菊花石を買取ました/福岡市・骨董品
菊花石を買取ました
骨董品店連絡先
【電話受付 9:00~19:00 】

写真はtremolo3247@gmail.com若しくはLINEからお願いします。 

福岡市早良区で菊花石を買取りました!

 

大小入り乱れた菊模様が素敵ですね/骨董品の買取は福岡玄燈舎
大小入り乱れた菊模様が素敵ですね

福岡に春一番が吹いたという。ニュースのアナウンサーは、いかにも待ちかねた恋人の名を呼ぶように「春一番です」と声を弾ませるが、こちらは鼻の奥に北風ならぬ花粉の暴風を抱え、目はうるみ、くしゃみは三連発。人がウキウキするほど、私はムズムズする。どうやら世の中は、誰かの幸福と誰かの不幸が、きれいに帳尻を合わせる仕組みらしい。

そんな折、電話が鳴った。

受話器の向こうから、いかにも「お宝が眠っておりますのよ」という含み笑いが流れてくる。盆石や水石がたくさんあるという。中国の掛軸に、清時代の花瓶や壺。景徳鎮の茶器に、端渓硯まで。電話口だけで、すでに一幅の山水画が完成している。鼻水をすすりながらも、私は小躍りした。花粉症も吹き飛ぶとはこのことだ。骨董屋にとって「清時代」という響きは、春一番よりも胸をざわつかせる。

向かう先は福岡市早良区。春の陽気は、やわらかいがどこか薄情で、花粉をたっぷり含んだ空気が頬をなでる。車窓の桜はまだつぼみだが、私の期待は満開である。景徳鎮といえば、中国江西省の磁都。白磁の肌に青が冴えるあの気品。端渓硯といえば広東の名石、墨をするたびに龍が目覚めるとまで言われる。そんな逸品が、城南区の一室で春を待っている――はずだった。

ご婦人が出迎えてくれた。にこやかで、どこか自信に満ちた表情。案内された部屋に一歩踏み入れた瞬間、私は軽いめまいを覚えた。

石である。

石、石、また石。

床の間にも、棚の上にも、テーブルの下にも、石。まるで人類が鉄器時代を飛び越えて再び石器時代に回帰したかのような光景である。掛軸や花瓶は、申し訳程度に「ほら、ちゃんとありますよ」といった顔で壁際に寄り添っているが、主役は明らかに石だった。

盆石、水石、鑑賞石――その言葉の響きは優雅だが、現実は無言の塊である。私は一つ一つ、丁寧に拝見する。石は語らない。しかし、値段は語らねばならぬ。

菊花石がいくつかあった。黒地に白い菊の花が咲いたような模様。自然が気まぐれに描いた意匠である。中には花弁が細やかに整い、まるで石の中で静かに秋を迎えているようなものもある。これは確かに良い。思わず鼻水も止まる。

だが、それ以外の石は――。

うんともすんとも言わぬ、詳細不明の石ころたち。山で出会えば「転ばぬように気をつけよう」と思うだけの存在が、いまや座布団に鎮座している。人は、台に乗せると何でも尊く見えるらしい。肩書きとは便利なものだ。

「こちらは中国の先生が……」とご婦人は語る。だが、先生の名は風に紛れ、由来は春霞のようにぼやける。石はただ黙っている。

次に掛軸。確かに中国風の山水、花鳥。だが、紙の具合、墨の色味、軸先の作り。どう見ても昭和の香りがする。悪くはない。だが、清時代が聞いて呆れる。焼物も同様で、底を返せば現代の窯印がにっこり顔を出す。景徳鎮? たしかに景徳鎮風ではある。だが、風が強すぎて本体がどこかへ飛んでしまったようだ。

端渓硯も拝見する。石質はやわらかく、彫りもある。だが、時代は浅い。墨をすれば龍が目覚めるどころか、せいぜい鯉がひと跳ねする程度である。

私は内心で、電話口の「清時代」という言葉を反芻する。人はなぜ、物に時代を盛りたがるのか。昭和生まれでは肩身が狭いのだろうか。だが昭和だって、いまや立派な歴史である。戦後の復興、高度成長、バブルの泡。あの時代に作られた掛軸や茶器もまた、人の営みの証だ。ただ、値段がつきにくいだけで。

ご婦人は、どこか期待を込めた目でこちらを見る。私は、できるだけ春の陽気のようにやわらかく説明する。時代のこと、産地のこと、市場のこと。石は賑わってはいるが、値は静かであること。

しかし菊花石だけは別だった。細やかな花模様のものがいくつかあり、これは確かな評価ができる。自然の造形は、時代詐称をしない。そこが良い。私は相応の金額を提示した。

ご婦人の顔に、ほっとした春の日差しが差す。どうやら電話の中の満開とはいかなかったが、庭の片隅にきちんと花は咲いたらしい。

査定を終え、石の海をあとにする。外へ出ると、風はまだ少し冷たい。鼻がむずむずする。だが、不思議と心は軽い。骨董品の買取の世界は、期待と現実の往復運動でできている。ときに清時代は昭和になり、名石は石ころになり、石ころの中から菊が咲く。

春一番は、何もかもを吹き飛ばすわけではない。ただ、積もった埃を少し舞い上げるだけだ。そこから何が残るかは、人と物次第である。

福岡市早良区をあとにしながら、私は思う。花粉症は治らぬが、骨董品商売はやめられぬ。石に囲まれ、くしゃみをし、時代を量り、値をつける。なんとも因果な商売だが、これもまた春の風物詩である。

麗らかな春の骨董買取は、こうして静かに幕を下ろした。菊は石の中に咲き、私は鼻をかみ、また次の電話を待つ。

世の中には、まだ見ぬ清時代が、きっとどこかで私を待っている――そう信じるのは自由である。少なくとも、花粉よりは軽い希望だ。

ではまた。

この菊花石については下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。

買取品の詳細

◇この「菊花石」は菊の模様も大きくとても力強い石でした。紫檀の台座も重量感のある上質なものでした。ありがとうございました。

買取査定額

くっきりとした菊文様です/骨董品の買取は福岡玄燈舎
くっきりとした菊文様です

◇菊花石の買取査定額もしくは評価額ですが大きさや菊模様の細かさ、模様の数、そのほかは鑑定書などあればより高価買取&できます。ご自宅に菊花石やアメジストが御座いましたら一度拝見させてください。

 

■過去の作品買取例

全体にバランスの良い菊花石でした/菊花石の買取は福岡玄燈舎
全体にバランスの良い菊花石でした

菊花石 岐阜県 根尾谷産 重量約30kg 300,000円
美濃国産 菊花石 鴛鴦一対   200,000円
紅花弁菊花石 35㎝   180,000円
さざれ菊花 3.5kg 80,000円 他多数

菊花石とは?

菊花石(きっかせき)は、黒や灰色の石の中に白い菊の花が咲いたような放射状模様をもつ観賞石です。人工的に描いたものではなく、地質作用によって自然に形成された鉱物結晶の集合体であり、その偶然性こそが最大の魅力です。とりわけ岐阜県根尾谷産は国の特別天然記念物にも指定され、日本を代表する銘石として知られています。


■ 菊花石ができるまでの地質的工程

菊花石の「花」の正体は、主に放射状に成長した鉱物結晶です。根尾谷産の場合、多くは石灰岩や粘板岩などの堆積岩中に生成した方解石(カルサイト)の結晶集合が核になっています。

形成の大まかな流れは次の通りです。

堆積と岩石の形成
古生代〜中生代にかけて、海底や湖底に石灰質や泥質の堆積物が積もり、長い年月を経て岩石となります。

地殻変動と熱水作用
地殻変動や断層活動により、地下深部から鉱物を含んだ熱水が岩石の割れ目に浸透します。このときカルシウム成分が供給されます。

結晶の放射状成長
化学条件(温度・圧力・溶液濃度など)が整うと、方解石などの結晶が一点から外側へ向かって放射状に成長します。これが「菊の花弁」のような形状を作ります。

母岩とのコントラスト形成
周囲の母岩が黒色・暗色であると、白い結晶との対比が強まり、花模様が際立ちます。

風化と露出
長い年月の風化や浸食によって地表に現れ、人の手に触れる存在となります。

つまり菊花石は、数千万年以上の地質変化の偶然が重なって初めて生まれる自然の造形美なのです。人工的に「作る」ことは基本的に不可能であり、この偶然性が希少価値の根幹となっています。


■ 発掘・採取方法

現在、根尾谷の菊花石は特別天然記念物に指定されており、原則として無断採取は禁止されています。かつては以下のような方法で採石が行われていました。

・沢沿いや河川敷で露出した石を探す
・崖や転石を割って内部の模様を確認する
・母岩を慎重に切断し、花の中心を傷つけないよう取り出す

特に重要なのは「割り方」です。菊花石は内部に模様があるため、花の中心(核)を見極めて母岩を割らなければなりません。誤れば模様が崩れ、価値が著しく下がります。熟練者は石の外観や割れ目の走り方から内部構造を推測します。

現在市場に流通するものの多くは、過去に合法的に採取された在庫や旧家のコレクションです。そのため新規供給はほとんどなく、年々市場流通量は減少しています。


■ 代表的な産地

● 岐阜県本巣市根尾谷

日本で最も著名な産地。根尾谷菊花石は国の特別天然記念物に指定されています。黒色母岩に白い方解石の花がくっきりと浮かぶのが特徴で、花弁の整ったものは極めて高評価です。

● 山口県美祢市

石灰岩地帯に産する菊花石が知られます。根尾谷ほど大輪ではありませんが、素朴で味わい深い個体が見られます。

● 中国(湖南省・広西など)

中国にも類似の菊花石があります。色味や母岩の質感が異なり、灰色地に白花、あるいは黄色味を帯びるものも存在します。日本の鑑賞界にも一定数流通しています。


■ 希少性の高い菊花石とは

価値を決める主な要素は以下の通りです。

花形の整い方
花弁が均等に放射状へ広がり、中心が明瞭であるもの。菊らしい端正な形は高評価。

コントラスト
黒い母岩に純白の花がくっきり浮かぶものは特に人気。

花の数と配置
一輪でも完成度が高ければ高価ですが、大小複数の花が景色良く配置されたものはさらに希少。

大きさ
大輪で形の整ったものは非常に少ない。

自然美・景色性
花だけでなく、石全体として山水画のような風景を感じさせるものは別格。

特に根尾谷産で、直径10cm以上の大輪が完璧な放射状を描くものは極めて稀で、鑑賞石市場では数百万円単位になることもあります。さらに保存状態が良く、人工的な補修や削りがないものは評価が高まります。


■ なぜ希少なのか

・生成条件が極めて限定的
・天然記念物指定による採取規制
・自然破壊や過去の乱掘
・優品は既に愛好家や美術館に収蔵

これらの理由により、市場に出回る良質品は年々減少しています。特に根尾谷産の上質な個体は「出会いの石」とも言われ、同じ模様は二つとありません。

 

参考サイト

さくら資料館(岐阜・本巣市)

 

■その他の買取品目

 

★骨董品買取の福岡玄燈舎では古美術品の他、アンティークや掛軸、茶道具、書道具、絵画、仏像、勲章、中国陶磁、甲冑など多彩な骨董品を査定買取しております。お見積りだけでも構いませんのでお気軽にご相談ください。

★無料出張エリアはコチラです

■骨董品買取の福岡玄燈舎

〒818-0068 福岡県筑紫野市石崎2-6-25A

☎050-3569-2100

【電話受付】9:00~19:00

【店舗営業】不定休の為、お問い合わせください。

★古物商許可証 第909990038581