福岡市中央区で初期バービー人形を買取りました!
福岡市内の高層マンション、その扉を開けると、かすかな香りが漂う。あの、どこか懐かしいような、けれども決して戻ることのできない時代の気配だ。70代を迎えたというご姉妹が暮らすその部屋、今回の目的は彼女たちのお父様が大切にしていた品々の査定です。
段ボールが5箱。ぎっしりと詰まっているのは、壷や掛軸、そして中国から持ち帰ったという書画や端渓硯。ひと目で感じる、その重み。歴史がそこにあるのだ。戦前のものが多いと聞いていたが、やはりその通り、時代の波をくぐり抜けてきた品々が顔を見せる。
箱をひとつ開けるごとに、まるで時間のトンネルをくぐっているかのような気持ちになる。包みを丁寧に開く。手触り、匂い、光沢。すべてがそのものの過ぎ去った時間を物語っている。私もまた、つい夢中になってしまい、1つ1つの細部を丹念に眺める。
時間をかけた分、見積もりも慎重になる。しかし、その甲斐あって、ご姉妹にも納得していただけるお見積もりを出すことができた。彼女たちの表情がほころぶ。時を超えて大切にされてきたものが、また新しい時を刻む瞬間だ。私は買取伝票を書き、品々を受け取る準備を進めました。
さて、骨董品をすべて梱包し、運び出す段取りをしているときだった。ふと目に留まったのは、押し入れの隅に控える何やら風格ある人形の束。「これは……?」。近づいてみると、それは思いもよらぬ出会いであった。なんと、1960年代初期のバービー人形が家族そろって鎮座していたのだ。ちょっと驚いて手に取ってみると…
状態は、まあ、経年のために少しくたびれてはいたが、間違いなくヴィンテージもの。初期のバービーといえば、これはもうお宝以外の何物でもない。表面のくすみや衣装の劣化はあれど、存在感はしっかりとそこにある。ビンテージ好きの目が一瞬にしてその価値をはじき出す。「これは高額査定間違いなし」。そう、バービーは骨董の領域に片足を突っ込んだ存在だ。ましてやこの初期モデル、しかもファミリー揃いでの発見ともなれば、それはまさに宝の山。ご姉妹にそのことを伝えると、驚きと同時に微笑が浮かぶ。「こんなものがまだあったなんて」。そう、お父様のコレクションの影に隠れて、彼女たちの当時の遊び道具が知らぬ間に押し入れの奥深くに眠っていたのだ。
結局、バービー人形も一緒に、無事わが店へとお嫁にやっていただくこととなった。なんとも貴重な収穫だ。壷や書画といった時代物と並んで、1960年代のバービーがそこに加わる。そのギャップが面白い。そして、そんな珍しい品々に囲まれて仕事をしていると、ついこの仕事の醍醐味を思い出す。
世の中にはまだまだ埋もれている宝がある。それは古びた段ボールの中、忘れ去られた押し入れの隅にひっそりと存在しているかもしれない。日々の中に眠る価値ある品々を発掘し、次の時代へと引き継いでいく。それは、まるで時の旅人となったかのような感覚だ。
今回もまた、素晴らしい一日を送らせていただいた。この貴重な品々に出会わせてくれたご姉妹に、そしてその品々を長年大切に守り続けたお父様に、心から感謝したい。買取が終わった後、私は静かに部屋を後にした。そして一度、頭を冷やしてまた次の出会いが待つことになる。どんな宝が私を待っているのか、それはわからないが、そのワクワク感が私を次の場所へと駆り立てるのだ。ありがとうございました。
このバービーファミリーについては下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。
買取品の詳細
◆今回のバービーはバービー本人とその妹のスキッパーと友人のフランシー、そしてスクーター、最後に恋人のケンでした。状態はまずまずですが若干のソフビ独特のべたつきがあります。洋服にも汚れがありましたが全体には時代相応ということで高価買取させて頂きました。元箱があればかなり良いお値段になると思われます。ありがとうございました。
買取査定額
◆1960年代の初代バービー人形は状態にもよりますが現在は一体、5000~15000円、ケンは3000~5000円。妹やお友達は3000~5000円になります。はもちろん付属品や洋服、小物、共箱があり状態も宜しければプラスになります。
◆バービー人形の買取査定額もしくは評価額ですがまず第一に製作年代、次に状態、付属品の有無などでより高価買取&できます。なお、今回買取しましたバービーは初期物でもちろん「マテル」製、しかも洋服もあるということで高価買取させていただきました。ありがとうございました。尚、ご自宅や倉庫にバービー人形やリカちゃんがありましたら是非、骨董品買取の福岡玄燈舎にお声掛け下さい。宜しくお願い致します。
■過去の作品買取例
1960年代バービー人形 マテル 70,000円
バービー人形当時物の洋服 50,000円
他多数
バービー人形とは?
◆1. バービー人形の歴史
バービー人形は、1959年3月9日にアメリカで発売されました。この日はバービーの「誕生日」とされています。バービーは、リアルな大人の女性の姿をしたファッションドールとして登場し、それまでの主流だった赤ちゃんや幼児の人形とは一線を画していました。バービーのアイデアは、ルース・ハンドラー(Ruth Handler)がドイツのリリ人形(Bild Lilli)にインスパイアされたものです。彼女は、娘が大人の女性を真似て遊んでいるのを見て、大人のファッションドールを作るべきだと考えました。
2. メーカー:マテル社(Mattel, Inc.)
バービーを製造・販売しているメーカーは、アメリカの玩具会社マテル(Mattel, Inc.)です。マテルは1945年にルース・ハンドラーと彼女の夫エリオット・ハンドラー、そして彼らの友人であるハロルド・マットソンによって設立されました。
マテルは当初、額縁や家具の製造を行っていましたが、やがて玩具産業に進出し、1959年にバービーを世に送り出しました。バービーの成功により、マテルは世界で最も大きな玩具メーカーの一つとなり、バービーは同社の象徴的な商品となりました。今回、仕入しましたバービーも1963年製造のマテル社製でした。
3. バービーのデザイナー
初代バービー人形のデザインは、ジャック・ライアン(Jack Ryan)とシャルロット・ジョンソン(Charlotte Johnson)という二人が携わっています。
- ジャック・ライアン: 元はエンジニアで、彼はバービーのボディの構造や可動性を担当しました。バービーの関節の動きを可能にする仕組みなど、技術的な部分に貢献しました。
- シャルロット・ジョンソン: ファッションデザイナーであり、バービーの初期の衣装やファッションスタイルを担当しました。彼女は、当時の最新トレンドを取り入れたファッションをバービーに反映させ、バービーが「ファッションアイコン」としての地位を築くことに貢献しました。
4. バービーの進化と多様性
バービーは発売以来、時代に合わせて多様な姿に進化してきました。1960年代には職業を持つバービーが登場し、医師、パイロット、宇宙飛行士などの役割を担うことで、女の子たちに夢と希望を与えてきました。近年では、体型、肌の色、髪型、障害を持つバービーなど、より多様性を反映したラインナップが追加され、あらゆる子供たちが自己を投影できるようになっています。
★バービーファミリーについて…
バービーには、複数の妹や兄弟が設定されており、長年にわたって少しずつ拡張されてきました。以下に、代表的な家族メンバーを紹介します。
バービー(Barbie)
- 本名: バーバラ・ミリセント・ロバーツ(Barbara Millicent Roberts)
- 誕生日: 1959年3月9日
- 出身地: ウィスコンシン州ウィロウズ
- 職業・活動: バービーは60年以上にわたり、ファッションモデル、医師、宇宙飛行士、パイロット、スポーツ選手など様々な職業を経験しています。
スキッパー(Skipper Roberts)
- 登場年: 1964年
- バービーの妹です。スキッパーは、バービーよりも若いティーンエイジャーとしてデザインされており、彼女は時代と共にその外見や性格が進化しています。バービーの妹として、より若者らしいファッションやライフスタイルを持っています。
ステイシー(Stacie Roberts)
- 登場年: 1992年
- バービーの妹で、スキッパーよりも少し年下です。ステイシーはスポーティで活発なキャラクターとして描かれ、スポーツやアウトドアアクティビティが好きな設定です。今回の買取品のひとりです。
チェルシー(Chelsea Roberts)
- 登場年: 2011年
- バービーの妹で、ステイシーよりもさらに年下のキャラクターです。かつては「ケリー(Kelly)」という名前で呼ばれていましたが、2011年に「チェルシー」という新しい名前で再登場しました。彼女は幼い子供として、かわいらしい外見と愛嬌が特徴です。
トッド(Todd Roberts)
- 登場年: 1965年
- バービーの弟です。トッドはチェルシーと同様に若いキャラクターとして登場し、彼の双子の妹として「トゥッティ(Tutti)」というキャラクターもいましたが、現在はあまり見かけなくなっています。
2. ケン(Ken Carson)
- 登場年: 1961年
- バービーのボーイフレンドとして有名なケン・カーソン(Ken Carson)も、バービーのファミリーに近い存在です。ケンはバービーの恋人として、ファッションやライフスタイルのパートナーとして登場しています。彼もまた、様々な職業を経験し、バービーと一緒に多くの冒険をしてきました。今回の買取品の中にも初代のケンがいました。
3. 友人たち
バービーには家族以外にも多くの友人が登場しますが、いくつか代表的なキャラクターを紹介します。
- ミッジ(Midge Hadley): バービーの親友で、1963年に初登場。1990年代には結婚し、家族を持つ設定になっています。
- クリスティ(Christie): 1968年に登場したバービーのアフリカ系アメリカ人の友人。長年にわたりバービーと一緒に登場しています。
- テレサ(Teresa): 1988年に登場したバービーの親友。スペイン系アメリカ人のキャラクターとして知られています。
- フランシー…こちらも今回の買取品の一つでした。
◆「マテル社」とは…
少し重複いたしますが…
1. マテル社の歴史
- 設立年: 1945年
- 創業者: ルース・ハンドラー(Ruth Handler)、エリオット・ハンドラー(Elliot Handler)、ハロルド・マットソン(Harold “Matt” Matson)
マテル社は1945年に、ルース・ハンドラーと彼女の夫エリオット・ハンドラー、そしてハロルド・マットソンによって設立されました。創業当初は額縁や家具を製造していましたが、後に玩具業界に進出し、急速に成功を収めることになります。
2. 成長の軌跡
マテル社は1947年に最初の大ヒット商品「ウクレレのおもちゃ」を発売し、次に1955年、テレビ番組「ミッキーマウス・クラブ」への広告投資によって全国的な知名度を得ます。しかし、マテル社の運命を決定づけたのは、1959年に発売されたバービー人形の成功です。
バービーは瞬く間に大人気商品となり、マテルを世界的な玩具メーカーに押し上げました。その後も次々にヒット商品を生み出し、マテルは拡大を続けました。
3. 代表的な商品
マテルは長年にわたり、数多くの人気商品を開発・販売してきました。ここでは、特に有名な商品をいくつか紹介します。
1. バービー(Barbie)
- 発売年: 1959年
- バービーはマテルの最も象徴的な商品であり、ファッションドールとして登場しました。リアルな女性の体型を持ち、多彩な職業や役割を通じて、子供たちに無限の想像力を提供してきました。発売以来、バービーは世界中で約10億体以上が販売されており、バービー自体が社会現象を引き起こすほどの影響力を持っています。
2. ホットウィール(Hot Wheels)
- 発売年: 1968年
- ホットウィールは、ミニカーのシリーズで、スピード感とスタイリッシュなデザインが特徴です。1968年に最初のシリーズが発売され、その後も改良を重ねて子供たちやコレクターの間で根強い人気を誇っています。ホットウィールの車は、リアルな車種のミニチュアモデルや、オリジナルのデザインを基にしたファンタジー要素の強いモデルが含まれます。
3. フィッシャープライス(Fisher-Price)
- 買収年: 1993年
- フィッシャープライスは、乳幼児向けの教育玩具ブランドとして有名です。1930年に設立され、知育玩具やベビー向けの製品を多数展開しています。マテルは1993年にフィッシャープライスを買収し、同ブランドを傘下に収めました。これにより、マテルは乳幼児向け玩具市場でも大きなプレゼンスを確立しました。
4. マスターズ・オブ・ユニバース(Masters of the Universe)
- 発売年: 1982年
- 1980年代に大ヒットしたアクションフィギュアシリーズで、主人公「ヒーマン(He-Man)」を中心とする世界観が展開されました。アニメやコミックとの連動により、強い人気を博しました。
5. UNO(ウノ)
- 買収年: 1992年
- UNOは世界的に人気のカードゲームで、2~10人で楽しめるシンプルなルールが魅力です。マテルは1992年にUNOを開発した企業を買収し、現在もUNOは同社の主要商品として広く親しまれています。
6. トーマスと仲間たち(Thomas & Friends)
- 買収年: 2011年
- 英国の人気テレビシリーズ「きかんしゃトーマス」を基にした玩具ライン。トーマスとその仲間たちのキャラクターを使った鉄道模型や玩具は、世界中の子供たちに愛されています。
◎関連、参考サイト
- Toreru Media
- グッズ・メモランダム
- 昭和view
- マテル公式サイト
■その他の買取品目
★骨董品買取の福岡玄燈舎では古美術品の他、アンティークや掛軸、茶道具、書道具、絵画、仏像、勲章、中国陶磁、甲冑など多彩な骨董品を査定買取しております。お見積りだけでも構いませんのでお気軽にご相談ください。