楽家九代了入作品買取りました!
こんにちは!骨董品買取の福岡玄燈舎がお届けする本日の買取品は、楽家九代了入の作である亀香合です。とても古いので箱書きには解読できない部分もありますが、辛亥元年(1831年)の作であることが判明しています。
★九代了入とは
九代了入(きゅうだい りょうにゅう、1756年~1834年)は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した陶芸家であり、楽家歴代の中でも中興の祖と称される人物です。父は八代長入、兄は七代得入で、14歳という若さで家督を継ぎました。楽家は、尾形光琳によって始められた茶陶の名門であり、その伝統を守りながらも独自の作風を追求した陶芸家が多く輩出されました。了入もその一員であり、彼の作品は独創性と技巧に富んでいます。
略歴としては、了入は生没年や生涯についての詳細が不明な部分もありますが、楽家九代に位置する陶芸家として活動しました。彼の作風は、伝統的な楽家の技法と、独自のアプローチが融合されたもので、その個性的な作品は多くの茶道愛好者に愛されています。
了入の代表作の一つが、この亀香合であります。亀の形状や釉薬のかかり、そして甲羅にかかるグラデーションが、了入の特徴的な作風を示しています。彼は緻密な技術と独自のデザインで、茶道具に新たな魅力を与えました。
★自由奔放な作風の了入…
了入は、型にとらわれない自由な作風で知られています。特に、赤楽や黒楽を得意とし、大胆な造形や斬新な釉薬使いで、従来の楽焼とは一線を画す作品を生み出しました。その独創的な作風は、当時の人々を魅了し、楽焼を新たな境地に導いたのです。
★代表作
了入の代表作としては、以下のようなものがあります。
①赤楽茶碗「見渡山」
②黒楽茶碗「常滑」
③赤絵茶碗「金魚」
④銹絵茶碗「雪村」
これらの作品は、いずれも自由な発想と優れた技術によって生み出された、楽焼の最高傑作として評価されています。
★亀香合の魅力
今回ご紹介する亀香合は、赤楽茶碗によく似た肌合いを持ち、釉薬のかかり具合も古色蒼然とした趣を感じさせます。手のひらに収まる愛らしいサイズ感と、亀の甲羅にうっすらと浮かぶ黒と赤のグラデーションは、見る者を魅了する美しさです。
★価値と相場
了入の作品は、その希少性と芸術性の高さから、非常に高い価値を持っています。特に、状態の良い作品は、超高額で取引されることもあります。
今回の亀香合は、甲羅部分にひびがあるため、完璧な状態とは言えません。香合にある傷やひびは作品の価値に影響を与える要素となります。一般的に、美術品や骨董品の価値は保存状態や歴史的な背景によって左右されます。この亀香合の場合、了入の作品としての評価に加えて、傷の有無や修復状況も価値の一環となります。
現在の相場については、了入の作品はコレクターの間で高い評価を受けており、特に良好な状態の作品は高額で取引されています。ただし、傷がある場合はその分評価が下がることが一般的です。修復されていないオリジナルの状態が好まれ、美術市場での需要が高まることがあります。
福岡玄燈舎では、今回のような状態に難のある作品でも、真贋を見極め、適切な査定額を提示いたします。骨董品の売却をお考えの方は、ぜひ玄燈舎にご相談ください。
今回のまとめとして…
九代了入は、楽家歴代の中でも中興の祖と称される、自由奔放な作風で知られる陶芸家です。今回ご紹介する亀香合は、その独創的な作風を体現する作品であり、時代を経た味わい深さを感じさせる貴重な逸品です。最終的な評価や相場については、そのお品の状態や時代も踏まえて専門の骨董品鑑定士や美術評論家による詳細な調査が必要です。骨董品市場は変動が激しく、専門家の意見を仰ぎながら、現地の市場動向も考慮に入れることが重要です。
★「赤楽茶碗」とは…
■参考文献
①楽焼美術館「樂歴代紹介」
②東京国立博物館「茶道具辞典」
③三井記念美術館「楽家展」
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