福岡市西区でアンティークなラリックの猫を買取りました!
◇骨董品買取の福岡玄燈舎です。梅雨のジメジメとした季節、如何お過ごしでございましょうか?玄燈舎の鑑定マスター、毎日の査定&買取ライフを謳歌しておる次第でございます。世間では公務員の皆様がボーナスでウキウキとお買い物を楽しんでおられる中、私は目の前のお宝に無我夢中の「ワクワクドキドキ」なのでございます。
さて、今回の骨董品出張査定は福岡市西区の小高い住宅地へやって参った次第でございます。こちらのお宅は友人からのご紹介で、おじい様が長年かけて収集された西洋の陶器や日本の茶器、茶道具、そしてブロンズ像など、約60品の品々の買取依頼をいただきました。到着するや否や、おじい様の収集品に囲まれて、まるでタイムスリップしたかのような気分に浸ったのでございます。骨董品、古美術品、アンティークなどがずらりと並び、その一つ一つに歴史と物語が詰まっている様は、まるでデパートのウィンドウショッピングをしているかの如くでございました。その中でも、私の目を惹いたのは「ラリック」のアンティークの猫の置物でございました。これはまさに「ねこじゃらしにゃんこ」でございます。顔つきがなんとも穏やかで、どことなく大正時代の外国の映画スターのような風格を感じました。フォルムも柔らかく、思わず「にゃんとも素敵!」と声を上げてしまったのでございます。10年前の地震で両耳が欠けてしまったのは誠に残念でございますが、そのキュートさにはノックアウトされたのでございます。おっとりとした姿、愛らしい顔、そして柔らかなフォルムは、なんとなく我が家の猫ちゃんに似ていて、一瞬で心を奪われたのでございます。結果、その可愛らしさには抗えず、高価買取をさせていただいたのでございます。このお品は後ほど詳しく少し真面目にご紹介させて頂きます。
さらに、査定中には中国の掛軸やチベットの仏像、書道具なども次々と出てきて、まるで宝の山を掘り当てたような気分になったのでございます。特にチベットの仏像は、その神秘的なオーラに圧倒され、思わず「ご利益ありそう!」とつぶやいてしまったのでございます。おじい様のコレクションには、一つ一つに愛情が込められており、その価値を最大限に評価させていただいたのでございます。おじい様との会話も弾み、まるで昔ながらの駄菓子屋でおしゃべりを楽しんでいるかのようなひとときでございました。
買取品の詳細
◇この「ラリックの猫」はラリックおなじみの技法で摺ガラス風に作られておりました。フォルムもリアルで猫独特の温かさがにじみ出ておる逸品でございます。ぱっと見は「眠り猫」とも思いましたがお顔の目はしっかりと開かれておられました。…少し漫画チックですが。
状態は箱や栞もついておりましたが前回の地震で棚から落ちて両耳を破損したそうな…さぞ痛かったでしょうに…どうかご自愛くださいませと心の中で呟きました。
買取査定額
◆ラリックの買取査定額もしくは評価額ですがまず第一に人気作品と製作年代、次に状態、付属品の有無などでより高価買取&できます。今回の猫は耳が欠けておりますが付属品もありましたので高価買取させて頂きました。ありがとうございました。尚、完品で箱付きの場合は4~8万円の買取価格になりますのでご自宅や倉庫にラリックなどアンティーク品や骨董品がありましたら是非、骨董品買取の福岡玄燈舎にお声掛け下さい。宜しくお願い致します。
■過去のラリック作品買取例
ルネ・ラリックアールデコ期エナメル彩色花瓶 700,000円
ルネラリック・1920年 400,000円
ルネ・ラリック 「立像タイス」1925年 250,000円
ルネ・ラリック(1860-1945)トンボのラジエーターキャップ 200,000円 他多数
ラリックとは?
ラリックは、フランスの著名なガラス工芸家であり、ジュエリーデザイナーでもあります。彼の作品は、アール・ヌーヴォーとアール・デコという二つの主要な芸術運動の影響を受け、その美しさと技術の高さで世界中に広く認知されています。ラリックの歴史と代表作品、そして時代別の特色について詳しく見ていきましょう。
初期のジュエリー時代(1880年代-1900年代)
ラリックは1880年代にジュエリーデザイナーとしてキャリアをスタートさせました。彼は最初、宝飾品のデザインと製作を行い、ユニークなデザインと技術で高い評価を得ました。彼のジュエリーは自然界からインスピレーションを受けた有機的な形状とモチーフを特徴としており、花や動物、女性の姿が多く描かれています。この時期の代表作品としては、エナメルと宝石を用いたブローチやネックレスが挙げられます。
ガラス工芸への転向(1900年代-1920年代)
1900年代に入ると、ラリックはジュエリーからガラス工芸に関心を移し始めました。彼はガラスを用いた装飾品や日用品の製作に専念し、1910年には自らの工場を設立しました。ラリックのガラス作品は、光と色の効果を巧みに利用したデザインが特徴であり、アール・ヌーヴォーの影響を色濃く受けています。この時期の代表作品には、花瓶や香水瓶、シャンデリアなどがあります。
代表作品…
香水瓶「コティ」
ラリックはフランスの有名な香水メーカー、コティ(Coty)とのコラボレーションにより、多くの美しい香水瓶をデザインしました。これらの香水瓶は、繊細なエッチングやフロスト加工が施されており、ラリックの卓越した技術と美的センスを象徴しています。
花瓶「Serpent(蛇)」
1924年に制作されたこの花瓶は、アール・デコの影響を強く受けた作品です。蛇のモチーフが絡み合うデザインは、力強さとエレガンスを兼ね備えており、ラリックのガラス工芸の中でも特に高い評価を受けています。
シャンデリア「Comète(彗星)」
ラリックのシャンデリアは、その壮麗さと華やかさで知られています。特に「Comète」は、星と彗星をテーマにしたデザインが特徴で、光がガラスを通して放たれる美しい光景が魅力です。当店でもラリックを模したアンティークシャンデリアが幾つかありますがやはり本物とはデザインや輝きが違いますね。
時代別の特色
アール・ヌーヴォー時代(1890年代-1910年代)
アール・ヌーヴォー時代のラリックの作品は、自然界のモチーフを取り入れた有機的なデザインが特徴です。この時期の作品には、植物、花、昆虫、そして女性の姿が多く描かれています。ラリックはエナメル、象嵌、宝石などの多様な素材を巧みに組み合わせ、独自の美しいジュエリーやガラス作品を生み出しました。
アール・デコ時代(1920年代-1930年代)
1920年代に入ると、ラリックはアール・デコの影響を受けた作品を多く制作するようになりました。アール・デコ時代の作品は、幾何学的なデザインと洗練されたエレガンスが特徴です。この時期のラリックのガラス作品には、花瓶、照明器具、彫刻などが含まれます。特に、シャンデリアや花瓶は、アール・デコの代表的なデザイン要素である直線的でシンプルな形状と、高度な技術を駆使した装飾が融合したものが多く見られます。
戦後の作品(1940年代以降)
第二次世界大戦後、ラリックの作品は再び新しい方向性を模索し始めました。戦争による資材不足や経済状況の変化も影響し、この時期の作品はよりシンプルで実用的なデザインが多く見られます。しかし、ラリックの独特の美学と技術は変わることなく、依然として高い評価を受けています。
今回の「猫」も戦後の作品ではありましたが「アールデコ」期のエッセンスが感じられる作品でした。ありがとうございました。
★ルネ・ラリック作品 真贋の見分け方
はじめに
ルネ・ラリックは、20世紀初頭に活躍したフランスのガラス工芸家です。繊細で美しいデザインの宝飾品や花瓶などの作品は、コレクターズアイテムとして大変人気があります。しかし、人気と比例して偽物も多く出回っており、購入を検討する際には注意が必要です。ここでは、ルネラリック作品の本物と偽物を見分けるポイントを、画像付きで詳しく解説します。
1. サイン
ルネラリック作品には、一般的に以下の3種類のサインが見られます。
- 陽刻サイン: 型を用いてガラス表面に刻印されたサインです。最も一般的なサインで、R. LaliqueとFranceの文字が陽刻されています。
- エッチングサイン: 酸を用いてガラス表面を削って刻印されたサインです。R. Laliqueの文字が繊細な線で描かれているのが特徴です。
- モールドサイン: 型そのものに刻印されたサインです。作品の裏面などに小さく見られます。
サインのフォントや大きさ、位置などは作品によって異なりますが、本物のサインは歪みや不自然さがないのが特徴です。
偽物のサインは、フォントが違っていたり、歪んでいたり、不自然な位置にあったりするなど、本物とは異なる特徴が見られます。
その他…
- R. Lalique:最も一般的なサインです。1902年から1946年までの作品に多く見られます。
- Lalique:1946年以降の作品に多く見られます。
- R. Lalique France:1923年から1945年までの作品に多く見られます。
- Lalique France:1945年以降の作品に多く見られます。
偽物のサインは、本物と比べて字体が歪んでいたり、不自然な位置に刻まれていたりすることがあります。
また、「Made in France」などの表記がある場合は、ほぼ確実に偽物です。ルネラリック作品は、フランス製であっても「Made in France」という表記はされていません。
2. ガラス
ルネラリック作品は、高品質なガラスで作られています。
本物のガラスは、透明度が高く、気泡や傷などが少ないのが特徴です。
一方、偽物のガラスは、透明度が低かったり、気泡や傷が多かったりします。
また、ルネラリック作品は、光にかざすと独特の光沢を放ちます。
偽物のガラスは、光沢が弱かったり、不自然な光沢を放っていたりします。
3. 重量
ルネラリック作品は、厚みのあるガラスで作られているため、見た目よりも重厚感があります。
本物の作品は、手に持っただけでずっしりとした重みを感じることができます。
一方、偽物の作品は、薄っぺらかったり、軽すぎたりします。
4. ディテール
ルネラリック作品は、繊細で緻密なディテールが特徴です。
動物や植物などのモチーフは、生き生きと表現されています。
一方、偽物の作品は、ディテールが粗雑だったり、不自然だったりします。
また、本物の作品には、研磨の跡が残っている場合があります。
偽物の作品は、研磨が不十分だったり、研磨の跡が残っていなかったりします。
5. 付属品
ルネラリック作品には、オリジナルのボックスや証明書が付いている場合があります。
本物のボックスは、高級感のある素材で作られており、ルネラリックのロゴが刻印されています。
証明書には、作品名、制作年、シリアルナンバーなどが記載されています。
偽物の作品には、オリジナルのボックスや証明書が付いていない場合や、粗悪な作りのものが多いです。
◎関連、参考サイト
-
- 東京都庭園美術館:https://www.teien-art-museum.ne.jp/en/
- 箱根ラリック美術館:https://www.lalique-museum.com/
- 成田美術館:http://www.keihanhotels-resorts.co.jp/
- サントリー美術館:https://www.suntory.com/sma/
■その他の買取品目
★骨董品買取の福岡玄燈舎では古美術品の他、アンティークや掛軸、茶道具、書道具、絵画、仏像、勲章、中国陶磁、甲冑など多彩な骨董品を査定買取しております。お見積りだけでも構いませんのでお気軽にご相談ください。