福岡市城南区で金重素山作品を買取りました

■絵唐津のぐい吞み

金重素山の酒器

 

ぐい吞み

■備前の徳利

備前徳利

金重素山2

 

買取品の詳細

今回は福岡市城南区の住宅地に骨董出張査定にお伺い致しました。査定した買取品は掛軸やお茶道具や古銭や日本刀、陶器、ブロンズなどありました。いろいろな陶磁器がありましたが今回紹介する陶器は「金重素山」の作品です。陶器の状態は欠けや割れもなく箱も汚れなくとても良い状態でした。作品は絵唐津のぐい吞みと備前焼の徳利です。ぐい吞みの方はすっきりとしていてその割には大胆な絵付けがあり持った感じも滑らかな釉薬と程よい大きさのサイズ感を伴いとてもしっくりとくる器でした。そして次の徳利は先ほどのぐい吞みとは全く逆で荒々しい備前焼独特の土味の中にも計算された釉薬の掛かり方、そして凛とした立ち姿で観賞用としても重宝しそうな作品でした。どちらもお酒が奨む逸品ですね。酒飲みにはたまらない幻術品でした。本当にありがとうございました。

 

絵唐津焼

ぐい吞みの見込み

ぐい吞み2

 

 

買取査定額

備前焼酒器

金重素山作品の買取相場ですが風景、窯、色合い、でかなり差があります。天才陶工と呼ばれた実兄の人間国宝の金重陶陽先生の助手としてキャリアをスタートさせた方で、備前の名工として人々に愛される作品を手掛けた金重素山先生の酒器です。買取価格は唐津焼のぐい吞みは1客5~7000円、備前焼の徳利15000~25000円で推移しているようです。特に「緋襷」と呼ばれる作品は10~25万円と高値で取引されています。ご自宅に金重素山作品や古い陶器が御座いましたら一度拝見させてください。もちろん状態や時代、作者でもお値段は変わりますのでご了承ください。ちなみに下記は金重素山さんの代表的な作品です。

備前徳利 伊部緋襷徳久利 伊部ヒダスキ盃 伊部盃 ヒダスキ盃 備前緋襷湯呑 朝鮮唐津半月手鉢

伊部茶盌 備前小判形大皿 備前緋襷皿 五客 伊部緋襷割山椒向付 備前盃 備前緋襷下蕪花入

伊部緋襷茶碗 伊部耳付花入 三彩茶碗 伊部耳付水指 信楽茶碗他多数…

■過去の金重素山作品買取例
牛神下窯 備前茶碗 金重まこと識箱  200,000円
赤志野茶碗200,000円
備前水指 共箱 裏千家十五代鵬雲斎花押150,000円
絵唐津茶碗  西岡小十窯 115,000円
伊部茶碗80,000円
備前 緋襷 下蕪花入 50,000円
信楽茶碗 金重愫識箱 30,000円

金重素山とは?

金重素山の酒器

明治42年、岡山市に生まれます。(金重陶陽の実弟です)。大正3年、兄陶陽の助手を(昭和26年)まで務めその後に大本教を信仰し、同26年陶陽窯を離れるにあたって大本教主出口直日の招請により京都府亀岡市の大本教本部の大本窯、花明山窯を制作の場と定めました。同34年大本教本部京都府綾部の鶴山窯に築窯して独立した後、岡山市円山に登窯を築窯します。桃山時代の伊部焼「緋襷」に魅せられその再現に力を注ぎ、独自の窯を考案して焼成を試み、同40年電気窯による「緋襷」制作を創案して翌年それを完成させました。同42年東京日本橋壺中居にて「緋襷」のみの個展を開催します。同45、47年東京日本橋三越で個展を開催し同49年山陽新聞文化賞受賞します。同53年天満屋岡山店にて「金重素山展」を開催しました。その後は同57年伊部に牛神下窯を築き茶陶の名品を多数遺され、緋襷(ヒダスキ)の素山と高評され著名な作品を多数残します。そして昭和58年、岡山県重要無形文化財認定されました。「緋襷」とは現代では土味を殺さない古式の穴窯を使い桃山の緋襷の再現を目指す現代作家は多いですが
金重素山は、思考錯誤の結果、電気窯でも潤いのある火襷を焼成することに成功しました。電気の窯で焼くと一見して肌がカサカサにしてしまって記念品など大量の注文を同じ様な焼けにするのに重宝しているが、本物を愛する備前愛好者には相手にされませんでした。それを金重素山は穴窯や登り窯で焼いたのと同じ作風にすることに成功しました。

底にある刻印

窯印
下は陶歴です…
1909年 岡山県和気郡伊部村に備前焼窯元 金重楳陽の三男として生まれる
1927年 兄・金重陶陽の助手として窯詰窯焚をつとめる
1951年 陶陽窯を離れ、大本教本部内亀岡の「花明山窯」に奉仕
三代教主・出口直日の指導ならびに助手を務める
1959年 大本教本部綾部の「鶴山窯」に奉仕
1964年 岡山市円山に登窯を築窯
1966年 電気窯による緋襷焼成を完成させる
1967年 大本教梅松館工房開きに際し、石黒宗麿、金重陶陽らと作陶する
1974年 山陽新聞社文化賞受賞
1982年 伊部に「牛神下窯」築窯
1983年 岡山県指定重要無形文化財保持者に認定される
1990年 伝統文化保存振興貢献により、文化庁長官賞受賞
1991年 岡山県文化賞受賞、勲四等旭日小綬章授章
1994年 三木記念賞受賞
1995年 備前市功労賞受賞。肺炎のため86歳で死去

◎関連、参考サイトは■国立工芸館 コチラです。

          ■ポーラ美術館 コチラです。

■その他の買取品目

 

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