福岡市早良区で津軽びいどろ鉢を買取りました
買取品の詳細
今回は福岡市早良区のお宅へ骨董品の無料出張査定にお伺い致しました。買取品は掛軸や茶道具の鉄瓶や茶碗、棗や菓子鉢などなどありました。本日、ご紹介する茶道具は「大川薫」の玻璃菓子鉢です。玻璃茶碗の玻璃(はり)というのはガラスのことで、写真でも分かるようにお品物はガラスの菓子鉢です。ガラスの菓子鉢というのは夏に好まれる茶道具で、他にガラスの水指やガラスの鉢なども当店ではよく、買取させて頂きます。尚、ガラスを指す言葉は多く、玻璃の他に琉璃(るり)や硝子(しょうし)、ビードロ等もガラスを意味します。また茶道具では義山(ぎやまん)という呼称もよく使われます。江戸時代に外国から輸入されたガラス作品を模したものは箱書きに「ギヤマン」とあるのをよく見かけますね。今回の作品は少しポップな感じがあり花びらを写した可愛い模様が印象的なガラス鉢です。色のついたところ以外の余白は透明なガラスの部分とサンドブラストといわれる技法を用いた摺りガラスがとても上品ですね。このお品は直径約30cmでとても使いやすく書ケースに飾っておいて光を入れるとなお一層色ガラスと摺りガラスが優しく溶け合う感が綺麗な作品でした。ありがとうございました。
大川薫について…
大川薫は青森県を拠点に活躍したガラス作家です。伝統的な吹きガラスやベネチアングラスの技法を巧みに操り、制作拠点の青森県津軽地方の自然をテーマにした作品や、茶室の空間に映える上品な玻璃茶道具を制作しました。大川は1940年に新潟県で生誕しは、武蔵野美術大学で工芸デザインを学び、卒業後に青森県へ移住しガラス会社・北洋硝子に入社します。北洋硝子は1977年に自社ブランドの津軽びいどろを創始し、のちに青森県伝統工芸品の指定も受け、現在でも伝統工芸士と若い硝子職人が多数腕を振るっています。尚、大川さんは青森県の名所をガラス工芸で表現し、モザイク状の模様や、津軽海峡の波のうねりを表現した「津軽百景」という作品群を制作しました。
1940年 新潟県に生まれる
1964年 北洋硝子株式会社に入社
1986年 青森県芸術文化報奨を受賞
1990年 東北ガラスアート展にて第一部大賞を受賞
1991年 第一回日本ガラスアート展旭硝子賞を受賞
2006年 北洋硝子株式会社の顧問に就任する
2008年 逝去
気になる買取査定額
今回のお品物の作者は津軽びいどろを作られる大川薫さんです。
津軽びいどろは紀元前一世紀頃から受け継がれてきた宙吹きの技法で、流麗なガラスの美を創りあげてきました。
その確かな技から青森県の伝統工芸品にも指定されています。大川薫さんは各地個展やガラス展への出品を行いました。また東北ガラスアート展で大賞を受賞するなど広く活動されています。もちろん香炉や水指、茶碗など茶道に用いられる茶道具の制作も多数行っており、当店でも人気のガラス作家の方です。平均買取価格は今回の菓子鉢では、2万円前後となっています。色合い、大きさや備品の有無など総合的な状態にもよります。ご自宅に大川薫の作品が御座いましたら一度拝見させてください。もちろん状態でもお値段は変わりますのでご了承ください。
■過去の大川薫作品 買取例
◎玻璃水指 墨流… 40000円
◎玻璃水指 ベネチアン…35000円
◎瑠璃花入 …30000円
◎玻璃茶入 花文…25000円
◎玻璃香炉…20000円
まるで果物の中心に様ですね
花びらもとてもリアル
■大川薫の代表的な作品です。
ねぶたまつり…祭りの熱気を表すような、赤の効いたカラフルな作品
津軽海峡…深いブルーをベースに波のうねりを感じさせるマーブルの渦が特徴
新緑・奥入瀬…雪解けの春、明るい陽の光に輝く新緑のグリーン
白神山・黄葉…白神山地のブナ林を一面覆う晩秋の黄色
十和田・紅葉…湖畔の明るい橙の紅葉、湖面の青が表現される作品
★津軽びーどろとは…津軽びいどろは陸奥湾近辺で作られていた漁業用浮玉の製法を応用して作られるようになったガラス工芸品です。津軽半島の西側にある七里長浜の砂を材料に、古来からある難易度が高い「宙吹き」の技法を用いて生み出されたのが始まりだそうです。
その技法はまず1500度の高温で材料を溶解し、成形温度1200度という灼熱の中で真っ赤に溶けたガラスは、吹き棹に巻き取られ職人に息を吹き込まれることによって四季折々の色合い、豊かなかたちと温かさを持った工芸品に姿を変える作品になりました。現在では従来の緑色だけでなくピンク・赤・黄・白などカラフルで実用的な商品も作られているもようです。最初、当時は他にも浮玉を製造する工場がありましたが、北洋硝子の吹き上げる浮玉は他に比べ丈夫という評価を頂き、1973年には国内トップの生産高となった会社です。その後は、浮玉がプラスチック製に切り替わったことから、長年の浮玉製造で培った「宙吹き」の技法を用いて大ぶりな花器などを生産しました。また青森という交通が不便な地理的条件もあり、それを逆手にとって色ガラス等の原料も自社で調合して補ってきました。さらにはその成形技術と色ガラスを掛け合わせた工芸品として、遂に1977年に『津軽びいどろ』が完成しました。職人さんたちは技術開発にも力を注ぎ、美しい色ガラスの調合や、高い技術を要する技法もほぼ独学で習得するなど、現在では青森県伝統工芸品の指定を授けられました。
◎関連、参考サイトは
■津軽びいどろコチラです。
■北洋硝子コチラです。
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