福岡市早良区で絵葉書(炭鉱)を買取りました
買取品の詳細
今回は福岡市早良区のお宅にいろいろな骨董品の査定や絵画の鑑定でお伺い致しました。ちなみに買取品には絵画のほかにも掛軸や人形、中国陶磁や茶器、勲章、古書や珊瑚などありましたが今回紹介する買取品は「戦前の絵葉書」です。絵葉書には急日本軍の物や中国、朝鮮、満州の町並みなどが写っている絵葉書がたくさんありました。その一つの「萬田(万田)炭鉱」の絵葉書にスポットを当ててみたいと思います。この絵葉書は経年の割にはすれや汚れも少なくとても状態の良いものでした。
■萬田炭鉱とは…
万田炭鉱の歴史:
1. 開発と最盛期
1.1. 隆盛を支えた近代技術…万田炭鉱は、福岡県南部の荒尾市にある炭鉱で、三池炭鉱の中でも代表的な坑口の一つでした。1897年に工事が始まり、1908年に本格操業を開始しました。当時の日本では、日露戦争後の経済成長や軍需産業の発展により、石炭の需要が急増していました。万田炭鉱は、最新の技術と設備を導入することで、効率的な採炭を行い、三池炭鉱全体の生産量増加に大きく貢献しました。
1.2. 模範坑としての役割…万田炭鉱は、三池炭鉱の中でも模範坑として位置づけられていました。最新の設備だけでなく、坑内安全や労働環境の改善にも積極的に取り組んでいました。例えば、坑道の照明に電灯を導入したり、換気設備を整備したり、安全教育を徹底するなど、当時としては画期的な取り組みを行っていました。
1.3. 活気あふれる炭鉱町…万田炭鉱周辺には、炭鉱で働く人々のための住宅や商店、学校などが整備され、活気あふれる炭鉱町が形成されました。最盛期には、約1万5千人が居住し、映画館や劇場、遊郭なども存在し、娯楽も充実していました。
2. 最盛期の文化と時代背景
2.1. 炭鉱文化の形成…万田炭鉱をはじめとする三池炭鉱は、独特の文化を形成していました。炭鉱労働者は、厳しい労働環境の中で互いに助け合い、強い結束力を築いていました。また、炭鉱節と呼ばれる民謡や、炭鉱生活を題材とした文学作品など、独自の文化も生まれました。
2.2. 戦争と炭鉱…戦時中は、軍需産業の燃料として石炭の需要がさらに高まりました。万田炭鉱でも増産体制が敷かれ、多くの女性や学生も労働力として動員されました。しかし、戦争末期になると、空襲の被害を受けるなど、厳しい状況に置かれました。
3. 衰退と閉山
3.1. エネルギー革命の影響…戦後、石油などのエネルギー資源の開発が進み、石炭の需要は徐々に減少しました。万田炭鉱も、1997年に閉山を迎えました。閉山後は、坑道の見学ツアーや炭鉱資料館の開設など、跡地利用が進められています。
3.2. 炭鉱事故の記憶…万田炭鉱では、1963年にガス爆発事故が発生し、458名の犠牲者が出ました。これは、日本の炭鉱史上最悪の事故の一つです。この事故を教訓として、炭鉱の安全対策が強化されました。
4. 現代における万田炭鉱
4.1. 世界遺産登録…2015年、三池炭鉱は「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として世界遺産に登録されました。万田坑もその構成資産の一つとして、世界遺産に登録されています。
4.2. 未来への継承…万田炭鉱は、日本の近代化を支えた重要な産業遺産です。閉山後も、坑道の見学ツアーや炭鉱資料館の開設などを通じて、炭鉱の歴史や文化を未来へ継承していく取り組みが進められています。
5. 最後に…
万田炭鉱は、日本の近代化を支えた重要な炭鉱でした。最盛期には、模範坑として三池炭鉱全体の生産量増加に大きく貢献し、活気あふれる炭鉱町を形成しました。しかし、エネルギー革命の影響により1997年に閉山しました。現在は世界遺産に登録され、炭鉱の歴史や文化を未来へ継承していく取り組みが進められています。
参考資料
世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」
。
絵葉書の買取査定額(参考)
〇戦前絵葉書は満州、支那、朝鮮、モンゴルの文化や風俗が掲載された戦前の物が大人気です。その他には戦前の沖縄の町並みや文化、風俗が掲載されたもの、サイパンや南方の旧日本軍の激戦地なども人気が根強いです。その他にも人気の高い絵葉書を下記に挙げていますので参考にしてください。
■戦前および戦後の絵葉書には、様々なテーマや地域が人気を集めました。以下に、その一部を挙げて説明します。
・京都・奈良の古都風景: 戦前から戦後にかけて、京都や奈良の古都風景は人気を博しました。寺院や神社、伝統的な町並み、そして四季折々の風景が描かれた絵葉書は、観光客や文化愛好家に愛されました。
・北海道の風景: 特に戦後、北海道の美しい自然や観光地が描かれた絵葉書は人気でした。富士山や雪景色、旭川や函館の風景などがよく見られました。
・神社や仏閣の絵葉書: 日本各地の有名な神社や仏閣の絵葉書は、信仰心や観光客の関心を引きました。伝統的な建築や美しい庭園、季節の風景などが描かれ、神聖な雰囲気を伝えました。
・温泉地の絵葉書: 戦前から戦後にかけて、日本各地の温泉地の絵葉書も人気でした。美しい温泉街や湯治場、温泉の露天風呂や源泉掛け流しの様子が描かれ、リラックスや健康への願いを表現しました。
・歴史的建造物や遺跡の絵葉書: 日本の歴史的な建造物や遺跡が描かれた絵葉書も人気がありました。例えば、姫路城や松本城、平等院鳳凰堂、そして奈良の大仏などが挙げられます。
・芸妓や舞妓の絵葉書: 京都や祇園などで活躍する芸妓や舞妓の姿を描いた絵葉書も人気でした。華やかな着物や髪飾り、舞台での舞踊などが描かれ、日本の伝統文化に興味を持つ人々に喜ばれました。
・日常生活や行事の絵葉書: 日本の日常生活や季節行事を描いた絵葉書も広く流通しました。例えば、花見や紅葉狩り、お正月の風物詩、そして農作業や祭りなどが描かれ、日本の文化や風習を伝えました。
これらの絵葉書は、日本の歴史や文化、風景、そして人々の暮らしを伝える貴重な資料として、多くの人々に愛されています。
■絵葉書の買取金額はとても一概には言えず状態や内容でピンキリになりますので一度拝見させていただければ幸いです。
■過去の絵葉書買取例
・朝鮮,支那風俗まとめて 150,000円
・台湾絵葉書 100,000円
・旧日本海軍関係 80,000円
他多数
絵葉書とは?
■絵葉書、またはポストカードは、簡潔なコミュニケーション手段として、また旅の思い出や風景を共有する方法として、長い歴史を持っています。その起源は古代まで遡り、様々な形態を経て現代の形へと発展してきました。
古代から中世…
絵葉書の歴史は、古代文明にまで遡ります。古代エジプトでは、石板やパピルスにメッセージを書き、それを友人や家族に送っていました。古代ギリシャやローマでは、木製の板や陶器片にメッセージを書いて送っていました。これらのメッセージは、現代の絵葉書と同様、簡潔なコミュニケーション手段として使用されていました。中世ヨーロッパでは、封筒や紙が普及するまで、羊皮紙や手書きの文書が手紙として使われていました。これらの文書は、貴族や聖職者など、限られた人々によって使用されていました。
絵葉書の誕生…
絵葉書が誕生したのは、19世紀後半のヨーロッパです。1869年、オーストリア・ハンガリー帝国で官製葉書が発行されました。これは、郵便料金を前払いした葉書で、宛先とメッセージを記入するだけで送ることができました。官製葉書の登場は、簡便なコミュニケーション手段として大きな役割を果たしました。1870年代になると、官製葉書に絵柄を印刷するようになりました。これが絵葉書の誕生です。最初の絵葉書は、風景や建物などの写真が印刷されたものでした。その後、イラストや絵画などの絵柄も印刷されるようになりました。
絵葉書の黄金時代…
絵葉書が最も盛んになったのは、19世紀末から20世紀初頭です。この時代は、印刷技術の発展により、大量生産が可能になったこと、また、旅行や観光が盛んになったことなどが重なり、絵葉書が広く普及しました。当時の人々は、旅先で風景や建物を撮影し、それを絵葉書にして家族や友人に送っていました。また、絵葉書は収集品としても人気がありました。
現代の絵葉書
20世紀後半になると、電話や電子メールなどの通信手段が普及し、絵葉書の利用は減少しました。しかし、近年では、アンティークなアイテムとして絵葉書が再び人気を集めています。なお現代の絵葉書は、風景や建物だけでなく、アニメやキャラクターなど様々なデザインのものがあります。また、写真印刷技術の発展により、より高精細な絵葉書が制作できるようになりました。
絵葉書に関する豆知識
- 世界で初めて絵葉書が発行されたのは、1869年のオーストリア・ハンガリー帝国です。
- 日本で初めて絵葉書が発行されたのは、1873年です。
- 絵葉書は、英語で「Postcard」、フランス語で「Carte postale」、ドイツ語で「Postkarte」と呼ばれています。
◎関連、参考サイト
Postcard History –
絵葉書の歴史やコレクションに関する包括的な情報が提供されています。時代別の絵葉書のイメージや解説、コレクションのヒントなどが含まれています。
The Metropolitan Postcard Club
メトロポリタン・ポストカード・クラブは、絵葉書のコレクターに向けたリソースを提供しています。絵葉書の歴史、カテゴリー別のコレクション、イベント情報などが掲載されています。
The Postcard Traders Association –
イギリスを拠点とする絵葉書取引業者協会のウェブサイトです。絵葉書の歴史、コレクションのガイド、取引の情報などが提供されています。
■その他の買取品目
★骨董品買取の福岡玄燈舎では古美術品の他、アンティークや掛軸、茶道具、書道具、絵画、仏像、勲章、中国陶磁、甲冑など多彩な骨董品を査定買取しております。お見積りだけでも構いませんのでお気軽にご相談ください。