福岡市城南区で古瀬戸焼の水指を買取りました
古瀬戸の写しです
とても良い釉薬が掛かっています
買取品の詳細
今回は福岡市城南区の閑静な住宅地に茶道具の出張査定にお伺い致しました。買取品は茶掛けや棗、茶入れや茶碗や鉄瓶、茶釜などありました。本日紹介する茶道具は「古瀬戸の水指」です。お茶道具としての状態はヒビや傷ももなく時代の割には良い方でした。本来古瀬戸は鎌倉・室町時代に愛知県瀬戸地方を中心として焼かれた陶器です 。表面を鉄釉を基調とした黄褐色や黄緑色の釉 (うわぐすり) でおおっているものが基本的な焼物です。釉下に草花文や幾何文を刻線や印文で表わしたり,また張付文様で飾ったものもあるようですが器形は初期の頃は水瓶,仏花器,香炉,茶碗など社寺用品であったようです。作品は木製の漆蓋にきっちり収まる味のある「祥楽銘」の瀬戸焼の水指です。古瀬戸の写しとありますが古手のもので明治期といったところでしょうか?そのほかの古い鉄瓶や棗もたくさん買取させていただきました。本当にありがとうございました。
立ち姿も綺麗です
裏には祥楽銘があります
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買取査定額
見た目よりはかなり薄造りです
古瀬戸の買取相場ですが真贋、時代や景色、刻印、元箱の有無でかなり差があります。瀬戸焼の中でも古瀬戸と呼ばれる品は時代が古く、一般的な瀬戸焼よりも価値が高くなります。古瀬戸の価値は時代や状態、種類などによっても大きく異なりますが、安くても2万円以上、古い物であれば15万円以上になることもあります。特に、カセのある古瀬戸は一見して古いものであることがわかるため、古瀬戸の中でも高い価値がつく傾向があります。尚、カセとは釉薬の表面に入った細かいヒビから水分がしみこんだり温度差で膨張や収縮を起こしたりすることでおこる釉薬の剥離のことです。釉薬が一部だけ剥がれているため、一見すると価値が低い傷物のように感じられますが、古瀬戸の特徴の一つであり魅力でもあります。今回の古瀬戸の写し水指は時代もそこまで古いものではない為「カセ」は見受けられませんでした。
■過去の古瀬戸作品買取例
古瀬戸印花文四耳壺 300,000円
古瀬戸 藤四郎 茶入 250,000円
古瀬戸伯庵手茶碗 150,000円
古瀬戸 鉄絵染付 蛙図 石皿 145,000円
古瀬戸 染付 花鳥図 時代壺 100,000円
古瀬戸とは?
中ほどに入った味のある釉薬です
日本の陶磁器の歴史の中で、古陶器は一般的には「六古窯」(ろっこよう)という言葉で表されていますが、それらは古瀬戸以外では「常滑」「信楽」「丹波」「越前」「備前」で、古瀬戸もあわせて「六古窯」と呼んでいます。そして古瀬戸は鎌倉時代の武士階級の中でも特に北条家を中心とした上流社会に庇護され、使用されてきた由緒ある焼き物ですので、器体全体に釉薬が塗られ、高級感にあふれています。中世古窯で全面に釉薬を掛けていたのはこの古瀬戸だけです。
水差しの蓋は木製で漆が掛かっています
古瀬戸は釉薬の色が、薄いグリーンと鉄分の入った茶色系の釉薬の二種類です。その他の特徴は、鵜の斑(うのふ)です。これは東海地方の焼き物の特徴でもありますが、釉薬の元である赤松の灰の中に、わら灰の灰が混じったためにできる現象です。白く、ところどころ青みをおびたうつくしい釉薬はとても魅力的なものです。そして最後に先に挙げた「カセ」ですね。
鎌倉時代初期からは山茶碗と併せて、四耳壺・瓶子・水注を中心とした「古瀬戸」と呼ばれる新たな施釉陶器の生産が開始されます。この時期、鎌倉や東海地方の寺院からの瓦・仏具・蔵骨器等の需要が増えたため、古代の猿投窯から分派・成長した中世の瀬戸窯のほか、猿投窯、知多窯、渥美窯、湖西窯等では、需要に応じそれぞれ特色ある製品を生産しています。なかでも瀬戸窯は、国内唯一の施釉陶器生産地として歩みはじめ、大型の壺や瓶類、仏花瓶・香炉といった宗教関係の器種を生産しました。そして江戸時代になると新たに御室茶碗や腰錆茶碗など茶道具が見られるようになります。そして、各村の生産器種分業化がより明確になり、瀬戸村では供膳具・灯火具、赤津村・下品野村ではすり鉢・片口ほかの調理具・貯蔵具、下半田川村では香炉・仏餉具ほかの神仏具がそれぞれ生産されています。また、名工たちによる一品物の制作が盛んになったのもこのころのようですね。各村の名工が幕末期にかけて活躍し、彼らの手による名品が数多く伝世しています。ありがとうございました。
◎関連、参考サイトは■愛知県共済 コチラです。
■愛知県瀬戸市歴史文化基本構想 コチラです。
■その他の買取品目
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