スクエアなフローラダニカです/アンティークの買取は福岡玄燈舎
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福岡県太宰府市でロイヤルコペンハーゲン(フローラダニカ)を買取りました!

◆今年の夏は、日本地図の天気予報がまるで赤インクをぶちまけたような色をしている。その中でも太宰府あたりは、もう「暑い」などという言葉では足りない。三十九度と聞いても誰も驚かず、「今日は少し楽ですね」と言う人までいる。昔なら熱が出たら寝込む体温で、皆が普通に買い物へ出かけているのだから、人間という生き物は案外いい加減にできている。

そんな太宰府には、実は三年前まで当店も店を構えていた。商売というものは、引っ越しても縁までは荷造りできないらしい。「あの店、昔ここにありましたよね。」そんな一言から骨董品の出張査定の話が舞い込み、炎天下を車で走ることになった。

到着した先は坂道の頂上だった。古い町というのは不思議なもので、なぜか本当に価値のあるものほど坂の上にある。こちらは汗をかきながら登るが、骨董は涼しい顔で何十年もそこにいる。

玄関先で迎えてくださったご主人が「ここは住んでいる家じゃないんですよ」と言う。聞けばコレクション専用の建物だという。

世の中には別荘を持つ人がいる。車庫だけが立派な人もいる。しかし骨董品好きという人種は、それらを一歩通り越して、古い物のためだけに家を建ててしまう。人間より物のほうが住環境が良いのである。もっとも、長生きしているのは物のほうだから、それも案外理にかなっているのかもしれない。

中へ入ると、まるで時代も国境も迷子になったような空間だった。

江戸期の染付があり、その隣にはヨーロッパの磁器が並び、振り返れば中国美術品が静かに鎮座している。何百年も前には互いの存在すら知らなかった品々が、今では一つの棚の中で肩を並べている。国際交流とは案外、政治家より骨董品のほうが先輩なのかもしれない。

こういう部屋に入ると、骨董屋は目だけ忙しくなる。

「査定はこちらです。」

そう言われて案内されたのは洋食器のコーナーだった。

一箱ずつ蓋を開ける。

箱というものは面白い。開ける前までは期待だけが詰まっている。開けた瞬間に現実になる。

最初に姿を現したのはマイセン。

続いてウェッジウッド。

さらにバカラ。

どれも骨董品やアンティーク市場では説明のいらない優等生たちである。学校で言えば通知表に「たいへんよくできました」と書かれ続けてきたような顔をしている。

ところが、その日の主役はまだ奥に控えていた。

慎重に包みをほどくと現れたのは、ロイヤルコペンハーゲンのフローラダニカ。

花の図鑑をそのまま磁器に閉じ込めたような気品である。

昔の職人は実に気が長い。今なら「納期が厳しいので、この花は簡略化しましょう」と会議で決まりそうなところを、一輪一輪、律儀に描き込んでしまう。効率という言葉がまだ偉くなかった時代だからできた仕事である。しかも現在、高嶺の花の24金の縁取りだ。

査定額は自然と高くなった。

もっとも、高額査定という言葉は、売る側には幸福だが、買う側には覚悟という意味でもある。

ご主人は満足そうに頷き、こちらは電卓を見つめながら心の中でそっとため息をつく。

骨董屋という商売は、買った瞬間が一番怖い。

お客様には「ありがとうございます」と笑顔で言うが、胸の内では「頼むから次のお客様も、この価値を分かってください」と骨董市場の神様にお願いしている。

高く買えば英雄ではない。

高く売れて初めて英雄になれる。

その間はただの荷物持ちである。

もっとも、商売というものは面白い。安い物ばかり集めても店はつまらないし、高い物ばかり集めれば夜眠れなくなる。

結局、骨董屋は品物だけでなく、自分の度胸まで仕入れているようなものだ。

査定が終わる頃には外の日差しは少しだけ傾いていた。

それでも暑さは相変わらず容赦がない。

昔の人は「涼」を求めて風鈴を吊るし、簾を掛け、打ち水をした。

現代人はエアコンの室外機を増やして、さらに外を暑くする。

文明というものは、便利になるほど遠回りを覚えるらしい。

帰り道、車には今日買い取った食器や銀のカトラリーが静かに積まれていた。

何十年も、あるいは百年以上、大切にされてきた品々である。

新品は店頭で値札を付けられる。

骨董品は、人から人へ渡るたびに物語が一枚ずつ増えていく。

だから値段だけでは測れない。

もっとも、その物語を仕入れ値以上で売れるかどうかは、また別の話である。

商売は最後まで現実だ。

それでも、良い品物との出会いは、少しくらい財布を軽くしても気分を豊かにしてくれる。

坂を下りながら、「さて、この仕入れをどう料理しようか」と考える時間が、実は骨董屋にとって一番贅沢なのかもしれない。

暑さは相変わらず三十九度。

財布は少し軽くなった。

車は少し重くなった。

そして骨董屋だけが、今日もそんな理不尽を「良い一日だった」と呼んでいる。

淡い桃色が上品な絵付けですね/骨董品の買取は福岡玄燈舎
淡い桃色が上品な絵付けですね

買取品の詳細

◇今回買取した「フローラダニカ」は裏の刻印より判断して1950年代の製作で状態もよく傷もありませんでした。古い割にペイントロスや金彩の剥げもなく」極美品です。普通のお皿ではなくスクエアで菓子器として製造されていたアンティークです。コレクションとして壁に掛けられるとお部屋とても上質に」優雅に生まれ変わることは間違いありません。それほど貴重な西洋骨董のお品であります。ありがとうございました。

買取査定額

純金の縁取りです/西洋骨董の買取は福岡玄燈舎
純金の縁取りです

◇古いフローラダニカの買取査定額もしくは評価額ですがまず時代や状態、形状や大きさ、ほかには刻印、サインなどあればより高価買取&できます。ご自宅にフローラダニカやロイヤルコペンハーゲンが御座いましたら一度拝見させてください。もちろん状態や時代、作者、作品でもお値段は変わりますのでご了承ください。

 

■過去の作品買取例

フローラダニカ アイスクリームディッシュ 700,000円
フローラダニカ カップ 6客セット 500,000円
フローラダニカ ティーポット400,000円
フローラダニカ コーヒーポット 350,000円 他多数

フローラダニカとは?

裏に花の名前や刻印やサインがあります/骨董品の買取は福岡玄燈舎
裏に花の名前や刻印やサインがあります

 

◆ロイヤルコペンハーゲンを代表する最高級シリーズ「フローラ ダニカ(Flora Danica)」は、単なる高級食器ではありません。18世紀ヨーロッパの啓蒙思想、植物学、王室外交、そして卓越した磁器技術が結実した、世界でも類を見ない芸術作品です。現在でも一つひとつが熟練職人の手仕事によって制作され、世界中のコレクターから「磁器芸術の頂点」と称されています。

〇誕生の背景 ― 植物図鑑から始まった壮大な計画

フローラ ダニカの起源は1752年にまで遡ります。

当時のデンマーク王フレゼリク5世は、国内に生育するすべての植物を記録した国家的植物図鑑の制作を命じました。その編纂を担当したのがドイツ出身の植物学者 Georg Christian Oeder(ゲオルク・クリスティアン・エーダー)です。

1761年から刊行が始まった植物図鑑『Flora Danica』には、植物を極めて精密に描いた銅版画が収録され、その美しさはヨーロッパ中で評判となりました。最終的には122年をかけて約3,240種類もの植物が収録される一大植物図鑑となります。

この植物図鑑こそが、後にフローラ ダニカの絵付けの原本となるのです。

〇王室外交が生んだ「世界一豪華なディナーサービス」

1790年、デンマーク王室はロシア皇帝 Catherine II(エカチェリーナ2世)への外交贈答品として、前例のない豪華なディナーサービスを制作することを決定しました。

ロシアとスウェーデンの戦争に際し、同盟国デンマークが十分な軍事支援を行えなかったことへの和解の意味も込められていました。

王は

「世界でもっとも美しい磁器を作れ」

という命令を下し、王立磁器製作所が総力を挙げて制作に取り掛かります。

しかし、制作途中でエカチェリーナ2世が死去したため、このサービスがロシアへ渡ることはありませんでした。その後はデンマーク王室が所有し、現在も国宝級文化財として大切に保存されています。

〇制作を支えた代表的人物

フローラ ダニカ最大の功労者が、

Johann Christoph Bayer
(ヨハン・クリストフ・バイヤー)

です。

彼は植物図鑑『Flora Danica』の銅版画制作にも携わった植物画家であり、その知識を生かして磁器への絵付けを担当しました。

約12年間という長期間にわたり制作を続け、

  • 約1,800点もの作品
  • 100人分のフルディナーサービス

をほぼ一人で完成させたと伝えられています。

膨大な細密画制作によって視力を失い、健康を害したという逸話も残っており、彼の人生そのものがフローラ ダニカへ捧げられたといっても過言ではありません。

〇フローラ ダニカ最大の特徴

① 一枚ごとに異なる植物

フローラ ダニカ最大の特徴は、

同じ絵柄がほとんど存在しない

ことです。

植物図鑑に掲載された約3,000種類の植物から、一点ごとに異なる植物が選ばれます。

つまり、

  • バラ
  • スミレ
  • ラン
  • シダ
  • コケ
  • 野草

など、すべて別々の植物が描かれているため、同じシリーズでも世界に一つだけの作品になります。

② 植物学的な正確さ

花を美しく描くだけではありません。

植物学者が見ても判別できるほど正確に、

  • 葉脈
  • 花粉

まで忠実に再現されています。

そのため芸術作品であると同時に植物学資料としても価値があると言われています。

③ ラテン語名が裏面に記される

裏面には

  • 描かれた植物のラテン語学名
  • 花絵師のイニシャル
  • 金彩師のイニシャル
  • ロイヤルコペンハーゲンの三本波マーク

が記されています。

これにより、誰が絵付けを担当した作品なのかまで確認できます。

④ 24金による豪華な縁取り

縁には24金による金彩が施されます。

さらに縁の波打つレース状の造形もすべて手仕事です。

この優雅な輪郭がフローラ ダニカ独特の存在感を生み出しています。

〇制作工程…

現在でもフローラ ダニカは完全な工業製品ではありません。

一つの作品が完成するまでに

  • 成形
  • 素焼き
  • 下処理
  • 釉薬
  • 本焼成
  • 花絵付け
  • 焼成
  • 金彩
  • 再焼成

など多くの工程を経ます。

一つの作品は少なくとも8回焼成され、およそ30人もの職人の手を経て完成します。現在、この技術を担える職人・絵師は世界でも20人に満たないとされています。

〇歴代の著名な芸術家

フローラ ダニカそのものは個人デザイナーではなく、代々の王立磁器工房の花絵師によって受け継がれてきました。

代表的人物として挙げられるのは、

  • Johann Christoph Bayer(初代花絵師)
  • Arnold Krog(19世紀後半、ロイヤルコペンハーゲン全体の芸術改革を主導)
  • 現代の熟練花絵師・金彩師たち(作品裏面にイニシャルが記される)

です。

特にアーノルド・クロッグはフローラ ダニカを直接デザインした人物ではありませんが、ロイヤルコペンハーゲンの芸術性を世界的評価へ押し上げた芸術監督として重要な存在です。

〇王室との深い結びつき

完成したサービスは19世紀以降、

  • 国王の誕生日
  • 王族の婚礼
  • 外交晩餐会

など限られた国家行事でのみ使用されました。

1990年の王妃イングリッドの誕生日晩餐会が、王室で使用された最後の公式記録とされ、その後は保存を優先して主に展示されています。

〇現在のフローラ ダニカ

現代でも注文生産が続いており、

  • 約3,000種類の植物
  • 約40種類の器形

から組み合わせを選ぶことができます。

同じ植物を指定することもできますが、絵付けは職人の手描きであるため、まったく同じ作品は存在しません。これがフローラ ダニカの最大の魅力でもあります。

参考サイト

ローゼンボー城

アマリエンボー宮殿

クリスチャンスボー城

■その他の買取品目

 

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