蒔絵のきれいな鼓です/骨董品の買取・福岡
蒔絵のきれいな鼓です
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福岡市中央区で蒔絵の鼓を買取りました!

蒔絵や漆の痛みも無い状態の良い鼓です/雅楽・買取・福岡
蒔絵や漆の痛みも無い状態の良い鼓です

二月も三日目になると、暦の上ではもう春らしいが、福岡の空気は相変わらず信用ならない。昨日までの冷え込みをすっかり忘れた顔で、今日は少しだけ緩む。こういうところが、季節も人間も商売も、だいたい似ている。

節分だということで、街では豆が投げられ、恵方巻が切られもせずに丸かじりされている。豆を撒いたところで鬼が出ていくのかどうかは分からないが、少なくともスーパーの棚から豆は消え、巻き寿司はやたらと太くなる。人々はそれで満足しているようだから、鬼も商売敵としては案外やりづらい存在だろう。

一方で金相場が上がっただの下がっただのと、世間は相変わらず忙しい。上がれば笑い、下がればため息をつく。テレビの向こうでは専門家が難しい顔で未来を語るが、だいたい未来というものは、語られた瞬間に外れるようにできている。

我々、骨董商はといえば、そのどちらにもあまり関係がない。盛り上がりもなければ、盛り下がりもない。あるのは、ただ「今日も店を開ける」という事実と、「今日は何が出てくるのか」という、ささやかな期待だけだ。一日一日を大切にしているかと聞かれれば、たぶんしているのだろうが、それを声高に言うほど立派な生き方でもない。

そんな平々凡々な日々の中で、一本の電話が鳴る。
骨董品の買取の依頼である。

この瞬間だけは、体が正直だ。アドレナリンが出る。血圧も上がる。どんなに経験を積んでも、電話の向こうに何が待っているのかは分からない。ゴミ同然の置物かもしれないし、一生に一度出会えるかどうかの逸品かもしれない。期待しすぎると裏切られ、期待しなければ後悔する。この辺りのバランス感覚は、骨董商の嗜みである。

今回の現場は福岡市中央区。一軒家だという。
中央区と聞くと、だいたいはマンションか、きれいに区画整理された住宅地を想像するが、そこにはまるで時間に取り残されたような「ポツンと古家」があった。周囲は現代的な建物に囲まれ、まるで申し訳なさそうに佇んでいる。だが、こういう家ほど油断ならない。

中に入ると、案の定である。
掛軸、茶道具、甲冑、日本刀の鍔や目貫
節操がないと言えば節操がないが、骨董品の世界ではこれを「守備範囲が広い」と言う。

まずは掛軸から拝見する。山水画に美人画。どれも名を聞けば誰もが知っている、という作家ではない。しかし、時代は明治期。保存状態も良い。派手さはないが、こういうものは静かに評価が積み上がる。結果として、高額査定になる。世の中、地味なものほど、後から効いてくる。

次に出てきたのは、刀の鍔と目貫がぎっしり詰まった箱。数は多いが、普段使いの武具ばかりで、目を引くものはない。かつては誰かの腰に下がり、実用品として生きていたのだろうが、今となってはまとめて評価される運命である。歴史とは、時に残酷だ。

桐箱に仕覆も付属です/骨董品の買取は福岡玄燈舎
桐箱に仕覆も付属です

そして最後に現れたのが、桐箱に収まった蒔絵入りの鼓だった。
箱を開けた瞬間、空気が変わる。
作者の印。端正な蒔絵。何より、状態がいい。鼓というものは、たいてい漆が擦れ、蒔絵が欠け、どこかしらに時間の爪痕が残っている。それが当たり前なのだが、この鼓は違った。極美品と言っていい。

「ありがたい」という言葉は、こういう時のためにあるのだと思う。

結果として、掛軸も、鼓も、高額査定となり、ご依頼主にも納得していただける買取となった。満足そうな顔を見るのは、悪くない。こちらも商売だが、相手の表情がすべてを物語る。

こうして一日は終わる。
豆も撒かず、恵方巻も食べず、相場も気にせず。
ただ古いものを見て、値をつけ、また明日を迎える。

鬼が出ていったのかどうかは知らないが、少なくとも今日は、静かな節分だった。

この鼓については下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。

買取品の詳細

調べ(紐)には痛みがあります/和楽器の買取は福岡玄燈舎
調べ(紐)には痛みがあります

◇この「鼓」は明治時代の物だと思われ胴にも豪華な蒔絵が入ったものでした。打面の皮の裏には作者めいもあります。調べには少し痛みはあるものの全体に状態の良い鼓でした。ありがとうございました。

買取査定額

◇古い鼓の買取査定額もしくは評価額ですがまず胴にある細工や蒔絵、次に状態、ほかには作者の刻印や共箱などあればより高価買取&できます。ご自宅に鼓や雅楽楽器が御座いましたら一度拝見させてください。もちろん状態や時代、作者、作品でもお値段は変わりますのでご了承ください。

 

■過去の作品買取例

徳川家紋入り金蒔絵鼓 古筆了意極付 800,000円
菊金蒔絵梨地小鼓 500,000円
蒔絵小鼓胴 鉋目彫 花押入り 300,000円
蒔絵小鼓 皮付 蒔絵螺鈿鼓箱 箱付 200,000円 他多数

鼓とは?

打面の裏にはサインや落款があります/骨董品の買取は福岡玄燈舎
打面の裏にはサインや落款があります

 

雅楽の鼓類の多くは、中国の唐代音楽(唐楽)や高麗・百済など朝鮮半島の音楽(高麗楽・林邑楽)に起源を持つ。特に鞨鼓は中央アジア系の騎馬民族文化に由来する楽器とされ、シルクロードを通じて中国へ伝わり、さらに日本へと伝来した。

『日本書紀』や『続日本紀』には、7世紀後半から8世紀にかけて雅楽寮が整備され、楽器や楽人が国家によって管理されていたことが記されている。この時代に鼓類も制度的に導入され、宮廷儀礼や宴、外国使節の接待などで演奏されるようになった。

歴史的変遷と日本化

平安時代に入ると、雅楽は次第に日本独自の様式美を獲得していく。演奏速度は緩やかになり、音の間(ま)を重視する美意識が形成された。鼓の役割も単なる拍子取りから、舞や旋律を導く象徴的な存在へと変化していった。

鎌倉・室町時代には武家社会の台頭により雅楽の衰退が危惧されたが、宮廷や寺社において細々と伝承が続けられた。特に伊勢神宮、春日大社、石清水八幡宮などでは神事と結びついた雅楽が保存され、鼓もまた神聖な楽器として扱われた。

江戸時代には徳川幕府の保護のもとで雅楽は再編され、楽器製作や演奏法が体系化される。この時期、鼓の形状や材質も一定の規範に基づいて整えられ、現在に伝わる様式がほぼ確立した。

使用される場と役割

雅楽における鼓は、主に以下の場で使用される。

  • 宮中儀礼(即位礼、大嘗祭など)

  • 神社での祭祀(新嘗祭、例祭)

  • 舞楽の伴奏

  • 国賓接待や公式行事

鞨鼓は演奏の開始を告げ、全体を統率する役割を持つため、「指揮者的楽器」とも称される。奏者は楽曲全体の構造を把握し、他の楽器との呼吸を合わせながら演奏する高度な技能を要求される。

鼓の作者と製作技術

雅楽用の鼓は、一般的な量産品ではなく、専門の楽器製作者による手工芸品である。特に太鼓類は、木材の選定、胴の刳り抜き、革の張り、彩色・装飾に至るまで高度な技術を要する。

歴史上、個々の作者名が明確に残る例は多くないが、宮廷御用を務めた楽器師の家系や、奈良・京都を中心とする伝統工房が知られている。近代以降では、宮内庁式部職楽部に関わる楽器製作者が事実上の正統を担っており、現代においてもその技術は厳格に継承されている。

美術的価値と装飾

雅楽の鼓は単なる音具ではなく、視覚的にも極めて高い美術性を有する工芸品である。胴には漆が施され、朱漆や黒漆を基調とし、金箔や蒔絵によって雲文、唐草文、鳳凰、龍などの文様が描かれることも多い。

正倉院宝物の中には、奈良時代の太鼓や鼓が現存しており、これらは当時の国際的美意識と高度な工芸技術を今に伝える貴重な文化財である。これらの楽器は、演奏されることを前提としながらも、同時に権威・神聖性・美の象徴としての役割を担っていた。

 

 

参考サイト

彦根城博物館(滋賀県 彦根市)

浜松市楽器博物館(静岡県 浜松市)

彦根・春日大社国宝殿(奈良県 奈良市)

■その他の買取品目

 

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