福岡市城南区でモデルガンを買取りました!

■ゴールデンウイーク――それは、町の人々が急に浮かれだし、同時に財布の紐が崩壊する季節である。世の皆さまが「連休! 旅行! BBQ! 推しの現場!」と、お尻にバネでも仕込んだようなテンションで空を飛んでいるそのとき、私はというと、福岡市のとある静かな住宅街で、こっそりと――そう、本当にこっそりと――古い一軒家の玄関をくぐっていた。背中には重たいリュック、手には筆記具、心には期待。そう、「骨董品査定」という名のサファリパークに足を踏み入れた瞬間だった。
「いらっしゃいませ。すみませんねぇ、こんな散らかってて…」
家主さん、還暦ちょっと手前か、優しげなお顔に少しばかりの苦笑い。お話によると、この家はお父様が生前、趣味と実益を兼ねて収集されていたという「お宝の山」の倉庫――もとい、ご自宅だったそうである。
さっそく玄関から奥へと通されてみると、そこはまるで『古美術 冒険の書』のダンジョンの如く、茶器、掛軸、壺、おもちゃ、雑誌、CD、謎のオブジェ…人類が失って久しい「床」という文明が一面から消え去っていた。私は心の中でスリッパに黙祷を捧げつつ、「さあ、出陣だ」と覚悟を決める。
まず手をつけたのは、壁に飾られた掛軸たち。ぱっと見、「なんか良さそう」と思わせる筆致のものから、「これは孫が小3の時に描いた?」と見紛う可愛らしいものまで、掛軸界の寄せ鍋状態であった。「このおじいちゃん、茶道もやってたのかしらね」
思いを巡らせながら、食器棚の中も覗いてみると、あったあった、お馴染みの茶道具たち。茶碗、棗、水指に建水、あとは見慣れぬ形の急須と何かの飾りかと思ったら「香合」だった。瀬戸焼、京焼、有田焼、うっすらと作家名の銘も読めて、なかなかの粒ぞろい。
次に向かったのは、母屋の奥にある桐箪笥。ここには和装小物がぎっしりと詰まっていた。帯揚げ、帯締め、半襟に足袋…。そう、ここは女将の戦闘服が眠るクローゼットだった。そして発見したのが、例の「赤い小宇宙」こと珊瑚の帯留め。
「あれ、なんか小さくてかわいいのがあるわね~」などと軽くつまんでみると、なんとそれが赤珊瑚。しかも意匠は昭和の工芸作家らしい凝った細工が施されているではないか。「これはいい。おそらく百貨店の展示会で…いや、老舗呉服店で見初めた品か…?」思いを巡らせていたら、さらに漆塗りの箱から、金工細工の帯留めもぞろぞろと登場。職人魂が宿っている。
そしてやってきたのが、お父様の書斎。これがまた素晴らしいコーナーだった。
書棚には全集や句集、昭和のスパイ小説、英字新聞などがぎゅうぎゅう詰め。机の引き出しをそっと開けると、出てくる出てくる、万年筆の数々。
中でも目を引いたのは、老舗「モンブラン」の万年筆。しかも149。これがもう、男のロマンがインクに溶けてるといっても過言ではない。「お父様、これで何を書いていたんでしょうね…?」と聞いたら、家主さんは「いや~たぶん住所録とか…」とのご返答。万年筆も浮かばれないが、それもまた人間らしい話である。さらに机の奥からは、象牙の根付が登場。「お、これは良い!」と思わず声が漏れる。江戸後期から明治初期と思しき意匠、素材も上質、彫りも細かく、久々の手応えにうれし涙が出そうに。

さて、ひと通り見終わって、そろそろ終盤かと思ったその時。ふと押し入れの奥から黒い布袋を発見。持ち上げるとやたらと重い。まさかこれは――と思って中を見ると、そこにはズラリと並んだモデルガンたち。「うわぁ、父がねぇ、若い頃サバゲーとか興味あったみたいで…」
聞けば、マルシン、タナカワークス、東京マルイなど、銘柄も手広く揃っており、リボルバー、オートマチック、ショットガンと、まるで軍事博物館のミニ版であった。中でも「コルト・パイソン」の重量感には痺れた。持っただけで、何だか正義の味方になれそうな気がする。
そんなこんなで査定は丸一日かかった。私は腰をさすりながら、電卓を叩き、帳簿に数字を打ち込む。やはり万年筆と根付、そしてモデルガンの三巨頭が査定額を牽引し、全体としては文句なしの高額買取。家主さんも目を丸くして驚き、「これで仏壇を新しくできます」とのこと。思わず私も手を合わせたくなるような、善きご縁であった。次の家はどんな物語が待っているのだろうか――。
◇買取品の詳細

◇このアンティークなモデルガンですは実に精巧に作られております。メーカーは東京マルイでガスリボルバーです。品名は「コルト パイソン357マグナム」そしてなんと24連発のクールなおもちゃでした。状態も古いので外箱には傷や破れもありましたが中身はほとんど未使用状態でした。ありがとうございました。
買取査定額
◇アンティークのモデルガンの買取査定額もしくは評価額ですがまず第一に造りの良さと状態や重量、次にメーカーや材質、ほかには説明書や箱があればより高価買取できます。
ご自宅におもちゃやモデルガンが御座いましたら一度拝見させてください。もちろん状態や時代、作者、作品でもお値段は変わりますのでご了承ください。
■過去の作品買取例
ZEKE ワルサーP38 真鍮削り出し 200,000円
ホビーフィックス社製モデルガン 64式自動小銃 180,000円
ZEKE M1911 戦前型 ナショナルマッチ スチーブンスサイト 150,000円
ZEKE製モデルガン ワルサーPPK未開封新品 150,000円 他多数
コルトパイソン357マグナムとは?

■ コルト・パイソン .357マグナム──“リボルバーのロールス・ロイス”と呼ばれた銃
アメリカは銃器文化の国である。西部劇でガンマンが早撃ちを競ったコルト・シングルアクション・アーミー、戦場を駆け抜けたM1ガーランド、そして街角を守る警察官の腰には、常に頼れる相棒があった──その名もコルト・パイソン(Colt Python)。このリボルバーは、1955年に米国の銃器メーカー「コルト社(Colt’s Manufacturing Company)」から登場し、瞬く間に“リボルバーのロールス・ロイス”と称される名器となった。
■ 誕生の背景:コルトの挑戦と.357マグナム弾の誕生
1950年代、アメリカの法執行機関はより高威力な拳銃を求めていた。第二次世界大戦後の暴力犯罪の増加により、従来の.38スペシャル弾では「火力不足」との声が上がっていたのだ。そこで登場したのが、強烈なストッピングパワーを誇る357マグナム弾だった。
コルト社はこの新しい弾薬に対応する高性能リボルバーの開発を始める。設計にはベテランの銃職人が参加し、「Sフレーム」と呼ばれる大型フレームに精密な仕上げ、そして特製のフルラグバレル(銃身の下に重しのような部品がある)を組み合わせた。結果、生まれたのが「コルト・パイソン」だ。
初登場は1955年。ちょうど同年、ライバルであるスミス&ウェッソン社からも「モデル29(後に『ダーティハリー』で有名に)」が登場したが、リボルバーの精密機械としての美しさと滑らかな作動性で、パイソンは一歩抜きん出ていた。手元にあるモデルガンですがこのパイソンも色つやも美しいシルエットです。
■ 特徴:まさに“精密機械”と呼ぶにふさわしい逸品
コルト・パイソンの魅力は、単なる火力にとどまらない。以下、その特徴を挙げてみよう:
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精密なトリガーメカニズム
シングルアクション/ダブルアクション両対応で、トリガープル(引き金の引きの重さ)が極めてスムーズ。熟練職人の手によって調整されたトリガーは、まるでバターをナイフで切るかのよう。 -
バレルとサイト
特有のベンチレーテッド・リブ(銃身上部の通気構造)とフルラグバレルによって、銃の跳ね上がりを抑え、命中精度が高い。サイト(照準)も調整可能で、競技用にも使えるレベル。 -
優美なデザイン
ポリッシュ仕上げのステンレスやブルーフィニッシュの鋼、エボニーのグリップなど、見た目にも高級感があふれる。まるで“ジュエリー”のような佇まいは、マニアの心をわしづかみにした。 -
バリエーション
バレルの長さは2.5インチから8インチまでさまざま。警察向けの短銃身モデル、ターゲットシューティング用の長銃身モデルなど用途に応じた派生も多かった。
■ 活躍の場:戦場よりも「市街戦」や警察の現場で
コルト・パイソンは「戦場で活躍した銃」というよりは、アメリカ国内での警察や民間人の護身用、あるいは射撃競技でその真価を発揮した銃である。
たとえば1960年代から1980年代にかけて、FBI捜査官や州警察のエリート部隊がパイソンを制式採用していた。なぜなら、命中精度が高く、強力でありながら操作性が良かったからだ。自動拳銃の信頼性がまだ揺れていた時代、リボルバーの「確実に撃てる」という安心感は絶対的だった。
一方、パイソンは重量もあり価格も高価だったため、前線の軍用拳銃として配備されることは少なく、軍ではむしろM1911などの自動拳銃が主流であった。
■ 映画・ゲームでの活躍:伝説が生き続ける理由
実際の戦場よりも、パイソンが最も目立った“戦場”は、スクリーンの中やコントローラーの先かもしれない。
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映画『ウォーキング・デッド』シリーズ
主人公リック・グライムズが愛用するのが、6インチバレルのコルト・パイソン。この銃の存在感は、ゾンビ以上に画面を支配していたといっても過言ではない。 -
ゲーム『バイオハザード』シリーズ
「マグナムリボルバー」として登場し、ほとんどのゾンビを一撃で倒せる“最終兵器”扱い。弾が貴重な分、信頼感は抜群だった。
こうした作品での登場が、パイソンの「伝説」を現代にも引き継いでいる。
■ 復活と再評価
惜しまれつつも、コルト社は2005年にパイソンの生産を終了した。理由はコスト。高度な職人技が必要なパイソンは、現代の量産体制では採算が合わなかったのだ。
しかしファンの声は根強く、2020年に待望の再生産が始まる。現代技術を用いながらも、往年の美しさと操作感を再現した“新生パイソン”は、再び市場に衝撃を与えた。今回の買取品もおもちゃゆえの人気度を受けてかかなりの高値で取引されています。
◎関連、参考サイト

国友鉄砲ミュージアム(滋賀県長浜市)
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概要:火縄銃を中心に、日本の鉄砲の歴史や製造技術を紹介する専門ミュージアムです。
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展示内容:約40挺の実物火縄銃、製造工程のジオラマ、鍛冶の様子など。
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特徴:実際に火縄銃を手に取って重量感を体験できます。
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公式サイト:https://kunitomo-teppo.jp/
20G Museum
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概要:20世紀の銃器を中心に、モデルガンやエアガンのコレクションを紹介するオンラインミュージアムです。
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特徴:年代別やメーカー別に整理されており、銃器の進化を辿ることができます。
■その他の買取品目
★骨董品買取の福岡玄燈舎では古美術品の他、アンティークや掛軸、茶道具、書道具、絵画、仏像、勲章、中国陶磁、甲冑など多彩な骨董品を査定買取しております。お見積りだけでも構いませんのでお気軽にご相談ください。