小橋川任王（琉球）の花瓶買取りました／福岡県粕屋郡

福岡県粕屋郡で小橋川仁王の作品を買取りました！

ぼってりとした立ち姿のやむちん

茶色がモダンな花瓶

買取品の詳細

今回は福岡県粕屋郡の古いお宅に骨董品出張査定にお伺い致しました。買取品は陶磁器や油絵、仏像、掛軸やお茶道具や中国美術品など多数買取することができました。いろいろな古美術品や骨董品、絵画などがありましたが今回紹介するものは「壺屋焼の仁王窯　小橋川仁王」の作品です。この窯元の作品は赤絵や魚紋などのユニークな絵付けやほかの窯元の色相よりも濃い色彩で華やかなものが多いですね。今回の作品も例外ではなく魚紋には立体的で藍色の鮮やかな絵付け、反対の絵柄が草花紋で茶色のモダンな色彩が特徴の大柄な図柄の花瓶です。その他の作品も茶わんや花瓶、壺、抱瓶などもとてもモダンで個性が溢れるものが多かったように思われます。個人的にも昔からとても大好きで藍、赤、緑、茶色などをセンス良く絵付けした焼物が多いですね。そのほかは古い茶道具、絵画や掛軸もたくさん買取させていただきました。本当にありがとうございました。

立体的な草花紋様

深い藍色が特徴の魚紋

。

買取査定額

小橋川仁王作品の買取相場ですが容姿や大きさ、文様、細工、色合い、箱書きなどでかなり差があります。壺屋の上焼の陶工で壺屋創設に加わった壺屋七チネー（家族）の一つの家系に生まれる方の作品です。釉薬の調合に定評があり県立博物館所蔵のユーチューカー（酒器）は仁王の作品とも伝えられております。そんな高名な小橋川さんの作品は平均買取価格は赤絵の大皿で１０万円～１５万円、大壷７～１０万円、茶碗や花瓶は５０００円～３万円となっています。ご自宅に小橋川仁王の作品や琉球陶器が御座いましたら一度拝見させてください。その際、箱や栞など付属品もプラス査定になりますので一緒に添えてください。もちろん状態や色合い、作風でもお値段は変わりますのでご了承ください。

可愛い絵柄の横顔ですね

下記は小橋川仁王の代表的な作品です。

■爬竜船草花文龍図花瓶

■龍鳳凰彫刻花瓶

■琉球赤絵魚文四方壷

■赤絵花瓶　四耳壷

などなど…

■過去の作品買取例
赤絵壷　100,000円
魚紋大壷 80,000円
赤絵雲龍花紋大壺50,000円
赤絵虎文油壷 50,000円
赤絵茶碗30,000円他多数

小橋川仁王と壺屋焼

無骨な感じの味わいのある口元ですね

那覇市壺屋にある小橋川製陶所仁王窯は、壺屋焼きの発展とともに約300年の歴史を紡いできた古窯です。壺屋焼伝統の絵柄はもちろん、古典焼と言われる大正から昭和にかけて壺屋で製作されたエジプト文様も引き継がれています。赤絵の皿や壺はもちろん伝統的な魚紋や龍文、飛び鉋文などもしっかり継承されております。なお現在の窯元は池野幸雄氏。2005年に小橋川製陶所（仁王窯）に入所し、「沖展」「沖縄県工芸公募展」「現代沖縄陶芸展」「全国伝統工芸品公募展」などで多くの作品が入選しています。

刻印もしっかりと刻まれています

〇沖縄の壺屋焼で有名なやちむんの起源は沖縄が琉球王国と呼ばれていた頃にまで遡るそうです。
その昔、江戸時代初頭の慶長14年（1609年）、琉球王国は薩摩藩の支配下に置かれていました。
その後、元和2年（1616年）に薩摩から招いた朝鮮人陶工「一六・一官・三官」の3人により、琉球の人々は湧田窯（現在の那覇市泉崎）にて朝鮮式技法の指導を受け、作陶をはじめました。時代的には有田焼や伊万里焼が日本で製造された後になりますね。その時の製法は無釉・低温焼成の「荒焼」でした。
さらに天和2年（1682年）、琉球王朝の尚貞王しょうていおうが製陶産業の復興のため県内各地に分散していた湧田・宝口・知花の３つの窯場を統合し、那覇市の壺屋という場所に集めました。これが「壺屋焼」の始まりです。

■小橋川家の歴史…
1682年知花、湧田、宝口の三窯場を壺屋に統合
1974年東窯廃窯
1975年壺屋陶器事業協同組合設立
1976年「壺屋焼」通産大臣より伝統的工芸品に指定
2005年那覇市で初めて特例許可を得て壺屋に陶器工房を開窯

■四代目　小橋川家（小橋川卓史）陶歴…

1969年壺屋に生まれる。
1987年父(清正)に師事する。
2000年 2000年九州沖縄サミット首里城夕食会にて制作した位置皿(練り込み皿)が使用される。
2002年経済産業大臣指定の日本伝統工芸士の認定を受ける。
2005年世界遺産『識名宮』での日本国際文化交流推進協会鑑水会
茶会の要請で東大寺蔵の重要文化財『油壺』を同寺真言院
上野道善氏のご指導のもと写す。
2006年本願聖武天皇千五百年遠忌大法会慶讃第二十五回華厳茶会
(裏千家鵬雲斎千玄宗大宗匠献茶勤仕)
東大寺席ニ東大寺古瓦銘々皿千枚ヲ供養奉納ス
文責　東大寺顧問　松田基(寛基)
2012年沖縄県工芸公募展奨励賞受賞
『伝統的工芸品産業功労者沖縄県総合事務局長表彰』の奨励賞受賞

◎関連、参考サイト

・琉球新聞

・沖縄の陶芸家

・壺屋焼物博物館