
福岡県太宰府市でブロンズ像を買取りました!

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◇六月といえば本来なら梅雨である。
梅雨といえば湿気である。
湿気といえば洗濯物が乾かない、頭髪が言うことを聞かない、そして骨董品にとっては大敵である。
ところが今年の福岡はどうも様子がおかしい。
六月だというのに空気は比較的さらりとしているし、気温も「殺人的」というほどではない。近頃の天気予報は毎年のように「観測史上最大級」「記録的」「未曽有」などと、まるで週刊誌の見出しのような言葉を並べ立てるが、今年は拍子抜けするほど穏やかだ。
おかげで我々骨董屋も汗だくで溶けることなく仕事ができる。
もっとも、仕事があるからこその話である。
仕事がなければ涼しかろうが暑かろうがただの無職である。
そういう意味では、連日のように骨董品の買取依頼が舞い込むのは実にありがたい。
今回の目的地は太宰府市。
学問の神様で有名な土地である。
もっとも、我々骨董屋が神頼みするのは合格祈願ではない。
「どうか本物がありますように」
「どうか贋作ばかりではありませんように」
「どうか値段の付かない物を百点も並べられませんように」
という、なかなか世俗的なお願いである。
そんな欲望まみれの心を抱えながら依頼主宅へ到着した。
立派なお宅である。
骨董屋という生き物は玄関を見ただけで勝手に期待する。
立派な家を見ると「お宝がありそうだ」と思う。
古い家を見ると「蔵がありそうだ」と思う。
新しい家を見ると「親の遺品がありそうだ」と思う。
つまり何を見ても前向きに期待するのである。
期待しなければ商売にならない。
案内された部屋へ入ると、早速品物が並び始めた。
まずは硯。中国硯、日本硯、大小さまざま。
模造刀。古写真。軍服。勲章。棟方志功の版画。
そのうち私は何を査定しているのか分からなくなった。
まるで骨董品の闇鍋である。
普通の家庭なら居間にはテレビやソファーがある。
しかし骨董品好きの家は違う。
昨日までは平凡な部屋だったはずなのに、押し入れを開けるたびに明治、大正、昭和が雪崩のように飛び出してくる。
しかも依頼主は楽しそうだ。「まだありますよ」その一言が恐ろしい。
骨董屋にとっての「まだありますよ」は、漁師にとっての大漁旗であり、サラリーマンにとっての残業命令でもある。
嬉しいような悲しいような複雑な言葉なのである。
掛軸を一本一本確認し、茶碗を眺め、勲章を見て時代背景を考える。
棟方志功の版画などは思わず背筋が伸びる。名前だけで価値が生まれる人間というのはすごい。
我々など名刺を出しても値段は付かないが、偉大な芸術家は署名一つで世界が変わる。
世の中は不公平である。もっとも、私の署名に価値が付くようになったら税務署が黙っていないだろう。
そんなことを考えながら査定を続けていると、依頼主が少し得意そうな顔で言った。
「最後にこれがあります。」
この「最後」が信用できない。骨董の現場における最後ほど当てにならないものはない。
飲み屋の「もう一軒」と同じである。必ず続きがある。そして案の定、大きな箱がいくつも現れた。
中から出てきたのはブロンズ像だった。

女性像。裸婦像。犬。猫。仏像。
次から次へと現れる。まるで小さな美術館である。
しかもよく見ると著名な作家の作品が混じっている。相方と顔を見合わせる。これはなかなか面白い。
骨董屋という生き物は、こういう瞬間に目の色が変わる。
普段は温厚そうに見えるが、お宝の匂いを嗅ぐと猟犬のようになる。
いや、猟犬に失礼かもしれない。猟犬はもう少し上品である。
女性像の柔らかな表現。犬の躍動感。猫の気まぐれそうな表情。仏像の静かな存在感。
作家によってまるで個性が違う。
人間は生きている間、他人の顔色ばかりうかがって暮らしているが、彫刻家は金属にまで個性を吹き込むのだから大したものである。
最近は何でも効率化の時代だ。会話は短縮され、文章は要約され、動画は倍速で見られる。
そのうち恋愛まで三倍速になるのではないかと思う。そんな時代に何か月も何年もかけて彫刻を作る人間がいる。
考えてみれば実に贅沢な仕事である。しかしだからこそ価値があるのだろう。
査定額を積み上げていく。掛軸。版画。茶道具。軍装品。そしてブロンズ。
気が付けばなかなかの金額になっていた。
依頼主も驚いた顔をしている。こちらも驚いている。骨董屋は高く評価すると嬉しい。
だが支払う金額を考えると少し怖い。嬉しさと恐怖が同居する珍しい職業なのである。
商談が始まる。ここからが本番だ。査定は理屈。商談は心理戦。
世の中の夫婦喧嘩も国際会議もだいたい同じ構造である。
幸い依頼主は気持ちよく話を聞いてくださった。こちらも誠意を尽くす。
そして最後は笑顔で握手。全品買取成立となった。ありがたいことである。
帰り際、依頼主が言った。「大事にしてくれる人に渡してください。」
骨董屋は単なる中古品回収業ではない。品物と人をつなぐ仕事でもある。
長年愛された品物を次の持ち主へ橋渡しする。そう考えると少し格好良い。
実際には倉庫で汗だくになったり、値段の付かない置物を抱えて頭を抱えたりすることも多いのだが、それはそれで人生である。太宰府を後にしながらふと思う。学問の神様の町で今日学んだこと。
それは人間というものは、結局のところ集めるのが好きだということだ。
知識を集める人。お金を集める人。肩書きを集める人。そして骨董品を集める人。
集めた先に何があるのかは分からない。だが、それぞれの人生の跡がそこに残る。
今日見た数々の品物も、持ち主の人生そのものだった。そう考えると骨董屋という仕事は面白い。
物を見ているようで、実は人を見ているのである。そんなことを考えながら車を走らせる。
助手席の相方は既に次の買取依頼の話をしている。どうやら明日も忙しくなりそうだ。
六月の爽やかな風が窓から吹き込む。湿気の少ない梅雨も悪くない。
もっとも売上まで爽やかにならないことだけを祈りながら、私は次のお宝探しへ向かうのであった。
この少女のブロンズ像については下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。
買取品の詳細

◇このブロンズ像「大道寺光弘 木漏れ日の中で…」という作品です。とても上品な姿勢でしなやかな手や洋服の皺の一本一本まで繊細に施されているアンティークなブロンズ像です。少女の表情もなにか希望を見つけたような爽やかな表情ですね。作品は77/1000の刻印があり初期の作品だと思われます。洋室の窓際や木製の棚の上、またはアンティークなコレクションケースの上に置くと似合いそうな骨董品的な彫刻作品でした。状態もとてもよく、古いブロンズによくみられる変色などは見受けられません
買取査定額

◇ブロンズ像の買取査定額もしくは評価額ですが第一に作者の知名度と作品の人気度、次に時代や状態、ほかには刻印や栞、鑑定書があればより高価買取&できます。ご自宅にブロンズ像や彫刻の品物が御座いましたら一度拝見させてください。もちろん状態や時代、作者、作品でもお値段は変わりますのでご了承ください。
■過去の大道寺光弘の作品買取例
ブロンズ少女像「藍色の風」 200,000円
「透明の時」ブロンズ 150,000円
ブロンズ銅 美人女性像『潮風の唄』100,000円
『奏風』ブロンズ像 80,000円 他多数
大道寺光弘とは?

大道寺光弘は、現代日本を代表するブロンズ彫刻家の一人であり、特に少女像や女性像を中心とした叙情豊かで繊細な作品で知られています。ブロンズという硬質な素材を用いながらも、柔らかな表情や温かな感情を見事に表現する作風によって、多くの愛好家やコレクターから高い評価を受けています。今回の買取品もとても表情豊かな作品でした
現在は富山県高岡市とニューヨークを拠点に活動しており、高岡銅器の伝統的な鋳造技術と国際的な芸術感覚を融合させた作品を制作し続けています。
略歴
大道寺光弘は1953年、北海道に生まれました。幼少期から造形に親しみ、人物の持つ生命感や表情に強い関心を抱いていたといわれています。
1985年に単身アメリカへ渡り、ニューヨークで本格的に彫刻を学びました。当時のニューヨークは現代美術の中心地であり、世界中から才能ある芸術家が集まる刺激的な環境でした。大道寺はそこで西洋彫刻の技法や人体表現を研究し、自らの作風を磨いていきます。
1986年には「INTERNATIONAL ART COMPETITION NY’86」に出品し、翌1987年には同コンクールでゴールドメダルを受賞しました。この受賞によって国際的な評価を獲得し、ニューヨーク・ソーホーで企画展も開催されています。
さらに1993年には足立区野外彫刻展で入賞し、作品が買い上げられました。この頃から国内でも注目を集めるようになり、日本と海外を往復しながら創作活動を続けるようになります。
作風の特徴
1. 女性像・少女像の名手

大道寺作品を語るうえで欠かせないのが女性像です。
特に少女や若い女性を題材とした作品が多く、無邪気さや純真さ、そして生命の輝きをテーマとしています。単なる人体表現ではなく、見る人に優しさや安らぎを与える精神性が特徴です。そしてその表情が他の作家には出せない技術があります。
2. ブロンズとは思えない柔らかさ
ブロンズ彫刻というと重厚で硬い印象がありますが、大道寺作品は非常に柔らかい印象斗見る人に豊かさを与えます。頬の丸みや指先の動き、風に揺れる髪の毛の流れまで繊細に表現されており、「金属なのに温もりを感じる」と評されることも少なくありません。
3. 風や光を感じる表現
大道寺作品には「風」を題材としたものが多く見られます。
髪や衣服の動きによって風の存在を表現し、静止した彫刻でありながら時間の流れを感じさせます。作品名にも「藍色の風」「潮風の唄」「奏風」など、風を想起させるものが多くあります。今秋の作品は「木漏れ日…」という時間が止まった中での作品でとても見る方にとっては想像を働かせる作品でした
代表作品
「透明の時」
大道寺光弘の代表作として最も知られる作品の一つです。
小鳥と戯れる若い女性をモチーフにした作品で、「現代のヴィーナス像」とも称されています。しなやかな身体表現と穏やかな表情が見事に調和し、大道寺作品の魅力が凝縮されています。
作品からは少女の純粋さと未来への希望が感じられ、多くのコレクターに愛されています。
「藍色の風」
柵にもたれながら風を受ける女性を表現した作品です。
風に揺れる髪や衣服の表現が巧みで、彫刻でありながら周囲の空気感まで感じさせます。大道寺が得意とする「風の表現」の代表例といえるのではないでしょうか。
「潮風の唄」
海辺に吹く風を感じさせる女性像で、大型作品としても知られています。
穏やかな表情と自然との調和が美しく、詩情豊かな世界観を持っています。
「奏風」
バイオリンを題材とした作品で、音楽と風のイメージを融合したブロンズ像です。
静かな空間の中に音楽が流れてくるような感覚を生み出し、人物像以外のテーマにも優れた表現力を発揮していることが分かります。
「小さな友だち」「FRIENDS」
少女と犬との触れ合いをテーマにした作品です。
少女と動物の間に流れる信頼や愛情が丁寧に表現されており、見る人を自然に笑顔にさせる魅力があります。大道寺作品の「優しさ」を最もよく示す作品群といえますね。
肖像彫刻家としての一面
大道寺光弘は一般向けのブロンズ作品だけでなく、肖像彫刻の分野でも活動しています。
肖像彫刻では「楢原北悠(ならはら ほくゆう)」の名を用い、胸像や記念像なども数多く制作しています。人物の特徴を的確に捉える観察力と写実力は、美術関係者の間でも高く評価されています。興味がある方は所蔵される美術館に足を運ぶのも良いかともいます。
骨董市場での評価

骨董品・美術品・アンティークの市場において大道寺光弘の作品は安定した人気があります。
特に、
- 「透明の時」
- 「藍色の風」
- 「小さな友だち」
- 「FRIENDS」
などの女性像・少女像は需要が高く、共箱や栞などの付属品が揃っている作品は高評価を受けやすい傾向があります。また、高岡銅器の優れた鋳造技術によって制作されているため、美術工芸品としての完成度も高く評価されています。
■参考サイト
高岡銅器展示館
■その他の買取品目
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