福岡市西区で稲葉七宝の皆具を買取りました

七宝皆具

とても豪華な七宝皆具です

 

 

縁には純銀が施されています

買取品の詳細

今回は福岡市西区の閑静な住宅地に出張査定にお伺い致しました。買取品は人間国宝の陶磁器や掛軸やお茶道具や中国家具などありました。いろいろな骨董品がありましたが今回紹介するものは「稲葉七宝の皆具」です。皆具とは、装束・武具・馬具などの具一式が揃っている状態を指します。また、茶道での皆具といえば、「水指」「杓立」「建水」「蓋置」の4点が揃ったもので、台子や長板に飾る為に用いられます。
皆具は宋から伝えられました。今回の皆具は状態は汚れも少なく状態良い茶道具でした。この茶道具の特徴はまず全体に施された堅牢な七宝です。摘みなどの細かな部分も蛸唐草のような文様もある上等な皆具でした。極めつけは箱には「淡々斎好」の識書きもあります。そのほか古い茶道具、仏像や掛軸もたくさん買取させていただきました。本当にありがとうございました。

 

七宝焼摘み

摘みには細やかな文様があります

なめらかな七宝焼きです

 

 

買取査定額

稲葉七宝の皆具の買取相場ですが大きさ、文様、細工、材質、箱書きなどでかなり差があります。稲葉七宝は、創業明治22年の京七宝の老舗です。明治33年には、パリの万国博覧会にて出展作品が銀盃を受賞、翌年にはベルギー皇室御用達に任命されるなど、海外には早くから高い評価を受け、愛好家の間で「稲葉クロワゾネ(Cloisonne=七宝)」として親しまれました。そんな高名な工房ですが当店での平均買取価格は茶碗で2万円、花瓶で5万円~15万円となっています。ご自宅にこ七宝の作品や茶道具が御座いましたら一度拝見させてください。もちろん状態や時代、作者でもお値段は変わりますのでご了承ください。

 

純銀製

すべての縁には銀が施されています

けして派手さはありませんがしっかりとした絵付け七宝ですね

 

ちなみに下記は代表的な七宝作品です。

七宝鍔
■七宝香炉
■龍鳳凰文水注
■七宝鉢
■七宝と広葉樹の根付
■七宝、陶器、貝殻の象嵌蒔絵
■鶏形香炉
などなど…

 

純銀製の刻印あり

 

■過去の稲葉七宝作品買取例
波千鳥文 純銀火屋香爐150,000円
茶金石装飾窓絵紋六角面取花瓶120,000円
窓絵文様尽し 全面輪花鉢80,000円
七宝平水指 55,000円
有線七宝古代紋 銚子 50,000円 他

京七宝とは?

 

 

淡淡斎箱書きあり

箱書きがあります

京七宝の稲葉七宝は明治22年に錦雲軒を創業し並河と並んで京都を代表する七宝会社となりました。代表作品には蝶図七宝花瓶があり無銘ではありますが錦雲軒製だと思われている四季花鳥図七宝三脚香炉もあります。
京の七宝は、室町から江戸前期にかけて一世を風靡した琳派の時代を背景に、金工や京焼きの技術と呼応しあって開花しました。そして聚楽第の飾金具等日本で作られた七宝が見られるようになりました。この時代は日本でも指折りの文化が栄えた時代ですね。ここで京都を中心とした七宝の、第一隆盛期を迎えます。京七宝は京都の金工師であった嘉長や平田道仁に代表される京の金工職人達が大陸からその技術を学び始まったと考えられます。
桂離宮、曼殊院の襖の引手や釘隠し金具等、また本願寺黒書院やその他京都の寺には、あちこちに七宝の引手等が今も残っています。とても贅を尽くした建築様式や文化財などもこの時に生まれたようです。そして桃山時代から江戸期にかけて金工職人達の手により、そうした技術がめんめんと伝えられて来たことが推定されます。次の明治時代には京都三条に工房を開いた不出世の七宝家、並河靖之(なみかわやすゆき)名人により確立され、京七宝の名が世界へと広りました。モダニズムとの融合です。金属の上にガラス質の釉薬をのせ約750度の温度で焼き付ける技術です。主な技法である有線七宝は、リボン状の銀線で模様を描き、釉薬を焼き付け制作します。七宝の歴史は中国から入り日本の安土桃山時代に宮殿の釘隠し、引き手、文具等様々な物が七宝で作られ、明治時代には更なる改良がなされ、技術の高さは世界で評価されました。

明治期の作家としては、濤川惣助と並川靖之が上げられます。濤川惣助(1847~1910)は明治20年(1887)に実用化に成功した無線七宝の技法は金属線なしで図柄を表す画期的なものであり、日本画の図様を七宝に活かせた第一人者であります。明治14年に開かれた第二回勧業博覧会に作品を出品し、見事、名誉金牌を受けたのです。その作品は、従来の技術を上回る無線七宝と、さらに濃淡の発色を可能にした美しい焼物であったそうです。ガラスと陶磁器との最初のコラボレーションであったと思われます。惣助はその2年後、アムステルダムで開かれた万国博覧会、さらに明治18年のロンドン万国博覧会に出品してそれぞれ金牌を受けました。そして同22年のパリ万国博覧会では名誉大賞を受賞することになり、濤川惣助の名声は世界中に広まることになったのです。日本国内においても翌23年の第三回勧業博で遂に名誉褒賞を手にした惣助は、明治28年に緑綬褒章を受け、翌29年には七宝焼を通し国の内外に日本工芸品の優秀性を示したとして帝室技芸員に任命されます。明治43年2月9日、濤川惣助は64歳で没しましたが、生涯の仕事の集大成として迎賓館に多くの作品を残しました。それらの作品は、大食堂に30面、小食堂に2面、計32面の七宝壁飾額が飾られていますが、それらの評価は「有無線七宝焼の技術が、遺憾なく発揮されている」といわれています。私自身も迎賓館の七宝作品を拝見しましたがため息が出るほどの豪華絢爛さでした。
また、並川靖之(1845~1927)は名古屋の塚本貝助の弟子、桃井英介によって伝えられた七宝技法を習得し、細密な有線七宝技法による華やかな図柄を得意とし、黒地釉薬に写実的に花・草木・小鳥の姿を鮮やかに浮かび上がらせる効果を得意としていました。この方も万国博覧会などで数々の賞を受賞し、明治29年にはこれらの功績により帝室技術員に任ぜられました。ありがとうございました。

 

◎関連、参考サイト■京都国立博物館 コチラです。

京七宝共同組合  コチラです

          

■その他の買取品目

 

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