戦後間もなくのオールドノリタケ買取りました/骨董品の買取は福岡玄燈舎
戦後間もなくのオールドノリタケ買取りました
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福岡市南区でノリタケのお置物を買取りました!

顔つきも未だ古いタイプの顔つきですね/ノリタケの買取は福岡玄燈舎
顔つきも未だ古いタイプの顔つきですね

十二月の福岡の町中というのは、どうにも落ち着きがない。
天神はイルミネーションで昼間から目が痛いほど明るく、博多駅前ではサンタ帽を被った若者が、なぜか真冬にアイスを食べている。クリスマスという行事は、どうやら年齢も性別も職業も関係なく、人を一時的に浮かれさせる魔法のようなものらしい。

もっとも、我々骨董屋にとっての十二月は、赤や緑の電飾よりも、埃と段ボールと「これ、捨てる前に見てくれん?」という一言のほうが眩しい。年末の大掃除というやつが、各家庭の押入れや納戸、時には床の間の裏側から、思い出と一緒に不要不急の「お宝」を引きずり出すからである。

私ら骨董屋も、この時期ばかりは師走どころか、走っても走っても仕事が追いつかない。
町はクリスマスでお祭り騒ぎ、骨董屋は骨董でお祭り騒ぎ。違うのは、向こうがシャンパンなら、こちらは古い桐箱のカビ臭という点だけだ。

そんな折、一本の電話が鳴った。
今右衛門や柿右衛門が出てきましてね。ブロンズや置物、焼物も色々あるんです。一度、見てもらえませんか」

電話口の声は丁寧だが、こういう時の「色々ある」は信用してはいけない。
色々ある、というのは、大抵の場合「量は多いが、当たりは少ない」という意味である。だが今右衛門と柿右衛門という単語が並ぶと、こちらも完全に無視はできない。骨董屋という生き物は、疑い深いくせに欲深い。

翌日、相方と二人で福岡市南区のお宅へ向かった。
住宅街は静かで、昨日までの街中の喧騒が嘘のようだ。門をくぐり、挨拶を済ませ、案内された部屋に足を踏み入れた瞬間、私は思わず心の中で呟いた。

――ああ、今日も始まったな。

そこは、骨董品のカーニバル会場だった。
箱に入ったまま鎮座する美術品、裸のまま壁に立てかけられた掛軸、なぜか横倒しのまま眠る花瓶。整然とは程遠いが、混沌というにはどこか人間臭い。玉石混淆とは、まさにこのことだろう。いや、石の中にたまに玉が紛れている、というほうが正確かもしれない。

箱の蓋を開けるたびに、時代も価値観も違う「過去」が顔を出す。
先代が集めたというそれらは、趣味というより執念に近い。流行ったもの、褒められたもの、高かったもの。きっと買った瞬間は、どれも未来への投資であり、文化への理解であり、自分へのご褒美だったのだろう。

我々は黙々と手分けして査定を始めた。
掛軸は箱がなく、表装も疲れ切っている。花瓶は口縁に小さな欠け。焼物は時代が中途半端。こういうものは、どれほど由緒を語られても、値段は正直だ。骨董品の世界に情けはあるが、甘さはない。

一方で、柿右衛門や今右衛門はさすがである。
保存状態もよく、図柄も悪くない。きちんとした値段が付くものが何点もあった。名がある、というのはやはり強い。人間も骨董品も、名刺一枚で扱いが変わる。

そして、今回の主役が姿を現した。
オールドノリタケ。
置物や食器類が次々と箱から出てくる。煌びやかな金彩、オリエンタルな意匠、そしてアールデコの香り漂う置物。戦前の輸出工芸品特有の、どこか「外国を意識しすぎた日本」の顔をしている。

全部で三十点ほど。
聞けば、先代が大枚をはたいて集めたものばかりだという。確かに十年ほど前までは、オールドノリタケは骨董市場の花形だった。雑誌に特集が組まれ、オークションでは値が跳ねた。

だが、流行というのは残酷だ。
熱狂が冷めると、残るのは現実的な数字だけ。現在の相場は、当時ほどの輝きはない。それでも価値がゼロになるわけではない。骨董品とは、価値が上下しながら生き延びる、しぶとい存在なのだ。

査定額をお伝えすると、家主様は少し間を置いて、こう言った。
「もう片づけたいんです」

その一言には、価格以上の重みがあった。
思い出も、先代の情熱も、流行の残骸も、全部まとめて整理したい。その気持ちは、十二月の空気によく似ている。終わらせるための忙しさだ。

こうして、無事――と言っていいのか分からないが――買取は成立した。
帰り道、相方と車の中で、誰ともなく苦笑いをした。
骨董品やアンティークというものは、集める時は夢で、手放す時は現実である。

福岡の町は今日もクリスマスで浮かれている。
その裏側で、またどこかの押入れから、次のカーニバルが静かに準備されているのだろう。
我々、骨董屋に休む暇はない。
祭りは、年が明けても終わらないのだから。

今回のノリタケについては下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。

買取品の詳細

 

◇この「オールドノリタケ」は1940年代時代の物だと思われ白磁の色合いも透明感があるものでした。つくりも細やかで上品な彫刻もあり上質の物でした。ありがとうございました。

買取査定額

繊細な彫刻の磁器製の置物です
繊細な彫刻の磁器製の置物です

◇ノリタケの置物の買取査定額もしくは評価額ですがまず第一に意匠や時代、次に状態、ほかには刻印ヤ共箱などあればより高価買取&できます。ご自宅にノリタケや洋食器が御座いましたら一度拝見させてください。もちろん状態や時代、作者、作品でもお値段は変わりますのでご了承ください。

 

■過去の作品買取例

オールドノリタケ デコレディ 花瓶 200,000円
オールドノリタケ ホテルボーイ150,000円
陳盛上菊花図両耳飾大壺 100,000円
貴婦人のドレッサーセット 50,000円 他多数

ノリタケとは?

戦中~戦後まもなくのサインです/アンティークの買取は福岡玄燈舎
戦中~戦後まもなくのサインです

ノリタケ(Noritake Co., Limited) は、愛知県名古屋市を本拠地とする日本の陶磁器・セラミックスの総合メーカーで、特に洋食器ブランドとして世界的に知られています。1904年に「日本陶器合名会社」として創業し、世界基準の白磁洋食器の製造を本格的に開始しました。

ブランド名の「ノリタケ」は、創業当時の工場所在地である 愛知郡鷹場村大字則武(のりたけ) に由来します。以来、1世紀を超えて日本の洋食器産業を牽引し、世界各国の家庭やホテル、レストランで愛用されています。

ノリタケのルーツは19世紀末までさかのぼります。海外への日本製品輸出を目的として活動していた森村市左衛門らが、パリ万博などで見たヨーロッパ陶磁器に感銘を受け、「日本でも同等レベルの洋食器を作りたい」という思いを抱いたことがきっかけです。

1904年の工場建設後、白く美しい磁器の研究と生産が始まり、1914年には 日本初の西洋式ディナーセット「セダン」 の製造に成功・輸出を開始しました。これは日本の洋食器製造にとって象徴的な出来事です。

第一次世界大戦前後を通じ、ノリタケは オールドノリタケ と呼ばれる高級陶磁器を数多く生産し、欧米市場で高い評価を受けました。デザインは最新の美術様式や流行を取り入れ、優れた絵付け技術と相まって、海外からの注文が殺到しました。

この時代の製品には、金彩やラスター彩、エナメル装飾などの繊細な技法が使われ、現在でもコレクターズアイテムとして人気があります。

戦後、経済復興とともにノリタケは業務再開・事業再構築を行い、1950年代以降は洋食器だけでなく多様な分野へ技術応用を広げました。たとえば衛生陶器や工業用材料などの開発でも高い技術力を発揮し、コアのセラミック技術をさまざまな分野に展開しました。

ノリタケの洋食器は、時代ごとに多彩なデザインと技法が生まれました。その中でも、とくに日本国内外で長年にわたって人気を得ているシリーズを以下に紹介します。

1. ヨシノ(Yoshino)

1931年の「シリル」発売以来、世代を超えて受け継がれてきたノリタケの代表シリーズの一つです。桜(吉野=Yoshino)への想いをオリエンタルな唐草文様で表現し、日本らしい美しさを持つ洋食器として広く親しまれています。

2. レースウッドゴールド(Lacewood Gold)

白地に青を基調とし、縁に金彩がほんのりと輝くデザインが特徴。優雅でフェミニンな雰囲気が長年にわたり人気のロングセラーコレクションです。

3. オーチャードガーデン(Orchard Garden)

果実や植物を生き生きと描いたボタニカルアート風のシリーズ。ボーンチャイナ製で透光性の美しさを持ちつつ、電子レンジ対応など現代のライフスタイルにも応える機能性が特徴です。

4. 花更紗(Hanasarasa)

ペルシャ風の花柄が上品で人気のあるデザインシリーズ。幅広い世代に好まれ、ギフトにも選ばれる製品です。

5. ライトステップ(Lite Step)

1974年に登場した子供用食器シリーズ。半世紀以上続く人気アイテムで、耐久性と使いやすさを兼ね備えており、家族での食卓にも最適です。


近年ノリタケは、伝統的な洋食器ブランドから 現代デザインとの融合を図る新たな動き を積極的に打ち出しています。それが 「Noritake Design Collection」 です。

Noritake Design Collection では、世界的に著名なデザイナーやクリエイターたちと共創するシリーズを展開しています。たとえば:

  • Faye Toogood(フェイ・トゥーグッド) — 英国デザイナーとのコラボレーションで、独創的なローズモチーフの「ROSE」シリーズを発表。鮮やかな色彩と抽象的な表現が伝統的なフォルムと融合する試みです。

  • Yabu Pushelberg(ヤブ・プッシェルバーグ) — 「HOSHIKAGE(星影)」シリーズで星空の神秘を描いたデザイン。2024年のBoutique Design New York 展示でも披露されました。

  • Marc Newson(マーク・ニューソン)AB Concept / Ed Ng など、国際的なデザインスタジオと共創したコレクションも多数展開されています。

これらのシリーズは、伝統的なノリタケの美しさに、現代的なデザイン表現やストーリーテリングを加えることで、新しいユーザー層や高級デザイン市場へのアプローチとなっています。

参考サイト

欠品もなく状態の良いノリタケです/骨董品の買取は福岡玄燈舎
欠品もなく状態の良いノリタケです

. ノリタケミュージアム(名古屋)

 

 

■その他の買取品目

 

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