福岡市中央区で柿右衛門の茶器セットを買取りました!
◇骨董品買取の福岡玄燈舎です。その日、福岡のとある閑静な住宅街にある一軒家へと向かうことになりました。まさに古き良き昭和の香りが漂う、玄関に植木鉢がズラリと並んだ一軒家です。門をくぐると、風鈴の音が涼やかに響き、どこか懐かしい気持ちになります。依頼主は最近亡くなられたご主人のコレクションを整理したいという奥様で、我々を丁寧に迎えてくださいました。
「どうぞお上がりください。主人が大事にしていた品々を見ていただきたいのです」と、奥様は丁寧に靴を揃えながら、リビングへ案内してくれました。リビングに入るや否や、目が釘付けになったのは、まるで美術館の展示のように整然と並べられた柿右衛門作品の数々でした。なんと、ズラーっと並んだ作品群の大半は、十三代酒井田柿右衛門の手によるものだったのです。目の前に広がる光景は、まるで「柿右衛門の宴」とでも呼びたくなるほどの贅沢さです。「主人はね、柿右衛門さんの作品が本当に好きで、特に十三代のものを集めるのが生き甲斐だったんです」と、奥様が語るその声には、今でもご主人への愛情と尊敬が溢れているようです。
私は、そんなご主人に敬意を込めて一つ一つの作品を手に取り、その精緻な作りに感嘆しながら査定を進めました。特に目を引いたのは、湯呑と水柱のセットです。状態はまるで新品同様で、箱書きされた共箱の中には、しおりまできっちりと収められていました。このような完璧な状態で保存されていたことに、感謝です。「このセットは本当に素晴らしいですね。ご主人も大切にされていたのでしょう」と話すと、奥様は微笑みながら「ええ、毎日、眺めながら晩酌をすることが楽しみだったようです」と答えてくれました。
ここで敏腕査定士の私?が、鋭い目つきで電卓を叩きながら、査定額を弾き出します。そして、ついに「こちらの作品、特にこの湯呑と水柱のセットは状態が良いので高額での買取が可能です」と、伝えると奥様も安心したようで「本当ですか?主人も天国で喜んでいると思いますわ」と、ほっとしたように胸を撫で下ろす奥様。その姿を見て、我々もまた、この出張買取がただの商取引ではなく、故人の想い出を共に分かち合う大切な時間であったことを改めて実感しました。最終的に、柿右衛門作品はすべて非常に良いお値段を提示でき、奥様は大変満足された様子で、我々に何度も感謝の言葉を述べてくださいました。そして、我々は無事に査定を終え、品々を大切に梱包しながら、奥様の涙ながらの見送りを受けてその場を後にしたのです。この柿右衛門作品については下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。
買取品の詳細
◇この「柿右衛門作品」は棚に飾られていて一度も使用されていなく傷や汚れもない極美品でした。しかも共箱や栞も付属しております。なんといっても水柱の凛としてしなやかな立ち姿がいいですね。図柄は唐草花文様で定番ですがとても美しいものでした。ありがとうございました。
買取査定額
◆十三代柿右衛門作品の買取査定額もしくは評価額ですがまず第一に人気度や図柄の面白さ、次に状態、付属品の有無などでより高価買取&できます。なお、今回買取した茶器は状態もよく、しかも付属品や元箱なども揃っているということで高価買取させていただきました。一般にはやはり錦絵などの普通の図柄よりも「濁手」と呼ばれるやや乳白色の作品の方が高価買取ができます。ありがとうございました。ご自宅や倉庫に柿右衛門作品や他の人間国宝作品がございましたら是非、骨董品買取の福岡玄燈舎にお声掛け下さいね。宜しくお願い致します。
■過去の作品買取例
濁手草花文壷 400,000円
酒井田柿右衛門 元禄人形 200,000円
濁手赤濃 亀甲文花瓶 150,000円
錦花鳥文香爐 85,000円 他多数
十三代柿右衛門とは?
十三代柿右衛門(1906年~1982年、本名:酒井田喜三郎)は、日本の著名な陶芸家であり、江戸時代から続く柿右衛門窯を継承した人物です。彼は、江戸時代に開花した「柿右衛門様式」の伝統を守りつつも、時代に合わせた作品を生み出し、その名を現代にまで広めました。
生い立ちと陶歴
十三代柿右衛門は、1906年に佐賀県有田町に生まれました。幼少期から家業である陶芸に親しみ、父である十二代柿右衛門の元で修行を始めました。彼は、有田焼の伝統技法を継承しながらも、新しい表現を模索し続け、1936年に正式に十三代柿右衛門を襲名しました。
十三代は、戦後の日本において柿右衛門様式を再び国際的に評価されるよう尽力しました。彼は白磁に鮮やかな赤絵を施す「柿右衛門様式」の復興に努め、その伝統を守り続けました。また、1974年には日本芸術院会員に選出され、1975年には重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定されました。これにより、彼の作品はさらに広く認知されるようになりました。
影響を与えた陶芸作家
十三代柿右衛門は、特に歴代の柿右衛門の作風に深く影響を受けています。初代柿右衛門(酒井田柿右衛門)は、17世紀後半に有田で赤絵を中心とした独自の装飾技法を開発し、それが「柿右衛門様式」として知られるようになりました。この技法は白地に鮮やかな赤を中心とした色使いが特徴で、特に輸出向けに人気を博しました。
また、十三代柿右衛門は、自身の師でもある父・十二代柿右衛門(酒井田吉右衛門)からも大きな影響を受けています。十二代は明治から昭和にかけて活躍し、柿右衛門様式の継承と発展に尽力しました。
さらに、同時代の他の陶芸家たち、特に九谷焼や清水焼の作家たちとも交流を持ち、相互に刺激を受けながら新しい表現を模索していたことが考えられます。
◆十三代柿右衛門の代表的な作品や図柄については以下を参考にしてください。
◎関連、参考サイト
■その他の買取品目
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