。ついでに査定額も上昇中、こちらもつられて鼻息があがる。

そのまま茶道具コーナーへ移動。棚には棗に茶碗に鉄瓶と、まるで老舗の茶会準備室。時代物から昭和の有名作家のものまで幅広く、まさに「和のオムニバス」状態。茶筅をひとつ手に取ると、なんだか急に静寂が訪れるから不思議だ。お抹茶を点てたい衝動を抑えつつ、「あの、これも査定させていただいて……」と、そろりそろりと巻紙を開く。そこには千利休の茶掛け…ほかにも数点がある。

しかし、今回最大のハイライトは最後に現れた。

鹿と紅葉が秋を感じさせますね/アンティークの買取の福岡玄燈舎
鹿と紅葉が秋を感じさせますね

ダイニングの隅、何やら布でくるまれていた大きな物体。そろそろと布をめくると……出た! これはただの照明器具ではない。電気というより「光を放つ芸術作品」といった風情。高さ約70センチ、土台もガラスで、シェードは鹿と風景の模様のアールヌーヴォー。いわゆる“ガレ風”のガラスランプである。しかし風どころではない。これはもう“本ガレ”かと見紛うレベル。

作者を確認して腰が抜けた。なんと某世界的ガラス工芸作家の作品で、限定制作の希少品。まさに“ガラス界の大関”である。ガラスといえば割れ物の代名詞だが、こちらは気品が割れてあふれていた。たぶん光るたびに、部屋の空気が3ランクくらい上品になる。今夜から紅茶の香りがしそうなほどだ。ほかにももう一台あったがコチラのランプは20年前の地震で悲しくも砕け散った残骸風になっていた。

すべてを拝見し終えた頃には、外はとっぷり日が暮れていた。気づけば滞在時間5時間越え。椅子に座る背中も骨董化しそうな勢いである。

「それでは、査定金額ですが……」

いつもこの瞬間が緊張する。相手にとっては人生の思い出、こちらにとっては骨董界の逸材たち。過小評価すればバチが当たるし、過大評価すれば赤字になる。そんな綱渡りの先に、数字をそっと提示。

一瞬の沈黙のあと、ご依頼人が「お願いします」とうなずいた瞬間、どこからともなく一陣の風が吹いた。ええ、エアコンの風ですけどね。ともあれ、無事買取成立。帰り道。クルマのラジオからは懐かしい昭和歌謡が流れていた。ガレ風ランプの光を思い出しつつ、私は思った。

──骨董ってのは、時代と一緒に緊張感をもって?旅してるんだなあ…と。

どこかの茶室で一服のお茶となり、どこかの武家屋敷で刀を握られ、どこかの画室で筆が踊った。そんな過去を背負って、今この福岡の空の下にあるというのが、たまらなく愛おしい。

そろり、そろりと季節が巡るように、骨董もまた、そろりそろりと次の持ち主のもとへ旅立つのだ。そして私の骨も、そろそろ……湯船に入りたい。

このアンティークガラスランプについては下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。

買取品の詳細

とても存在感のあるアンティークランプです/福岡の骨董品買取は玄燈舎へ
とても存在感のあるアンティークランプです

◇この「アンティークのランプ」は黒木国昭さん作品でガラスマニアの間では世界的に評価の高い存在である方の作品です。ガラスのエッチングや透かし、絵のデザインや色使いなど超一流のデザインランプでした。山間に一匹の鹿と紅葉が散りばめられた季節感のあるランプです。大きさも60cm以上の存在感ある大作でした。しかも傷もない美品で栞や共箱もある貴重な作品です。アールデコデザインのガレのランプに匹敵する人気のランプでした。ありがとうございます。

ランプベースもガレ風のガラスです/骨董品買取の福岡玄燈舎
ランプベースもガレ風のガラスです

買取査定額

◆黒木国昭作品の買取査定額もしくは評価額ですがまず作品と大きさや希少性、次に状態、付属品の有無などでより高価買取&できます。なお、今回買取したランプは大きくてガレ風で状態もよく、しかも付属品や元箱なども揃っているということで高価買取させていただきました。ありがとうございました。尚、ご自宅や倉庫にアンティークランプや骨董のガラス作品がありましたら是非、骨董品買取の福岡玄燈舎にお声掛け下さい。宜しくお願い致します。

 

 

 

■過去の作品買取例

上から見ても絶景なランプです
上から見ても絶景なランプです

『光琳』ランプス箱付                500,000円
硝子飾筥「燕子花」 共箱付    400,000円
浮き彫り灯 日本の自然 「椿と鳥」250,000円
浮彫 萬代橋と加治川の桜 花器 150,000円 他多数

◇黒木国昭氏とは…

黒木国昭さんのサイン入り/骨董品買取の福岡玄燈舎
黒木国昭さんのサイン入り

黒木国昭(くろき くにあき)氏は、日本のガラス工芸界を代表する作家であり、伝統的な日本美と西洋の素材であるガラスを融合させた独自の作品で知られています。その芸術性と技術力は国内外で高く評価され、多数の受賞歴とともに、後進の育成にも尽力しています。


〇略歴

1945年、宮崎県須木村(現・小林市)に生まれた黒木氏は、1963年に集団就職で上京し、ガラス工場に勤務したことがガラス工芸との出会いでした。その後、国家ガラス製品技能1級を取得し、1984年に独立。1989年には「グラスアート宮崎綾工房(現・グラスアート黒木)」を設立し、ガラス工芸作家としての道を本格的に歩み始めました。

黒木氏は、ガラスという西洋の素材に日本の伝統美を融合させることを追求し、独自の技法と表現を確立しました。特に、金やプラチナ箔を用いた装飾や、ミルフィオリ技法を取り入れた作品群は、彼の代名詞ともいえる存在です。


〇受賞歴

黒木氏の作品は国内外で高く評価され、多数の賞を受賞しています。主な受賞歴は以下の通りです。

  • 1991年:国の卓越技能者「現代の名工」受賞

  • 1994年:国際芸術文化賞受賞

  • 1995年:フランス・パリ平和芸術祭大賞受賞

  • 1996年:イタリア・ローマ国際美術博覧会ローマ大賞受賞

  • 1998年:ギリシャ・アテネエキスポ’98グランプリ政府大賞受賞

  • 2006年:黄綬褒章受章

これらの受賞は、黒木氏の技術力と芸術性が国際的にも認められている証といえるでしょう。


〇代表作品

光琳(こうりん)シリーズ

黒木氏の代表作であり、琳派の美意識をガラスで表現したシリーズです。金やプラチナ箔を散りばめたガラスに、ミルフィオリ技法を用いて華麗な装飾を施しています。その美しさと技術の高さから、国内外で高い評価を受けています。

綾切子(あやきりこ)

宮崎県綾町の自然をモチーフにした作品群で、三層二色のガラスを用いた切子技法が特徴です。自然の美しさをガラスに閉じ込めることで、環境保護へのメッセージも込められています

新世紀ロマンシリーズ

自然や季節の移ろいをテーマにした作品群で、金やプラチナ彩を用いた花器などがあります。例えば、「雨恵(めぐみ)」は紫陽花とカタツムリをモチーフにした作品で、梅雨の風景をガラスで表現しています。


〇活動と後進の育成

黒木氏は、国内外での展覧会を通じて日本のガラス工芸の魅力を発信し続けています。また、後進の育成にも力を入れており、弟子の谷口榮氏との師弟展などを開催しています。2025年には、阪急うめだ本店で「傘寿記念 第39回 黒木国昭展」が開催され、黒木氏の新作「舞蝶」などが展示される予定です。

今回、買取させて頂いたランプもアールヌーボのガレ風ランプで宮崎の自然と動物を題材にした懐かしい灯りのガラス作品でした。

黒木氏のランプ作品は、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したフランスのガラス工芸家エミール・ガレの影響を受けつつも、日本独自の美意識を取り入れた独創的なデザインが特徴です。彼のランプ作品には以下のような特徴があります。

  • 金彩象嵌技法ガラスの表面に金やプラチナを用いた装飾を施し、豪華で華やかな印象を与えます。

  • 被せガラスと切子技法複数の色ガラスを重ね合わせ、表面を削ることで下層の色を浮かび上がらせる技法を用いて、繊細な模様や風景を表現しています。

  • 自然や吉祥文様のモチーフ鳳凰、牡丹、孔雀、鹿など、日本の伝統的なモチーフを取り入れ、和の美を感じさせるデザインが多く見られます。

これらの技法とデザインにより、黒木氏のランプ作品は、光を通すことで幻想的な雰囲気を醸し出し、見る者を魅了します。


〇代表的なランプ作品

黒木氏のランプ作品には、以下のような代表作があります。

  • 金彩象嵌「鳳凰」エミール・ガレを思わせる造形に、吉祥文の鳳凰をあしらった作品で、豪華さと繊細さを兼ね備えています。

  • コードレスミニランプ「風雅」~かざぐるま~白いクレマチスがランプを囲んで咲いており、柔らかな光とともに優雅な雰囲気を演出します。 「雪景色」静寂なる雪の風情を、美しい色のコントラストとサンドブラストの技術を駆使した彫刻で立体的に表現した作品です。

 

◎関連、参考サイト…

1. グラスアート黒木(宮崎県綾町)

黒木氏が主宰するガラス工房兼ショールームで、彼の代表作を常設展示しています。「光琳」シリーズや「綾切子」など、金彩やプラチナ彩を施した華麗な作品群を間近で鑑賞できます。また、工房見学や作品購入も可能です。訪問前には事前の問い合わせをおすすめします。

  • 所在地:宮崎県東諸県郡綾町

  • 電話:0985-77-2311


2. 中島美術館(宮崎県日向市)

宮崎県日向市にある中島美術館では、黒木国昭氏の作品が展示されています。展示内容は定期的に入れ替えられるため、訪問前に最新の展示情報を確認することをおすすめします。

  • 所在地:宮崎県日向市東郷町山陰乙505番6

  • 電話:0982-69-3500

■その他の買取品目

 

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