福岡県北九州市でブロンズ像を買取りました!

プロムナード像です。箱付き/骨董品の買取は福岡玄燈舎
プロムナード像です。箱付き

◆福岡という街は、どことなく「のんびり屋さん」なところがあって、朝の空が晴れていても午後には気まぐれに土砂降り。特にこの数日はひどかった。まるで空の上で大男がバケツをひっくり返したかと思うような、滝のような大雨。いや、あれはバケツじゃない、ドラム缶を横倒しにしたレベルである。

そんな大雨に見舞われた我が骨董商いも、文字通り“水の泡”である。仕事? いやいや、無理無理。命あっての商売だ。おまけにこの湿気と気圧で、古傷の膝がミシミシ言い出す。そういう時は、世間様の喧騒から少し距離を置いて、縁側で濡れ縁と化した新聞でも広げて、昔の中吊り広告でも眺めるのが正解だ。

──と、そんな休業モード真っ最中に一本の電話。受話器を取る手にも気だるさがにじむが、内容を聞けば思わず背筋がピンと伸びた。

「北九州からなんですが、骨董品の出張査定をお願いしたくて」

出ました、“神様のワンコール”。これだから骨董屋はやめられない。雨に濡れても、泥にまみれても、値打ち物の呼び声には逆らえない性分。何しろ、あの昭和の時代から「目利き」で飯を食ってきたんだから。いざ、北九州へ!


コレクターのお宅はブロンズの博物館

指定された住所にたどり着くと、どこにでもある静かな住宅街。だが一歩足を踏み入れた瞬間、玄関からただよう空気が違った。これは…できる。できる家だ。

案内された応接間には、ところ狭しと並んだブロンズ像、ブロンズ像、そしてまたブロンズ像。まるで昭和の商店街にあった電気屋の冷蔵庫コーナーのように、どれもこれも似てるようでいて、実に味わいがある。

お父様がご存命の頃から、少しずつコレクションを増やしてこられたそうで、前回も別の業者であるが何点か買取していただいたとのこと。今回はその続き。

中でも目を引いたのは、北村西望の作品。あの「長崎平和祈念像」で有名な先生だ。肩幅がやたらと広く、手足が妙にムキムキしているのが特徴で、どこか軍人上がりの体育教師を彷彿とさせる。

それから、籔内佐斗司の作品もあった。こちらは一転して童子風のキャラクターが多く、どこか奈良の観光地で売っていそうな土鈴の延長線。悪く言えば“ゆるキャラブロンズ”、良く言えば“現代の福助”。


高名な作家の作品ほど買えない悲しき骨董屋事情

こういう話をすると、大抵のお客さんは首をかしげる。

「え? こんな有名な人の作品なのに? なんで?」

それが、骨董屋の悲しきサガでして。知名度が高ければ高いほど、真贋を巡る証明が厳しくなる。書類がなければ売れない。箱がなければ値段がつかない。極端な話、作者のサインが彫ってあっても「誰かが真似して掘ったかも」と疑われる始末。疑り深さで言えば、骨董界の鑑定士は刑事コロンボより手ごわい。

結果として、無名の作家のブロンズ像、あるいは素性のわからぬ仏像の方が、意外とすんなり取引が成立するという皮肉。何事も、“ちょうどいい匿名性”ってのが、大事なんである。

そんなこんなで、今回は数点の無名ブロンズと、ちょっとした仏像をありがたく買い取らせていただいた。お盆前の忙しい時期に、わざわざ声をかけてくださったご厚意に感謝を込めて、ぎりぎりの高値でご提示。向こうも満足げ、こちらも満足げ。まさにWin-Winの昭和商談である。


そして、雨上がりの空を見上げて

帰り道、車の窓から見上げた空は、久しぶりに晴れていた。雲の切れ間から差し込む日差しが、まるで骨董の仏像に当たる光のようにありがたく見えた。思わず「南無」と唱えたくなるくらいである。

思えばこの商売、毎回が一期一会だ。どんなお宅に呼ばれるか、どんな物が出てくるか、やってみなければ分からない。ギャンブルのようでいて、実は人との信頼で成り立っている。昭和の時代からずっと変わらない、人と物とのドラマが、今も続いている。

帰宅後、濡れた靴を干しながら、ふと新聞をめくると「今日は山の日」とある。そういえば、そうだったか。祝日だろうが平日だろうが、骨董屋には関係ない。天気と人と、物の巡りあわせ。それだけが頼りの世界である。

──というわけで、次の出張もきっと「バケツをひっくり返したような」何かが待っていることだろう。

ブロンズ像も、仏像も、商売も、そして大雨すらも──昭和の香り漂うこの国では、すべてが混ざってちょうどいい“味”になる。
骨董品の買取とは、そういう時代の記憶を買うことなのかもしれない。
今日もどこかで、誰かが古い引き出しを開け、忘れられた記憶に手を伸ばしている。

夢の中でも「そのブロンズ、いくらで買ってくれるの?」と言われているような…

──さて、次はどんな話が飛び出すやら。

このブロンズ像については下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。

買取品の詳細

清楚な少女像/骨董品やブロンズ像の買取は福岡玄燈舎
清楚な少女像

◇この「ブロンズの女性像」は「稲田喜秀」作品です。鋳銅製のきれいな作品です。題名は「プロムナード」もともとは散歩道とか庭園での演奏会という意味ですがこの女性のモデルは散歩疲れ?かはたまた静かで優雅な演奏を聴いている少女か?ご想像にお任せいたします。ありがとうございました。

買取査定額

◇ブロンズ像の買取査定額もしくは評価額ですがまず第一に作者と題材、次に火状態や大きさ、ほかには刻印ヤ共箱、栞などあればより高価買取&できます。ご自宅にブロンズ像や彫刻が御座いましたら一度拝見させてください。もちろん状態や時代、作者、作品でもお値段は変わりますのでご了承ください。

 

■過去の作品買取例

刻印があります/骨董品の買取は福岡玄燈舎
刻印があります

 

プロムナード        40,000円
ファルシオン 大怪獣空中決戦 ガメラ ソフビキット  20,000円
ファルシオン ガメラ1995・ソフビキット     15,000円
帰ってきたウルトラマン ファルシオン                         8,000円 他多数

稲田喜秀とは?

◆長野県出身、1965年生まれ。作品は原型を手掛けた高岡銅器のブロンズ像「プロムナード」(女性像、高さ約30.4cm)などが知られています。実は幼少期に岡本太郎の「太陽の塔」に衝撃を受け、造形に興味を持つようになったとのことでした。さらに、1970年代、テレビヒーロー全盛の影響を受けながら、美大在学時に制作プロダクションでCMやイベント、アトラクションの造型に携わった経験があるそうです。その影響か1990年代には玩具・ホビー関連の原型制作にも従事し、FALCHiON(ファルシオン)というキットメーカーにおいて、怪獣や特撮キャラクターのソフビ原型を多く手掛けました。代表例として「ガヴァドンA」や「ガボラ」などがあり、稲田さんの原型による精巧な造形はファンにも高く評価されています

鑑定書あります/骨董品やアンティークの買取は福岡玄燈舎
鑑定書あります

 

参考サイト

パオパオワンダーランド 
怪獣特撮大百科事典

■その他の買取品目

 

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