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福岡市南区で英国製銀食器を買取りました!

節分前後、骨董屋は豆よりも埃をかぶる
一月も終わりに差しかかると、町は急に節分づいてくる。豆まきだの、恵方巻だの、いつの間にか全国民が同じ方角を向いて黙々と太巻きをかじる奇妙な儀式が定着して久しい。そういう浮ついた空気の合間を縫って、なぜか骨董の話は舞い込んでくる。鬼は外、福は内、価値は不明——そんな具合である。
「骨董品を見てほしいんですが」
電話口の声は、妙にあっさりしていた。話を聞けば、叔父が戦前に持ち帰ったという掛軸や巻物、中国の陶磁器や英国銀食器が三十点ほどあるらしい。本人はというと、骨董への情熱は限りなくゼロに近く、「どうせなら少しでも高く買ってくれるところを」と、きわめて現代的かつ健全な動機をお持ちだった。
よし、任せなさい。
わたくしが相場通り、いや相場以上に、できる限り頑張って高く——
……と言ったかどうかは、正直なところ覚えていない。こういう言葉は、その場の空気に溶けて消えるもので、録音でもしていなければ本人すら定かではない。ただ、骨董屋という生き物は、だいたい似たようなことを言う。言わねば始まらない商売なのだ。
数日後、出張鑑定。
立派なお宅である。玄関を入った瞬間に分かる。「ああ、これは“捨てられない家”だ」と。物が多い。だが雑然とはしていない。捨てないことを、きちんと継続してきた家の空気である。
最初に出てきたのは掛軸だった。
床の間から、押し入れから、箱から箱へと、次々に現れる。箱書きを見る。名前を見る。
円山応挙。
呉春。
与謝蕪村…
……と、教科書がそのまま床に広がったような光景である。
「これはすごいですね」と言うと、家主は一瞬、胸を張りかける。
だが、こちらはすでに分かっている。
よく描けている。実にうまい。構図も筆致も、破綻がない。だが——写しである。
写し、という言葉ほど人の肩を静かに落とさせる言葉も、そう多くはない。
宝くじが外れたわけでもない。
詐欺に遭ったわけでもない。
ただ、「本物ではない」というだけで、人はこうも落胆する。
その事実を、できるだけ角の立たないように伝える。
「ただですね、こちらは当時の写し物ですね」
家主は「やはり」と言いたげに、ゆっくりとうなずいた。
しかし、写しは写しである。時代は江戸。保存状態は良好。筆は細やかで、気配に品がある。大量生産された観光土産のような代物ではない。そこで、こちらもそれなりの値を付けた。
金額を告げると、家主の表情がほんの少しだけ緩んだ。
人は金額によって、現実を受け入れる準備ができる生き物なのだと思う。
他の掛軸も順に見ていく。
残念ながら、こちらは工芸品。
あちらも工芸品。
工芸品という言葉は便利で、優しく、そして残酷だ。
「価値がない」とは言わずに、しっかりと距離を取るための言葉である。
最後に出てきたのが、英国製の銀食器だった。

これが、なかなか良い。
多彩なデザインの銀食器が無造作に段ボール箱にはいってある。銀なので経年変化で黒ずみもあるし擦り傷も多いが銀は銀だ。これは現在の評価で高く評価した。
家主も納得した様子で、「叔父も、まあ、喜ぶでしょう」と言った。
すでにこの世にいない叔父を、値段で供養する。これもまた、骨董の役割のひとつである。
こうして無事に出張買取は終わった。
車に荷を積み込み、家主に一礼し、帰路につく。節分の豆は撒かれ、鬼は追い出され、福だけが残ることになっているが、実際のところ、残るのはだいたい埃と箱と、「捨てきれなかった理由」だけだ。
骨董とは、過去の価値を現在の金額に翻訳する仕事である。
その翻訳が正確かどうかは、誰にも分からない。
ただ一つ確かなのは、今日もまた、誰かの家の押し入れが少しだけ軽くなり、わたしの車が少しだけ重くなった、という事実だけである。おしまい…
この銀食器については下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。
買取品の詳細

◇この「銀食器」はMAPPIN&WEBBの銀器だと思われ作りも細やかなものでした。銀製のポットや煙草入れも上質の物でした。すべてが重量感のあるものすべて部品の欠品もないアンティークでした。ありがとうございました。

買取査定額

◇古い銀製食器の買取査定額もしくは評価額ですがまず第一にメーカーや生産国、次に銀の純度、ほかには刻印ヤ共箱などあればより高価買取&できます。ご自宅に銀製食器が御座いましたら一度拝見させてください。もちろん状態や時代、メーカー、作品でもお値段は変わりますのでご了承ください。
■過去の作品買取例

マッピン&ウェッブスターリングシルバー カトラリーセット 700,000円
Mappin&Webb ティーセット 600,000円
満州帝国皇帝溥儀陛下 銀製インク入台 400,000円
Mappin & Webb 蝋燭立て 250,000円 他多数
MAPPIN&WEBBとは?

◆
1. 創業とヴィクトリア時代の発展
Mappin & Webb は、1775年にイギリス・シェフィールドで創業した、英国を代表する老舗ジュエリーおよび銀器ブランドである。創業者はジョナサン・マッピンで、当初は銀器の製造を中心とした家族経営の工房としてスタートした。
シェフィールドは18〜19世紀にかけて金属加工産業で栄えた都市であり、Mappin家はその技術的基盤を背景に、品質の高い銀製品を世に送り出していった。
19世紀に入ると、産業革命の追い風を受けて事業は急成長する。特にヴィクトリア朝時代には、銀食器やカトラリー、装飾品が中産階級にも広まり、Mappin & Webbは「実用性と品格を兼ね備えた英国製銀器」の象徴的存在となった。この時代、同社は大量生産技術を取り入れつつも、伝統的な職人技を維持した点で高く評価されている。
2. 王室御用達ブランドとしての地位
Mappin & Webb の名声を決定づけたのが、英国王室との関係である。同社は19世紀後半以降、複数の英国君主からロイヤルワラント(王室御用達認定)を授与されてきた。
ヴィクトリア女王、エドワード7世、ジョージ5世などの治世において、王室のための銀器、トロフィー、記念品、宝飾品を数多く製作している。
この王室御用達という称号は、単なるステータスではなく、品質・信頼性・格式を保証するものとして、国内外の顧客から厚い信頼を集めた。現在に至るまで、Mappin & Webb は英国王室文化を体現するブランドとして認識されている。
3. 代表的な作品とプロダクト
銀器・テーブルウェア
Mappin & Webb の原点ともいえるのが銀器である。ティーセット、カトラリー、キャンドルスティック、トレーなどは、装飾過多になりすぎない端正でバランスの取れたデザインが特徴だ。
英国らしいクラシカルなフォルムに、繊細な彫刻や鏡面仕上げが施され、実用品でありながら儀礼性も備えている。
トロフィー・記念品
同社はスポーツトロフィーや国家的記念品の制作でも知られる。競馬、ゴルフ、軍関連の記念杯など、大型かつ象徴性の高い銀製トロフィーを数多く手がけてきた。これらは高度な金工技術とデザイン力の結晶であり、Mappin & Webb の技術力を示す代表例といえる。
ジュエリーと時計
20世紀以降はジュエリー分野にも本格的に進出し、ダイヤモンドジュエリーや婚約指輪、腕時計なども展開している。
特にジュエリーは、流行を追いすぎないタイムレスなデザインを重視しており、世代を超えて受け継がれることを前提とした作りが特徴である。
4. デザインと技術の特徴
Mappin & Webb の最大の特徴は、英国的節度と職人技の融合にある。フランスやイタリアのジュエリーブランドが華やかさや装飾性を前面に出すのに対し、Mappin & Webb はあくまで「品格」「耐久性」「実用性」を重んじてきた。
また、伝統的なハンドクラフトを重視しながらも、新しい製造技術を柔軟に取り入れる姿勢も同社の強みである。これにより、長い歴史を持ちながらも時代遅れにならず、現代のライフスタイルにも自然に溶け込む製品を生み出し続けている。
現在の Mappin & Webb は、英国を代表するラグジュアリーブランドとして、ロンドンを中心に展開している。観光客向けのブランドという側面もある一方で、英国国内では「人生の節目に選ばれるブランド」として根強い支持を得ている。

■参考サイト
British Museum(大英博物館)

■その他の買取品目
★骨董品買取の福岡玄燈舎では古美術品の他、アンティークや掛軸、茶道具、書道具、絵画、仏像、勲章、中国陶磁、甲冑など多彩な骨董品を査定買取しております。お見積りだけでも構いませんのでお気軽にご相談ください。












































