福岡県北九州市でオールドノリタケを買取りました

バラの図柄のノリタケの花瓶

電笠にはよく見られる図柄ですね

日陶印

戦前のノリタケの印です

 

買取品の詳細

今回は福岡県北九州市の古い城下町のお宅に出張査定にお伺い致しました。買取品は日本の戦前の時計やアンティークカメラや茶道具、や古書、ギターや食器、古銭などバラエティーに富んだ品々でした。買取品の中で今回はオールドノリタケに焦点を当てたいと思います。この「日陶」の印は1930年代の国内向けの製品だと思われます。一番人気の明治期や大正期の金彩盛上絵付けのような派手さはありませんがシンプルで普段使いでもとても上品な花瓶です。このパターンの絵付けは当時流行った電傘やシェードによく見られました。私のお店でも昔はちょいちょい入荷していましたが最近ではほとんど見られません。少し寂しい限りです。そのほかにも浮世絵、絵画や掛軸もたくさん買取させていただきました。ありがとうございました。

とても綺麗な「薔薇」です

白磁の肌にも透明感があります

 

買取査定額

オールドノリタケの買取相場ですが容姿や大きさ、文様、細工、、時代、製造数などでかなり差があります。オールドノリタケとは、はっきりとは言えませんが、1800年代の末から第二次世界大戦前後頃まで、ノリタケカンパニーの前身である森村組と日本陶器で作られ主にアメリカへ輸出された装飾品(花瓶、壷、陶製人形、置物、陶製化粧セットなど)とテーブルウェア・ディナーウェアの総称だということです。。そしてそれらのオールドノリタケは大きく2つに分類されます。
1つは1885年(明治18年)頃から1935年(昭和10年)頃までに主にアメリカに輸出された日本的なデザインの商品を含むアールヌーボーを中心とした西洋画風の品々で、もう1つは大正末期頃から昭和初期頃の短い間に流行したアールデコの品々です。そんな歴史あるの作品での平均買取価格は明治期のティーセットで20万円、金盛の大花瓶で10万円~15万円、アールデコ人形で8万円~10万円となっています。ご自宅にノリタケの茶器や食器が御座いましたら一度拝見させてください。もちろん状態や色合い、作風でもお値段は変わりますのでご了承ください。

 

ブラウンの絵付けも美しい花瓶です

 

下記はオールドノリタケの代表的な作品です。

◆色絵金盛薔薇文飾壺 1900年台
◆色絵食器揃(フランク・ロイド・ライトデザイン) 昭和初期頃
◆色絵金彩ビーディング芥子文皿 大正期頃
◆貴婦人明治期
◆デコガール昭和初期
◆色絵盛上カワセミ付小物入 大正期頃
◆色絵金盛ジュール婦人文花瓶 明治後期
◆色絵金盛アイリス文水注 大正初期頃
◆色絵金彩婦人文蓋物 戦前頃
◆白盛花唐草文瓜型花瓶
◆コバルト金彩ティーセット 明治以降

などなど…

口元はなめらかで全体に女性的なシルエットですね

■過去の作品買取例
〇盛上げ ターコイズブルー蓋付花瓶 100,000円
〇日本陶器キャンディーボックス 100,000円
〇オールドノリタケ デコレディ 80,000円
〇オールドノリタケ 薔薇 足付ティーセット 80,000円
〇ノリタケ デコレディのパウダーケース70,000円 他

オールドノリタケとは?

艶のある釉薬ですね。

■オールドノリタケ代表的な技法は下記のようにたくさんあります。

盛り上げ

白生地上にチューブ状の器具(イッチン)で泥漿(でいしょう)を絞り出したり、筆などにより泥漿を塗り重ねたりする技法で、泥漿盛り・白盛りなどとも呼ばれています。技法の施された部分は艶消しの白色で、この技法を用いて図案を描く他にも点や線を描いた装飾用としても使用されています。泥漿に絵具を混ぜる場合も多く、また、泥漿の代わりにガラス分の多い盛り絵具を使用した場合は「エナメル盛り」と呼び、通常の「盛り上げ」とは異なり、光沢のある仕上がりになっています。

金盛り

金盛は一陳などで模様を盛り上げ焼成した後に筆で金液をかぶせ塗りする技法です。浮き彫りのように見せる効果があります。また、一陳や竹串で細かい点を盛り上げ、焼成後、金液をかぶせ塗りする技法を金点盛といいます。とても豪華になり西洋の方には大人気の作品多いですね。

モールド

石膏の割型の内側に人物や動物といったさまざまなモチーフを彫刻し、その型に泥漿を流し込んで成型する方法です。焼成後、さらにぼかし技法で彩色を施し絵柄の立体感を高めます。とても神秘的で見れば見るほどウットリとします。

エッチング

薬剤を用いて生地表面を部分的に溶かすことで表面上にデザインを凹凸状に形成し,その上から金彩を施す技法です。和名を「クサラシ」といいます。茶器では全面にエッチングが施された製品が多く、なかには図案化されたものもあります。また、画付け部分以外に装飾としてエッチングを施した製品もあります。ディナー皿や鉢などでは周囲のボーダー部分にエッチングが施されており、金彩と比べて技術的に難しく非常に手間を要することから、高級品にのみ使用されています。エッチング液が有害なので、現在では「エッチング」技法に代わり「サンドブラスト」技法が用いられています。ガラスにもよく使われる技法ですね。

タぺストリー

素焼き前の柔らかな生地に布を押しあて模様を付けたり、「モールド」技法により布目模様を付け焼成することで素焼き生地を作り、これをキャンバスに見立てて風景や花などを描くことにより、より絵画的な演出を試みた製品です。製品のほとんどが小型の花瓶であり、数量も少なく稀少品のひとつと言えます。オールドノリタケの中でもお宝の一つです。

エナメル盛り

光沢のあるガラス質の多い絵の具で盛り上げた技法です。宝石を埋めこんだように見えることからジュールともいいます。この作品も西洋の方向けにたくさん輸出されていたそうです。

転写技法

画柄を印刷したシート状のもので、白素地に貼り付け焼成し画柄を施します。転写紙により、同じ画柄を大量生産することができるようになりました。しかしながら当時、多色刷の転写紙はすべてヨーロッパからの輸入品であり、材料としては日本では大変高価なものだったようです。そのため、工賃が安かった日本では、陶磁器の多くが熟練の画工による手作業で画付けが施されていました。

ポートレート

肖像画が石版印刷されており装飾には「金盛り」「エナメル盛り(ジュール)」技法が多用されている高級品に使用されています。当時の日本人画工にとって西洋人の顔を描くことは至難の技だったことから、印刷済み転写紙をヨーロッパから輸入して使用していました。印刷といえば現在では量産型の廉価品の代名詞のように考えられますが、オールドノリタケの初期製品では高級品でのみ使用されていました。印刷された人物としては転写紙の輸入先であるヨーロッパにおいて当時民衆に支持されていた女性など40種以上が確認されています。製品の中では一番高価だったといわれています。

ラスター彩

ラスター彩とは陶磁器の表面に薄い金属皮膜を作ることで、真珠のような虹色の光沢をもたせた透明彩色のことです。 近代の日本においては、明治初期に水金・転写紙などとともに外国の商社(ワンタイン商会など)によってラスター液も輸入されていました。オールドノリタケでは、石田佐太郎が明治中頃から製品のごく一部に使用したとの記録がありますが、大半は1920~30年代のアールデコ風デザインの製品に使用されています。1920年代にはようやく自動車や機械製品が市民生活に浸透し始め、金属製品も身近なものになってきしたが、高価なものであったため、ラスター彩は,当時の人々に金属製品のような斬新さを印象付ける目的で使用されたと考えられています。

ウエッジウッドスタイル

「盛り上げ」技法を緻密に駆使して、英国ウェッジウッド社のジャスパーウェアを模写した製品であり、稀少品のひとつです。後年まで製造されましたが、後の時代の製品は「盛り上げ」技法ではなく手描きや転写画で模写したタイプや,それに転写による人物画を組み合わせた技法に変革してゆきました。最近ではなかなか見かけない作品の一つです。

コバルト

製品全体が瑠璃(るり)(コバルト)色で覆われており、大半が装飾としての「金盛り」技法が併用されています。瑠璃色の透明絵具は「金盛り」と同様、多くの製品に装飾用として使用されており、両色のコントラストが非常に美しいことから、後年まで装飾方法のひとつとして利用されてきました。

ボーンチャイナ

昭和初期に日本陶器は,軟質磁器であるボーンチャイナの開発を始めました。 1933年(昭和8年)に製造に入り1935年(昭和10年)から本格化し、また1939年(昭和14年)には工場を拡張し、ティーセットを大量に輸出できるまでになりました。ボーンチャイナは流し込み成型によるフィギュアや花瓶などの製造に適した素材だったため、初期の製品はフィギュアや花瓶に限られており、轆轤(ろくろ)成形によるディナーウェアやカップ&ソーサーが登場するのは少し後になってからになります。このころに一番人気のデコガールやモダンガールなどのフィギュリンがたくさん作られていたようですね。また硬質磁器製品では発色が不可能だったサンゴ赤(朱色に近い赤や真紅)を使った製品を用いて売り出しため、当時はサンゴ赤がボーンチャイナの代名詞となりました。 この技術力は失われないように太平洋戦争で硬質磁器製品の製造を中止していた間も政府指定の技術保存工場として僅かながら製造を続けることができました。

その他 銀彩
吹きぼかし…などがあります。

 

傷や汚れもありません

 

 

◎関連、参考サイト

オールドノリタケ/刻印と歴史

JNCC

中日新聞

ノリタケのあゆみ

■その他の買取品目

 

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