中国台湾の名工「孫超」作品買取りました/骨董品の買取は福岡玄燈舎
中国台湾の名工「孫超」作品買取りました
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福岡市南区で台湾の名工孫超の作品を買取りました!

春というものは、どうにも気が短い。こちらがやっと冬のコートを手放して、少しばかり浮かれた気分で空を見上げた頃には、もう次の季節の背中しか見せてくれない。福岡の桜もまさにその典型で、つい先週までは「満開、満開」と騒ぎ立てていたくせに、今日はもう葉桜である。花見客の残したブルーシートのほうが、よほど長くその場に居座っているのではないかと思うほどだ。

人の営みも似たようなもので、特に我々のような骨董屋などは、季節感よりもさらに節操がない。西で何か出ると聞けば西へ、東で片付けがあると聞けば東へと、まるで風に吹かれる紙切れのようにふわりふわりと移動する。もっとも「軽やかなフットワーク」などと格好よく言えば聞こえはいいが、要するに腰が据わっていないだけの話である。

さて本日は、福岡市南区の昭和の香りを色濃く残した一軒家に呼ばれてやってきた。聞けば引っ越し前の片付けとのこと。骨董品が好きで集めていたわけでもないが、「何かしらあるかもしれない」という淡い期待だけは、いつの時代も骨董屋を呼び寄せる便利な餌である。

玄関をくぐった瞬間に、私はほぼ勝敗を悟った。家というのは不思議なもので、物がある家は空気が重く、物がない家はやけに軽い。ここは後者で、しかもかなり徹底的に軽い。つまり、ほとんどもぬけの殻である。生活の痕跡というものが、見事に掃き清められている。

「これは今日は商売にならないな」

心の中でそうつぶやきながらも、職業柄、目だけは勝手に動く。床の間に掛けられた掛軸を一瞥する。よくある量産の山水。墨も紙も、歴史より先に飽きが来ている類のものだ。リビングの棚に置かれた置物にも視線をやるが、これまたどこかの土産物屋が大量生産したであろう無難な顔立ち。悪くはないが、良くもない。つまり値がつかない。

家主は申し訳なさそうに「たいしたものはないんですが」と言う。その言葉には、期待と諦めがちょうど半分ずつ混ざっている。こちらとしても、「そうですね」と即答してしまえば仕事が終わるが、それではあまりにも芸がない。骨董屋というのは、物だけでなく“間”も扱う商売である。

一通り見て回り、やはり目ぼしいものはないと判断しかけた頃、「押し入れも一応見ますか」と言われた。こういう“ついで”の一言が、時に商売の明暗を分ける。もっとも九割九分は何も出てこないのだが、その一分にすがって我々は今日も靴を脱ぐ。

押し入れの襖を開けると、そこには段ボールがいくつか。いかにも「最後まで残ったものたち」という風情で、整頓というよりは猶予の象徴である。ひとつずつ中を確かめていく。古い雑誌、使いかけの食器、どこかの景品らしきタオル。どれもこれも、役目を終えたというよりは、役目を与えられなかったまま時間だけを消費したような顔をしている。

「やっぱり何もないですねえ」

そう言いかけたその時、箱の奥からひとつの包みが出てきた。新聞紙にくるまれ、妙に丁寧に仕舞われている。こういうものは、大抵どちらかだ。やけに大事にされた無価値か、本当に価値があるか。

新聞紙をそっと剥がすと、中から現れたのは一つの花瓶だった。光の当たり具合で微妙に色を変える釉薬、どこか東洋的でありながら、どこか現代的でもあるフォルム。手に取ると、軽すぎず重すぎず、妙にしっくりくる。

「これは……」

思わず声が漏れる。台湾の作家物である。詳しい来歴まではその場では断定できないが、少なくとも量産品ではない。何より、作り手の意図がちゃんと残っている。こういうものは、たとえ無名でも値がつく。

家主も少し驚いたようで、「そんなものがあったんですね」と言う。おそらく、誰かからの贈り物か、あるいは旅先での気まぐれな購入か。いずれにせよ、この家の中で唯一、「捨てられなかった理由」を持っていた物なのだろう。

先ほどまでの空気が少し変わる。何もなかった家に、一点だけ重みが生まれる。骨董屋にとっては、この一瞬がすべてだ。百の空振りより、一の当たり。

査定を行い、金額を提示する。高すぎてもいけないし、低すぎれば失礼になる。この微妙な駆け引きは、長年やっていても慣れることはない。むしろ、慣れたふりをするのが上手くなるだけだ。

家主は少し考えてから、「それでお願いします」と言った。商談成立である。拍子抜けするほどあっさりしているが、こういう取引ほど後味がいい。双方がどこか納得している証拠だ。

結局、今日の買取はその花瓶一つだけ。しかし、不思議と「無駄足だった」という気はしない。むしろ、何もないと思っていた場所から一つだけ見つかるというのは、妙に象徴的である。人の暮らしも同じで、大半は取るに足らないものの積み重ねだが、たまにこうして光るものが紛れている。

外に出ると、風が少し強くなっていた。桜の残りがひらひらと舞い、アスファルトに貼り付いている。その上を車が通り、花びらは形を失う。美しいものほど、こうして雑に扱われる運命にあるらしい。

我々骨董屋もまた、その残骸の中から「まだ形を保っているもの」を拾い上げているに過ぎない。価値があるから残るのか、残ったから価値があるのか。その順序は、時々入れ替わる。

さて、次はどこへ風に吹かれるやら。西か東か、それとも思いもよらぬ押し入れの奥か。いずれにせよ、またふわりと現れて、誰かの「もういらない」を「お宝」に変えるだけである。

ではまた。

この花瓶については下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。

買取品の詳細

◇この「花瓶」は台湾の作家で結晶釉で著名な「孫超」の作品でした。ブルーと白のコントラストも淡く明るいものでした。略歴の栞屋共箱もある上質の物でした。ありがとうございました。

買取査定額

結晶釉薬がとても美しい花瓶です/骨董の買取は福岡玄燈舎
結晶釉薬がとても美しい花瓶です

◇孫超の買取査定額もしくは評価額ですが人気の作品で色合いやフォルム、そして大きさや、共箱などあればより高価買取&できます。ご自宅に中国の花瓶や陶磁器が御座いましたら一度拝見させてください。もちろん状態や時代、作者、作品でもお値段は変わりますのでご了承ください。

 

■過去の作品買取例

孫超 結晶釉薬花瓶約44cm 100,000円
彩墨結晶釉 高台鉢盃 30,000円
彩墨結晶釉 孫超作 花瓶 20,000円
他多数

孫超とは?

孫超の刻印があります/中国美術の買取は福岡玄燈舎
孫超の刻印があります

1929年、江蘇省徐州で生まれた孫超は、8歳で戦乱により家族と離れ離れになり、15歳のとき、子どもの頃の記憶を頼りに実家を探し出しました。しかし、家は跡形もなくなっていたため、青年軍の募集を見つけて従軍。各地に移動する軍に伴って20歳のときに台湾に渡ります。その後、33歳のときに除隊し、勉強する機会がなかったことを残念に思っていた孫超は学問を志します。36歳という年齢で、当時の国立台湾芸術専科学校美術科に入学し、彫刻を学びます。学科主任の李梅樹先生と彫刻を教えた丘雲先生は、孫超が今でも感謝している恩師です。卒業から1年、孫超は国立故宮博物院の科技室に就職します。

故宮で見た結晶釉に魅了された孫超は、科学的な方法で、中国歴代の釉薬を実際に焼成して研究することを決意し、独学と度重なる実験により、窯焼きにおけるあらゆる種類の釉薬の配合を分析しました。

結晶釉とは、焼成後に釉薬の表面にできる金属酸化物の結晶体です。高温過程で結合、分解した釉薬の構造物が、冷却過程で核を生成して成長し、結晶が形成されます。また、結晶体の分子は不安定なため、温度や温度の持続時間がわずかでも変化したり、原料に少しでも不純物が混入したり、気候が急に変わったりすることで、結晶が変化したり、出現しないこともあります。このため、いかにして美しい結晶を生み出すかということは、一般的な釉式よりも非常に難しいとされています。

「陶芸は火の芸術だ」。孫超は施釉陶器で最も大事なことは火加減にあると体得。窯のそばから離れず、中の状態を観察し、炎の色が、鮮やかな赤紫から緋色、深紅、そして、高温での白になるまでを見つめ、まさに、「芸術の最高水準」という意味の中国語「炉火純青」にまで磨き上げました。

孫超は1987年、中華民国国家文芸奨(賞)美術類奨を受賞し、台湾陶芸界では初の、そして唯一のこの賞を受賞した陶芸家となりました。1988年、作品「桂林山水大罐」「春塘大盤」が英国のビクトリア&アルバート博物館に所蔵されました。1989年にフランスのGalerie Jacques Barrere, Parisに、1990年には同じくフランスのMaison des Arts et Loisirs de Sochauxに招かれて個展を開催し、海外の専門家から絶賛されました。

1990年代以降の孫超は、フランス在住の画家である朱徳群やチェコ生まれでフランス在住だった画家フランティセック・クプカ(1871-1957)の抽象絵画の画風に触発され、大胆な創作を開始。まずは、大型の陶板画の制作に挑戦し、結晶釉とそれ以外の釉式を融合させ、さらに、撒く、散らす、塗る、描く、噴きつける、そして、釉薬を多層に重ねるといった技巧を加え、陶器の多様で豊かな質感と色彩を用いて、東洋文人の自然への思いを表現し、高温釉の絵画性と芸術的価値を確立しました。

1993年、ドイツのブレーメン、カッセル、マクデブルクの博物館に招かれて出展したほか、多くの作品が、ドイツのフリデリチアヌム美術館や米国のエバーソン美術館、英国の大英博物館に所蔵され、内外から称賛されました。

2009年、孫超は、台湾の新北市立鶯歌陶磁博物館による「第6回台北陶芸奨」成就奨を受賞。さらなる称賛と評価を得ます。2018年には、文化部(文化省)から「国家工芸成就奨(国家工芸功績賞)」受賞という栄誉も受けました。

 

参考サイト


新北市立鶯歌陶瓷博物館
国立台湾工芸研究発展中心
国立台湾美術館

■その他の買取品目

 

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