KPGの飾り皿買取りました/アンティークの買取は福岡玄燈舎
KPGの飾り皿買取りました
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福岡市中央区でKPMの飾り皿を買取りました!

細かい描写が素晴らしい飾り皿ですね/骨董品の買取は福岡玄燈舎
細かい描写が素晴らしい飾り皿ですね

今年も残すところ、指折り数えて十日ばかりとなった。街に出ると、歩く人間の顔つきがどことなく忙しない。いや、忙しないどころではない。年末という名の見えない号令が鳴り響いているかのように、皆が皆、前のめりに歩いている。スマートフォンを片手に、眉間にしわを寄せ、何かに追われるような顔である。
 もっとも、何に追われているのかは本人にもよく分かっていないのだろう。ボーナスだの、忘年会だの、大掃除だの、年賀状だの、挙げ句の果てには「今年こそ変わりたい自分」などという、正体不明の妖怪までが年末になると出没する。街はいつも以上にネオンが明るく、財布はいつも以上に軽く、心はいつも以上に落ち着かない。

 そんな世の中を横目に、私ら骨董屋といえば、どうだろう。人々のせわしない顔つきとは正反対に、まるで縁側で日向ぼっこでもしているかのような、のほほんとした顔で今日もお宝探しに出かけるのである。
 世間が未来だ、効率だ、DXだと騒いでいる最中に、こちらは江戸だの明治だの清朝だのと、時間を逆走している商売である。流行に乗り遅れているのではない。流行など最初から眼中にないのだ。百年前に作られた湯呑みが、今日も平然と湯を受け止めている。その事実だけで、こちらは十分に救われている。

 本日も一本、福岡市の中心地にあるマンションでの骨董買取の依頼があり、重たい腰を上げた。マンションと聞くと、だいたい想像がつく。オートロック、管理人常駐、エレベーターは無駄に静かで、廊下はホテルのように長い。
 インターホンを押すと、文明の利器が「どちらさまですか」と無機質に尋ねてくる。こちらが名乗ると、しばしの沈黙の後、「どうぞ」という声がして、ようやく人間として認められる。昔の長屋なら、戸を叩けばそれで済んだものを、今では機械の許可がなければ骨董も入れない。

 さて、部屋に通されると、そこにはなかなかの顔ぶれが待っていた。
 まず目に飛び込んできたのは、中国の掛軸。達筆なのか、単なる勢いなのか、判別のつかぬ文字が墨の濃淡で踊っている。横には青磁の花瓶と香炉。青磁というのは不思議なもので、割れればただの陶器、残れば一気に品格が出る。人間も見習うべきである。
 さらに、根付や印籠がいくつも並んでいる。昔の人間は、煙草入れ一つに、ここまで工夫と遊び心を詰め込んだのかと思うと、コンビニで売っている均一な商品が急に味気なく見えてくる。

 ここで少し、こちらのテンションが上がる。骨董屋の顔というのは正直なもので、値段のことよりも「面白い物に出会った」という瞬間に、どうしても頬が緩む。
 もっとも、その緩みを相手に悟られてはいけない。骨董屋は役者でもある。内心では踊っていても、表情は「まあ、よくある物ですね」と澄ましていなければならない。ここにこの商売のいやらしさと、同時に愛嬌がある。

 さらに奥を見ると、西洋アンティークのランプや茶器もあった。東洋と西洋が、何の相談もなく同じ部屋に居座っている光景は、骨董の現場では珍しくない。
 考えてみれば、この部屋自体が一種の万国博覧会である。清朝とヴィクトリア朝が、令和のマンションで肩を並べているのだから、歴史の方が目を回すに違いない。

 今年最後になるかもしれない買取である。こちらも少し気張って値を付けた。
 もっと安く買えたかもしれない、という思いが頭をよぎらないわけではない。しかし同時に、「この品物がまた次の持ち主に渡る橋渡し賃」と思えば、ケチケチするのも野暮というものだ。
 商売というのは不思議なもので、欲を出しすぎると逃げていくし、引きすぎると後悔が残る。結局、正解は神のみぞ知る、である。

 結果として、何とか買取は成立した。
 その瞬間、部屋の空気が少しだけ軽くなる。売る側も、買う側も、「まあ、こんなものだろう」と互いに納得した顔をする。この曖昧な納得こそが、骨董品取引の最大の潤滑油である。
 もしこれが株や仮想通貨なら、数字が一円違うだけで大騒ぎだろう。だが骨董は違う。値段の裏に、時間と物語がくっついている。

 そして、その買取品の中に、ひときわ品のある磁器があった。ベルリン王室御用達、KPMのアンティークである。


 「王室御用達」という言葉は、いつの時代も魔法の響きを持つ。現代では王様などほとんど見かけないのに、この言葉だけはしぶとく生き残っている。
 考えてみれば、人々はいつの時代も「誰か偉い人が使っていた」という事実に弱い。インフルエンサーだの、ランキング一位だの、形は変われど本質は同じである。

 こうして、一日の仕事が終わった。
 マンションを出ると、外はすっかり年末の顔をしていた。急ぐ人、立ち止まる人、スマートフォンに吸い込まれる人。その横を、百年前の品々が静かに車に揺られていく。
 世の中は変わる。価値観も、流行も、速度も変わる。だが、変わらないものも確かにある。それを拾い集めて、今日も明日も「商売」にしているのが、私ら骨董屋なのである。

 ありがたい一日であった。
 そしてたぶん、来年もまた、のほほんと同じことをしているのだろう。世間の気ぜわしさを横目に、古い物と新しい年を、同じ棚に並べながら。

このKPMについては下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。

買取品の詳細

◇この「KPMのアンティークの飾り皿」は1900年代の物だと思われ状態も良いものでした。ストーリがある図柄で大変貴重なアンティークです。ありがとうございました。

買取査定額

金彩もペイントロスがなくきれいな状態です/アンティークの買取は福岡玄燈舎
金彩もペイントロスがなくきれいな状態です

◇古いKPMの買取査定額もしくは評価額ですが意匠、図柄や年代、そして状態、ほかには刻印や共箱などあればより高価買取&できます。

ご自宅にアンティークの食器や置物が御座いましたら一度拝見させてください。もちろん状態や時代、作者、作品でもお値段は変わりますのでご了承ください。

 

■過去の作品買取例

皿の細かいところまでも金彩があります/アンティークの買取は福岡玄燈舎
皿の細かいところまでも金彩があります

KPM  陶板画 女性 600,000円
KPM陶板画 小椅子の聖母 500,000円
KPM陶板画『扇を持つ美女』350,000円
KPM 天使と女神置物 200,000円 他多数

KPMとは?

 

 

KPMベルリンは、1763年創設という長い歴史を持つ、ドイツを代表する高級磁器メーカーです。正式名称の「Königliche Porzellan-Manufaktur」は「王立磁器製陶所」を意味し、その名の通り、プロイセン王国の庇護のもとで発展しました。

少しゆらゆら感がある手作りの皿です/骨董の買取は福岡玄燈舎
少しゆらゆら感がある手作りの皿です

白く硬質で、気品ある造形と絵付けを特徴とするKPM磁器は、マイセンと並びドイツ磁器の双璧と称され、王侯貴族の食卓や宮廷文化を支える存在として高い評価を受けてきました。


創設の歴史とフリードリヒ大王

KPMベルリンの直接の起源は、18世紀半ばのヨーロッパにおける「白い金(磁器)」への強い憧れにあります。
磁器は長らく中国の専売技術であり、ヨーロッパでは17〜18世紀にかけて国家的事業として研究・製造が進められました。

1763年、**プロイセン王フリードリヒ2世(フリードリヒ大王)は、ベルリンにあった磁器工房を買い上げ、王立工房として再編します。これがKPMベルリンの正式な創設とされています。

このとき王は、すべての製品に王冠のマーク(青い笏を伴う王冠)を刻印することを命じました。この王冠マークは現在もKPMの象徴として使われています。


KPM磁器の特徴と技術的価値

KPMベルリンの磁器は、以下の点で高く評価されています。

① 磁器胎土の白さと硬度

KPMの磁器は非常に白く、透明感がありながらも硬質で、絵付けの発色を最大限に引き出します。

② 手作業による製造

現在に至るまで、成形・絵付け・金彩などの多くが熟練職人による手作業で行われています。

③ 絵画的な絵付け

単なる装飾ではなく、一枚の絵画のような精密な絵付けがKPMの大きな特徴です。風景画、花、人物画などは、美術品としても高い評価を受けています。


代表的な様式と名作シリーズ

● ロココ様式と新古典主義

創設当初のKPMは、当時流行していたロココ様式の影響を受け、曲線的で華やかな装飾が多く見られました。その後、18世紀後半から19世紀にかけては、新古典主義の影響が強まり、直線的で端正なデザインが主流になります。


● 代表的なサービス(食器)シリーズ

■ 「フリーデリケ(Friederike)」

フリードリヒ大王の名に由来する古典的なシリーズで、簡潔なフォルムと気品ある装飾が特徴です。

■ 「ベルリン(Berlin)」

KPMを象徴する代表作。
直線と円を基調とした新古典主義的デザインで、18世紀後半から現代まで継続生産されている稀有なシリーズです。

■ 「ロカイユ(Rocaille)」

ロココ装飾を色濃く反映した華麗なシリーズで、金彩や曲線的レリーフが特徴。祝宴用や贈答品として高い人気があります。


● 絵付け作品・磁器画

KPMベルリンは、**磁器に描かれた絵画(プラーク)**でも名高いメーカーです。
風景画や神話画、人物肖像などが磁器板に精密に描かれ、19世紀にはヨーロッパ各地の宮殿や貴族の邸宅を飾りました。


19〜20世紀の変遷と試練

19世紀、KPMは国家的磁器工房として繁栄しましたが、20世紀に入ると戦争と政治体制の変化に直面します。

  • 第一次世界大戦

  • ナチス政権下での統制

  • 第二次世界大戦による工房の破壊

  • 冷戦下での東ベルリン所属

これらの困難を経ながらも、KPMは製造を継続し、1990年のドイツ再統一後に再び国際的評価を高めていきました。


現在のKPMベルリンと人気作品

現在のKPMベルリンは、伝統工芸と現代デザインの融合を重視しています。

現在人気のある傾向

  • 「ベルリン」シリーズの現代的再解釈モデル

  • シンプルな白磁に控えめな金彩を施した作品

  • モダン建築・インテリアと相性の良いミニマルデザイン

  • アーティストや建築家とのコラボレーション作品

特に若い世代やデザイン志向の高い層からは、「歴史あるが古臭くない磁器ブランド」として再評価されています。


マイセンとの違い

しばしば比較されるマイセンに対し、KPMベルリンは

  • より理知的・建築的

  • 装飾は抑制的

  • プロイセン的な規律と合理性

を感じさせるデザインが多いと評されます。この点が、KPMを好む愛好家の大きな魅力となっています。

 

参考サイト

KPM Royal Porcelain Factory, Berlin GmbH(ベルリン王立磁器製陶所)

 

 

■その他の買取品目

 

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