福岡市中央区で古い煎茶道具を買取りました!

竹泉の煎茶器です・骨董品買取福岡
竹泉の煎茶器です

◇骨董品買取の福岡玄燈舎です。新年の賑わいもひと段落し、成人式を終えた晴れ着姿が街の喧騒から消え、仕事も本格始動といった頃合い。そんな折、福岡市中央区のマンションから一本の電話をいただいた。内容は——ご実家に眠る骨董品とアンティークの数々、約100点の査定依頼。電話口の声の真剣さに押されるように、こちらも意気揚々と現場へ向かうことになった。

到着したマンションの一室には、古い時代の空気を纏った品々がずらりと勢揃い。部屋に足を踏み入れるや否や、まず目に飛び込んできたのは、お茶道具の類。そしてその隣には、中国旅行のお土産とおぼしき掛け軸や、煌びやかな螺鈿細工の家具。さらに、象牙風の置物や銀製品、アンティーク時計がまるで控えめな主張をするかのように並んでいる。

「さあ、今日も宝探しだ。ありがたい」と気合を入れつつ、一品ずつ丁寧に箱から取り出し、時代や状態を確かめながら査定を進める。このあたりは自分でも職人技だと思う。すべての品を確認し終え、査定金額を出し終えたその時——視界の片隅にひっそりと佇む小さな茶箱が目に入った。

「これは…何だろう?」

小ぶりで可愛い茶器です
小ぶりで可愛い茶器です

好奇心が顔を出し、その茶箱を開けてみると…中から現れたのは、古い煎茶器の数々!まるでタイムカプセルのように、湯呑や急須、香炉や香合、茶入れに茶杓までぎっしり詰まっている。その数およそ30点。驚きとともに、一つひとつ手に取ってみると、どれも時代を重ねた重厚感が漂う。聞けば、先々代のご先祖が煎茶の先生をしていたという話。なんとも由緒正しき一族の風格だ。

五客揃い野煎茶器/福岡
五客揃い野煎茶器

さらに査定を進めていく中で、ふと目に留まったのが、三浦竹泉の染付茶器だった。それも、初代の作品だと分かった瞬間は、小さな歓声を上げそうになるのをグッと堪える。なんと貴重な一品だろう。この茶器一つが放つ存在感に、思わず感動すら覚える。

査定結果は…どの品も時代があり、保存状態も申し分ない。これなら良いお値段がつけられると確信し、お客様に査定額を提示したところ、大いに喜んでいただけた。その笑顔に、こちらもほっと胸を撫で下ろす。

仕事を終え、玄関を出る際、依頼主がぽつりと呟いた。「これでようやく、ご先祖様も安心してくれると思います。」その言葉に背中を押されるように、今日はいい仕事ができたなと実感する帰り道。風が少し冷たいけれど、心はなんとも暖かい。こうしてまた一つ、骨董品とその持ち主の物語が幕を閉じた。さて、次はどんな出会いが待っているのか。それを思うと、仕事がますます楽しくなるのだった。

この煎茶器については下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。

買取品の詳細

魚の文様でしょうか?
魚の文様でしょうか?

◎今回の「竹泉」の茶器は図柄も面白いもので多分ですが魚文様だと思われます。そして何より初代の作品で造りもとても薄くライトを当てると透けて見えます。このような繊細な作りは初代ならではかと思われます。

そして付属品としては布は無いですが共箱なので高価買取ができました。ありがとうございました。

買取査定額

◆三浦竹泉の買取査定額もしくは評価額ですがまず第一に人気の柄なのかと製作年代、次に状態、付属品の有無などでより高価買取&できます。尚、ご自宅や倉庫に古い煎茶道具がありましたら是非、骨董品買取の福岡玄燈舎にお声掛け下さい。宜しくお願い致します。

 

状態も良い茶器ですね/骨董品買取・福岡
状態も良い茶器ですね

 

 

■過去の作品買取例

初代 三浦 竹泉 造 青華  泡瓶 300,000円
初代 三浦 竹泉 造 群仙図 煎茶碗 五客 250,000円
初代 三浦 竹泉 造彩磁 山水紋 煎茶碗 十客 150,000円
初代 三浦 竹泉 造  花鳥図 方皿 十客 100,000円 他多数

三浦竹泉とは?

在銘です 福岡 骨董品買取
在銘です

三浦竹泉(みうらちくせん)は、江戸時代後期から続く京焼の名門窯の一つで、茶陶の分野において高い評価を得ています。三浦家は代々「竹泉」の名を襲名し、それぞれの時代において独自の作風と技術を発展させました。以下に三浦竹泉の歴史、代々の作歴、特徴について詳しく解説します。


(生い立ちと歴史)

三浦竹泉窯は、江戸時代後期の文政年間(1818年~1830年)に初代三浦竹泉によって創設されました。京都・五条坂の地で活動を始め、京焼の伝統技術を基盤に、茶道具や日用陶器の製作を手掛けました。初代竹泉は、同時代の茶人や陶芸家たちと交流を深めながら、特に茶道の世界で評価される作品を多く残しました。
本名は『渡邉政吉(駒次郎)』。号は『有声居』後に『篩月庵』とします。
13歳の時に三代目高橋道八(京焼(清水焼)の陶芸作家)に弟子入り致します。

以降、竹泉の名は家業として継承され、2代目、3代目と続きます。代々の竹泉はそれぞれの時代背景や茶道の流行を取り入れつつ、京焼の伝統を守りながらも革新的な作風を追求しました。


(代々の作歴と特徴)

初代 三浦竹泉

初代竹泉は、京焼の基盤を築いた重要な人物です。色絵、染付、金彩などを駆使し、華やかでありながら品のある茶器を多く製作しました。特に、茶碗や水指(みずさし)など、茶道具として使用される器が多く、茶人たちに愛用されました。今回紹介した煎茶器は彩色はありませんが染付で落ち着いた風情の日本人好みの茶器でした。

2代目 三浦竹泉

2代目竹泉は、初代の技術を受け継ぎつつ、さらに洗練された作風を確立しました。江戸から明治への移行期という激動の時代を背景に、西洋の影響を受けたモダンなデザインも取り入れました。これにより、国内外での評価が高まり、京都の伝統と革新を象徴する作陶家として知られるようになりました。

3代目 三浦竹泉

3代目竹泉の時代には、大正から昭和にかけての日本の近代化が進む中で、より芸術性の高い作品が求められるようになりました。この時期、彼は伝統的な茶道具だけでなく、装飾陶器や展示用の作品も手掛けました。特に、釉薬(ゆうやく)の美しさや緻密な絵付け技術が特徴で、コレクターや茶人の間で高い評価を得ています。

現代の三浦竹泉

現在も三浦竹泉窯は続いており、伝統技術を継承しながら現代的なニーズに応える作品を制作しています。特に、現代の茶道文化に合うシンプルで機能的なデザインの茶器が注目されています。


(作品の特徴)

三浦竹泉の作品は、以下のような特徴で知られています。

  1. 華やかさと品格の調和
    京焼特有の色彩豊かな絵付けや装飾が施されつつ、茶道具としての品格を失わないデザインが魅力です。
  2. 卓越した釉薬技術
    透明感のある釉薬や、艶やかな色彩表現は、三浦竹泉窯の大きな特徴です。特に金銀彩や繊細な染付技術が評価されています。
  3. 茶道との結びつき
    茶道具に特化した作品が多く、茶碗、水指、香合、蓋置など、茶室を彩る道具が多数作られています。茶人たちの要望に応えるカスタムメイドの品も少なくありません。
  4. 時代を超えた普遍性
    伝統的な美意識を保ちながらも、時代ごとの趣向を巧みに取り入れるため、その作品は普遍的な魅力を持っています。

三浦竹泉は、京焼の伝統を継承しつつ、新たな時代のニーズに応え続ける名門窯です。その作品は、茶道文化の象徴ともいえる存在であり、多くの茶人や陶芸愛好家に愛されています。伝統と革新の融合を目指した代々の竹泉の努力が、今日の三浦竹泉窯の評価を支えています。

とても薄い造りです
とても薄い造りです

最後に影響を受けた絵師…

三浦竹泉に影響を与えた絵師として、以下のような人物が挙げられます。


尾形光琳(おがた こうりん)

尾形光琳は、江戸時代中期を代表する琳派の絵師であり、その装飾的な意匠や大胆な構図が三浦竹泉に影響を与えました。特に、金銀箔を多用した華やかな意匠や抽象的な表現が、竹泉の金彩や色絵の技法に反映されています。光琳の描いた自然や植物のモチーフは、茶碗や水指の装飾に取り入れられることが多く見られます。

酒井抱一(さかい ほういつ)

琳派の絵師である酒井抱一も竹泉に影響を与えた一人です。抱一は光琳の画風を継承し、さらに繊細で詩的な表現を加えました。彼の作品に見られる四季折々の花鳥風月や、優美で静謐な構図は、竹泉の絵付けの題材として取り入れられました。特に、香合や蓋置などの小品に、抱一風のモチーフが見られます。

円山応挙(まるやま おうきょ)

円山派の創始者である円山応挙も、三浦竹泉にとって重要な影響を与えた絵師です。応挙の写実的な描写や、立体感のある表現技法は、竹泉の染付や色絵の技法に取り入れられました。例えば、動物や人物を描く際の自然なポーズや、陰影の表現が、陶器にリアリティと温かみを加えています。

伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)

奇抜で斬新な構図や色彩感覚を持つ伊藤若冲も竹泉に影響を与えた可能性があります。若冲の作品に見られる動植物のユニークな描写や幾何学的なパターンは、竹泉の陶器装飾においても見られることがあります。特に、豪華な色彩と細部へのこだわりは、竹泉の華やかな作品に共通する特徴です。

 

◎関連、参考サイト

  1. 石川県立美術館(石川県金沢市)
  2. 入間市博物館(埼玉県入間市)
    • 狭山茶の主産地として、煎茶道具を多数所蔵しており、三浦竹泉の作品も含まれています。
    • 展示内容や開催期間については、博物館の公式サイトで最新情報を確認してください。

また、三浦竹泉の作品は、百貨店の美術画廊で個展として展示されることもあります。過去には日本橋三越本店や大阪高島屋での展示実績があります。最新の展示情報については、各百貨店の美術画廊のスケジュールを確認することをおすすめします。

 

■その他の買取品目

 

★骨董品買取の福岡玄燈舎では古美術品の他、アンティークや掛軸、茶道具、書道具、絵画、仏像、勲章、中国陶磁、甲冑など多彩な骨董品を査定買取しております。お見積りだけでも構いませんのでお気軽にご相談ください。

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