珊瑚の置物買取りました/骨董品の買取は福岡玄燈舎
珊瑚の置物買取りました
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福岡市東区で珊瑚の置物を買取りました!

珊瑚の恵比寿様です/珊瑚の買取は福岡玄燈舎
珊瑚の恵比寿様です

いやはや、春というのは本来、草木が芽吹き、人の心もいくぶん穏やかになる季節のはずである。ところがどうだ。今年の福岡は少し様子がおかしい。外では季節外れの春の嵐が暴れ回り、家の中ではそれを上回る勢いで、我が家内という名の低気圧が猛烈に発達している。気圧配置としては極めて不安定。下手に居座れば、こちらの精神気圧は一気に観測不能レベルまで落ち込む。

こういう時、男という生き物は大抵、二つの選択肢に迫られる。ひとつは嵐が過ぎ去るのをじっと待つ「耐える美学」。もうひとつは、嵐の目をすり抜けて外界へ脱出する「逃げる美学」である。もちろん私は迷うことなく後者を選ぶ。美学というより本能に近い。

そんな絶妙なタイミングで鳴り響く一本の電話。これがまた、いかにも救いの手を差し伸べるかのような絶妙な間で鳴るのだから世の中はよく出来ている。「骨董品の出張買取をお願いしたいのですが」――この一言が、どれほど人を勇気づけるか、一般家庭の方にはなかなか理解されまい。これはもはや依頼ではない。避難命令である。

私は神妙な声で「はい、すぐ伺います」と応じながら、心の中では万歳三唱。財布よりも先に命が助かった気分である。

かくして私は嵐の中心からするりと抜け出し、愛車に飛び乗る。ワイパーが忙しなく左右に振れる中、ハンドルを握る手は妙に軽い。目的地は福岡市東区。海の気配と住宅地の静けさが混じり合う、どこか昭和の残り香を漂わせる場所だ。

到着した先は、いかにも「昭和がまだ現役だった頃」に建てられたであろう一軒家。妙に凝った外観、やや主張の強い門構え、そして年月を重ねたことによる風格とも言えるし、単なる古さとも言える絶妙な味わい。こういう家は大抵、中に入ると「時代」がそのまま保存されている。

案の定である。

通された部屋には、まるで小規模な骨董市がそのまま室内に移植されたかのような光景が広がっていた。壁には掛軸が何本も掛けられ、床の間には有田焼の大皿が堂々と鎮座し、その周囲を中国の置物たちが取り囲む。さらに銀の食器が光を抑え気味に反射しながら、控えめな顔で「私も一応、資産です」と主張している。

こういう場面に遭遇すると、骨董屋という人種は途端に生き生きしてくる。医者が聴診器を当てるように、我々は品物に触れる。静かに、しかし確実に値踏みのメスを入れていく。

まずは掛軸。一本一本、軸先や紙質、筆致を確認する。遠目には立派でも、近づけば印刷ということも多いのがこの世界の面白いところだ。案の定、数本は近代印刷。しかし中には「おや?」と思わせるものも混じる。この「おや?」があるからやめられない。

次に有田焼の大皿。これがまた立派な顔をしている。だが立派な顔と高値は必ずしも一致しないのが世の常である。裏を返し、窯印を確認し、時代を推し量る。うん、悪くない。飛び抜けてもいないが、しっかりとした実用品の延長線上にある良品だ。

中国の置物たちは、いかにも「異国情緒」を売りにした昭和の輸入品といった風情。悪くはないが、過度な期待は禁物。しかし数がある。骨董品の世界において「数」は時に正義だ。ひとつひとつは控えめでも、まとまれば立派な商いになる。

銀の食器は重量を測る。手に持ったときのあのずしりとした感覚は、いつの時代も裏切らない。装飾よりもまず重さ。これが銀の正直なところである。

全体としては、いわゆる昭和のコレクション。しかし量が多い。非常に多い。こうなると話は変わってくる。「これは商売になるな」と、頭の中のそろばんが軽快に弾かれ始める。

そして、ひと通り査定を終えた頃、家主が少し間を置いてこう言った。

「最後に、これを見ていただけますか」

来た。こういう“最後に”は、たいてい本命である。

差し出されたのはガラスケース。中に収められていたのは、珊瑚の置き物――恵比寿と布袋である。

赤く艶やかな珊瑚を丁寧に彫り上げ、恵比寿は鯛を抱えてにこやかに笑い、布袋は腹を揺らして満面の笑み。見ているこちらまでつられて笑いそうになる、実に縁起の良い顔ぶれである。

そして脇には、作者名の立て札。

――これは、少し空気が変わる。

珊瑚という素材は、ただ赤ければ良いというものではない。色、質、透明感、そして何より彫りの技量。さらに時代背景や流通事情も絡む。特に昨今は扱いにも注意が必要な品だ。

私はケース越しにじっと観察する。光の当たり具合を変え、角度を変え、細部を追う。

色は良い。ややピンク寄りではあるが、深みがある。彫りも悪くない。むしろ丁寧だ。そして何より、作者名が付いていることで「物語」が生まれている。

骨董品というのは不思議なもので、物そのもの以上に「誰が作ったか」「どういう経緯か」という背景が価値を押し上げる。言い換えれば、人は物を買うのではなく、物語を買うのである。

私は静かに頷いた。

「これは、しっかりと評価できるお品ですね」

家主の顔がわずかに緩む。その瞬間、場の空気が柔らかくなる。値段の話は、ここからが本番だが、すでに勝負の大半は決している。

提示した査定額に対し、家主は少し考え、やがて静かに頷いた。

こうして、本日の骨董品はすべて買取成立。

外に出ると、いつの間にか嵐は幾分おさまっていた。風はまだ強いが、先ほどまでの荒々しさはない。まるで「用は済んだだろう」と言わんばかりのタイミングである。

車に乗り込み、エンジンをかける。

さて、問題はここからだ。

外の嵐は去りつつある。しかし、家の中の嵐はどうなっているか。低気圧は依然として停滞しているのか、それとも新たな前線が発生しているのか。

骨董の査定よりも、こちらの見極めの方がよほど難しい。

私はしばし考え、そして一つ結論を出した。

――まあ、帰るしかあるまい。

どんな名品にも終い方があるように、どんな嵐にも終わりはある。そう信じてハンドルを握るしかないのが、我々小さき商人の性である。

恵比寿と布袋の笑顔が、ふと頭に浮かぶ。

あの二柱の福の神にあやかるとしよう。できれば家庭内の気圧配置にも、ひとつ穏やかな福をもたらしていただきたいものだが――さて、それはまた別の査定案件である。

ではまた。

この珊瑚については下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。

買取品の詳細

珊瑚の大黒様です/骨董の買取は福岡玄燈舎
珊瑚の大黒様です

◇この「珊瑚の置物」は昭和に入ってからの置物で色合いも深く明るいものでした。血赤まではいかないもののコーラルピンクで上質の物でした。台座の古い紫檀も重量感のあるものでした。ありがとうございました。

買取査定額

◇珊瑚炉の買取査定額もしくは評価額ですが第一色合いや大きさ、そして彫刻の細かさ、ほかには鑑定書などあればより高価買取&できます。ご自宅に珊瑚や骨董が御座いましたら一度拝見させてください。もちろん状態や時代、作者、作品でもお値段は変わりますのでご了承ください。

 

■過去の作品買取例

上岡巧山作 本珊瑚彫刻恵比寿大黒置物 200,000円
巧山作 珊瑚彫刻香合    100,000円
持蓮観音  黒檀厨子付 80,000円
他多数

上岡巧山とは?

木札もあります/骨董品の買取は福岡玄燈舎
木札もあります

■  土佐の海とともに生きた彫刻師

上岡巧山は、主に高知県(旧土佐)を拠点に活動した珊瑚彫刻師である。生年の詳細については諸説あるものの、昭和期を中心に活躍した作家であり、いわゆる「土佐珊瑚」の黄金期を支えた重要人物の一人とされている。

高知県は古くから血赤珊瑚の産地として知られ、江戸末期から明治・大正にかけて珊瑚産業が発展した地域である。そうした土地に生まれた巧山は、若い頃から珊瑚加工・彫刻の技術を学び、やがて独自の作風を確立していった。

彼の活動時期は、戦後の復興と高度経済成長の波に重なる。この時代、日本国内では贈答品や装飾品としての工芸品需要が高まり、珊瑚細工もまた富裕層や企業の間で重宝された。巧山はその流れの中で、単なる工芸品の枠を超えた「美術彫刻」としての珊瑚作品を世に送り出し、高い評価を獲得していく。

■ 代表作品

上岡巧山の代表作として多く見られるのは、以下のような題材である。

・七福神(恵比寿・大黒・布袋など)

商売繁盛や家内安全を象徴する七福神は、珊瑚彫刻において非常に人気のあるモチーフであり、巧山も数多く手がけている。特に恵比寿の鯛を抱える姿や、布袋の柔和な笑みは、彼の得意とする題材である。

・観音像・仏像

繊細さと神聖さが求められる仏教モチーフにおいても巧山の技術は光る。衣の流れや表情の静けさに、彫刻師としての力量が如実に現れる。

・人物像(唐子・仙人など)

中国風の童子(唐子)や仙人といった異国情緒あふれる題材も多く、昭和期の美術工芸の流行を反映している。

・花鳥・自然モチーフ

牡丹や菊などの花、あるいは鳥をあしらった作品もあり、珊瑚の色味を活かした装飾性の高い作品群を形成している。

■ 作品の特徴 ― 「赤」を活かし、「命」を刻む

上岡巧山の作品を語るうえで重要なのは、単なる素材の豪華さではなく、それをいかに活かすかという「彫刻家としての視点」である。

① 珊瑚の質を見極める選材眼

珊瑚は天然素材ゆえに形状も色も一つとして同じものがない。巧山はその個体差を見極め、最も美しく見える構図を考えたうえで彫りを入れている。無理に形を作るのではなく、「素材に従う」姿勢が見て取れる。

② 柔らかな人物表現

恵比寿や布袋に見られるように、巧山の人物は総じて表情が柔らかい。いわゆる“笑いの品格”とでも言うべきもので、単なるデフォルメではなく、見る者に安心感を与える造形となっている。

③ 緻密で立体的な彫り

珊瑚は硬度のある素材でありながら、割れやすいという厄介な性質を持つ。その中で衣のひだや指先の表現、細かな装飾まで彫り込むには高度な技術が必要だ。巧山の作品は、全体のバランスを崩すことなく細部まで作り込まれている点が特徴的である。

④ 色のグラデーションの活用

血赤から淡いピンクまで、珊瑚の色味を活かした表現も見逃せない。単一の色としてではなく、濃淡を利用して立体感や奥行きを演出している。

■ 作風 ― 工芸と美術認識

上岡巧山の作風を一言で言えば、「工芸の域を超えた装飾彫刻」である。

昭和期の珊瑚彫刻は、しばしば量産的な側面を持つものも多かったが、巧山の作品には明らかに一線を画す“手仕事の重み”がある。もちろん市場の需要を意識した題材選びはしているが、その中でも個々の作品に独自性を持たせようとする意識が強い。

また、彼の作品にはどこか「祝い」の空気が漂う。七福神や観音像といった題材も相まって、単なる装飾品ではなく「場を和ませ、福を呼び込む存在」としての役割を担っている点が興味深い。

参考サイト

紫檀の台座です/骨董品や珊瑚の買取は福岡玄燈舎
紫檀の台座です

宝石珊瑚資料館『35の杜』

高知県立美術館

■その他の買取品目

 

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