
福岡市東区でセイコー腕時計を買取りました!

★写真はtremolo3247@gmail.com若しくはLINEからお願いします。
◇八月も後半戦に入った。
暦の上では、そろそろ夏も「そろそろ失礼します」と頭を下げてもよさそうな頃である。しかし、ここ福岡では、そんな季節の挨拶などまるで通用しない。
連日の酷暑日。
朝から太陽はやる気満々である。
こちらとしては、もう少しやる気を失っていただいて結構なのだが、太陽という奴は人間の都合など一切考えない。店先に水を撒けば、地面は「いただきます」とばかりに水を吸い込み、ほんの数分後には何事もなかったようにカラカラになる。
撒いても撒いても乾く。
これではまるで人間の欲望ではないか。
「欲しい、欲しい」
金が欲しい、車が欲しい、家が欲しい、時計が欲しい。若い頃は女が欲しい、歳を取れば健康が欲しい。健康になれば酒が飲みたい、酒を飲めばまた健康が欲しい。
人間というものは、実に忙しい。
そして、そんな欲望の縮図のような商売をしているのが、我々骨董屋である。
何を隠そう、我々も欲しい。
骨董品が欲しい。
電話が欲しい。
買取依頼が欲しい。
できれば、ちょっと値の張るお宝が欲しい。
つまり、「欲しい、欲しい」である。
そんな渇ききった骨董屋のもとへ、一本の電話が鳴った。
骨董品買取の依頼である。
こういう電話が鳴ると、さっきまで「暑い、暑い」と言っていた身体が、急に「行きましょう」となるから不思議なものだ。
人間、欲望が絡むと元気になる。
相方と車に乗り込み、福岡市内のとあるご自宅へ向かった。
現場に到着すると、そこにはなかなかの量の品物が待ち構えていた。
こういう時、骨董屋という生き物は少しだけ目が輝く。
普通の人なら、
「こんなにたくさん、どうしましょう」
となるところを、我々は、
「こんなにたくさん、何かないかな」
となる。
同じ大量でも、見る人によって人生観が違う。
まず目に入ったのは、大量の掛軸である。
掛軸、掛軸、また掛軸。
床の間に掛けるものなのか、押し入れに掛けるものなのか、はたまた骨董屋の首を縊るためのものなのか。
とにかく数が多い。
一本ずつ箱を開け、状態を確認し、落款を見て、時代を考え、作家を調べる。
骨董屋の仕事というものは、傍から見ると優雅である。
掛軸を広げて、
「ほう……これはなかなか」
などと言っている。
しかし実際には、暑い部屋で汗をかきながら、紙と墨と箱を相手に格闘している。
そして、査定を進めていくうちに、こちらの額にも別の汗が出てきた。
大部分が、家主さんのお祖父様が描かれた作品だったのである。
身内の作品というものは、思い出としては大変貴重である。
しかし、残念ながら市場という奴は、思い出に値札を付けてくれない。
「お祖父様の作品ですから、大切にされていたのでしょうね」
と言いながら、こちらの頭の中では、
「さて、どう査定しましょう」
となっている。
そして結論。
ほとんど値段が付かない。
骨董屋という商売は、時として実に残酷である。
人間の人生には値段を付けないくせに、品物には値段を付けなければならない。
しかも、その値段が「ゼロ」に近いとなると、こちらも言いにくい。
お客様も当然、気落ちする。
こちらも気落ちする。
掛軸も気落ちしているように見える。
部屋全体が、しんみりしてきた。
続いて着物である。
こちらもかなりの量がある。
昔の人は物を大切にした。
着物もそうである。
仕立ての良いものを大切に保管し、何年、何十年と残してきた。
ところが時代が変わった。
現代では着物を日常的に着る人が少なくなり、需要も昔とは比べものにならない。
どれだけ立派な着物でも、欲しい人がいなければ市場では値段が付かない。
骨董屋は、物の価値を決めているようで、実は世の中の「欲しい」という気持ちに振り回されているだけなのかもしれない。
結局、着物もまとめての査定となった。
金額は、ごくわずか。
先ほどまで「欲しい、欲しい」と電話を待っていた我々であるが、いざ査定してみれば、こちらも「もう少し欲しい」と思ってしまう。
欲望には終わりがない。
お客様も残念そうである。
我々も残念。
福岡の夏も暑い。
査定の空気も暑い。
いや、こちらは暑いというより重い。
こうなると骨董屋という職業も、なかなか因果な商売である。
お客様の期待を背負って品物を見る。
そして、期待を背負ったまま、
「これは、なかなか……」
と、言葉を濁す。
そんな時である。
家主さんが、
「そういえば、こんなのもあります」
と、引き出しを開けた。
骨董屋の耳は、この一言を聞き逃さない。
「そういえば」という言葉には、時々とんでもないものが潜んでいる。
そして、引き出しの中から出てきたのが――
腕時計だった。

見た瞬間、時計好きなら分かる。
セイコーのダイバーズ。
しかも、ただのセイコーではない。
1970年代の、いわゆるサードモデルである。
さっきまで掛軸と着物を前に、どんよりしていた我々の目が、急に開いた。
人間というものは現金なものである。
ほんの数秒前まで、
「今日は厳しいですねえ……」
などと言っていた男が、時計を手にすると、
「ちょっと見せてください」
となる。
これが骨董屋である。
ケースの状態を見る。
風防を見る。
文字盤を見る。
針を見る。
ブレスレットを見る。
そして、何より大切なのが機械の状態である。
リューズを操作し、動きを確認する。
すると、傷こそ多いものの、しっかりと動いている。
長い年月を生き抜いてきた時計が、何食わぬ顔で時を刻んでいる。
なんとも頼もしい。
1970年代といえば、今から半世紀近く前である。
人間なら、もう十分に昔話を語ってもよい年齢だ。
それでも時計は動いている。
傷だらけでも動いている。
なんだか我々骨董屋にも似ている。
暑さでヨレヨレになり、仕事がなくてヨレヨレになり、査定金額を見てさらにヨレヨレになる。
それでも電話が鳴れば、
「はい、伺います!」
と動き出す。
セイコーも骨董屋も、案外しぶとい。
そして何より、この一本の時計が査定の空気を一変させた。
先ほどまで暗かった部屋が、急に明るくなった。
お客様の表情も変わった。
こちらの表情も変わった。
人間というものは、実に分かりやすい。
結局、このセイコーダイバーズが今回の査定の主役となった。
掛軸も着物も、長い年月を家の中で過ごしてきた。
しかし、その中で最後に我々の目を引いたのは、引き出しの奥で静かに時を刻んでいた一本の腕時計だった。
骨董品というものは面白い。
価値のありそうなものが価値があるとは限らない。
立派な箱に入っているから高いとも限らない。
家族が大切にしてきたから高いとも限らない。
逆に、誰にも見向きもされず、引き出しの中で眠っていたものが、突然、
「お宝です」
となることもある。
だから骨董屋はやめられない。
暑いからといって辞めるわけにもいかない。
査定金額が安いからといって辞めるわけにもいかない。
何より、次の引き出しに何が入っているか分からない。
それを確かめるまでは、我々の「欲しい、欲しい」は終わらないのである。
帰りの車の中、福岡の街は相変わらず猛烈に暑かった。
道路は焼け、空気は揺れ、店先に撒いた水はまた乾いているだろう。
人間の欲望と同じで、いくら満たしても、また乾く。
しかし今日は、少しだけ喉が潤った。
一本のセイコーダイバーズのおかげである。
お客様にも喜んでいただき、我々も無事に買取を承諾していただいた。
めでたし、めでたし。
骨董屋という商売、何が起こるか分からない。
だから面白い。
そして明日もまた電話を待つ。
「欲しい、欲しい」
もちろん、我々が欲しいのは金ではない。
……いや、少しくらいは欲しい。
だが、それ以上に欲しいものがある。
引き出しの奥で、半世紀ものあいだ誰にも騒がれず、ひっそりと時を刻んでいる――そんな「お宝」である。
ではまた、次の「欲しい、欲しい」が鳴る日まで。
買取品の詳細

◇この「セイコーダイバー」は1970~1980年代の物と思われサードのモデルです。自動巻きで現在も元気に動いています。一日で約1分早く進んでおりますがその他は問題ありません。ベルトも復刻ですがオリジナルです。全体にベゼルには傷やペイントロスが多いですが普段使いにガンガン使っていただけるアンティークです。
買取査定額

◇アンティークのセイコーダイバーモデルの買取査定額もしくは評価額ですが時代とモデルと状態が大事です、ほかには付属品や化粧箱などあればより高価買取&できます。ご自宅にアンティークの腕時計が御座いましたら一度拝見させてください。状態や時代、メーカーやモデルでもお値段は変わりますのでご了承ください。
■過去の作品買取例

セイコー ダイバー 自動巻き 6215-7000 300m デイト ブラック 500,000円
SEIKO プロフェッショナル ダイバー 300 6159- 7001 400,000円
グランドセイコー ダイバーズウォッチ 350,000円
セイコー ダイバー 6159-7000 プロフェッショナル300 250,000円 他多数
セイコーダイバーズとは?

セイコーのダイバーズウオッチの歴史は、1965年に始まります。この年に発売されたのが、一般に「62MAS」と呼ばれるモデルです。正式には「セイコー・ダイバーズ150m」で、国産初の本格的ダイバーズウオッチでした。
当時、ダイバーズウオッチは海外メーカーの製品が中心でした。そのなかでセイコーは、自動巻ムーブメントを搭載し、150m防水を実現した時計を国産化します。しかも単にスペックを追っただけではありません。1966年から4回にわたり南極観測隊の越冬隊員に装備品として提供され、実際の過酷な環境で使用されました。さらに北極、南極、エベレストなどでも使用され、その堅牢性が評価されることになります。
この「実際の極限環境で使って性能を証明する」という姿勢は、後のセイコーダイバーズに一貫して受け継がれていきます。
現在の「1965 ダイバーズ」シリーズは、この62MASを原点とするものです。現行モデルではデザインを受け継ぎながら、ムーブメント、防水性能、装着感などを現代的に進化させています。たとえばSBDC197などの現行「1965 ヘリテージ」は、300m空気潜水用防水、約72時間のパワーリザーブを持つ6R55ムーブメントを採用しています。
1967年――300m防水への挑戦
1967年には、さらに高い防水性能を持つ300mダイバーズが登場します。
このモデルの大きな特徴は、ケースと裏蓋を一体化した「ワンピース構造」です。一般的な時計とは異なる構造によって水密性を高め、ハードレックスガラスを採用するなど、耐久性も向上させました。また、りゅうずを4時位置に配置することで、手首への当たりを軽減する工夫も施されています。
この系譜は1968年の「6159-7001」へと発展します。
1968年――ハイビート300mダイバーズ
1968年は、セイコーダイバーズにとって非常に重要な年です。
この年に登場した300m防水モデルは、毎秒10振動、毎時36,000振動という「ハイビート」ムーブメントを搭載しました。自動巻に加えて手巻機能も備え、装着時から確実に作動させやすい設計となっています。
さらに、このモデルは1970年に日本山岳会の植村直己氏、松浦輝夫氏によるエベレスト登頂にも使用されました。時計メーカーが「過酷な場所でも使える」と宣伝するだけではなく、実際の登山家が使用して性能を証明したという点が重要です。
現在の「1968 ヘリテージ」や「マリンマスター1968 ヘリテージ」は、この歴史的モデルを現代的に発展させたものです。現行プロスペックスにはGMT機能を備えたモデルもあり、単なる復刻ではなく、現代の旅行・冒険用途に合わせた進化が見られます。
1970年――植村直己が愛用した「1970ダイバー」
セイコーダイバーズを語るうえで、もう一つ忘れてはいけないのが1970年モデルです。
この時計は、それまでの一般的なダイバーズとは少し違った、独特の流線型ケースを持っています。ケースの一部を大きく張り出させたようなデザインは非常に個性的で、現在でも「セイコーらしいダイバーズ」として高い人気があります。
そして何より有名なのが冒険家・植村直己氏との関係です。
植村氏は1974年から1976年にかけて北極圏約12,000kmを犬ぞりで移動する冒険を行いました。その際に携行されたのが、この1970年モデルです。北極圏という極寒の環境で時計が機能し続けたことは、セイコーの耐久性を象徴するエピソードとなりました。
現在の「1970 ヘリテージ」は、この特徴的なケースデザインを受け継いでいます。骨董・アンティーク時計の世界で古いセイコーダイバーズを見る場合、この1970年モデルは特に注目しておきたい存在です。
1975年――世界初のチタン製600mプロフェッショナルダイバーズ
セイコーの技術力を象徴するモデルが、1975年に登場した「6159-022」です。
これは世界初のチタン製ケースを採用したプロフェッショナルダイバーズで、なんと600m防水。しかも単純に防水性能を上げただけではありません。
背景には、1968年に広島県呉市のプロフェッショナルダイバーから届いた一通の手紙がありました。当時のダイバーズウオッチでは、300mを超える深海でヘリウム混合ガスを使用する飽和潜水に耐えられないという指摘でした。
セイコーはこれに本格的に取り組み、長年の研究開発の末、チタン製ワンピースケースを採用した600m防水モデルを完成させました。黒いチタン製プロテクターを備えた外観から「深海の黒い顔」とも呼ばれています。外装だけでも20件もの特許を取得したという、まさに技術の塊のような時計でした。
1978年――世界初のクオーツ式600mダイバーズ
そして1978年には、世界初のクオーツ式600m飽和潜水仕様ダイバーズが登場します。
当時、クオーツ時計といえば「正確な普通の腕時計」というイメージが強かった時代です。そのクオーツ技術を深海用プロフェッショナルダイバーズへ持ち込んだこと自体が画期的でした。
この時計は1978年の北極探検などで使用され、さらに1983年には海洋科学技術センターの潜水調査船「しんかい2000」による水深1,062mの潜航にも使用され、実際にその性能が試されました。
セイコーダイバーズの代表的モデルまとめ…
歴史的なモデルを整理すると、特に重要なのは次のあたりです。
① 1965年 150mダイバーズ(62MAS)
セイコーダイバーズの原点。シンプルなラウンドケースと回転ベゼルを備え、現在の「1965 ヘリテージ」の原型になっています。
② 1967年 300mダイバーズ
ワンピースケースを採用した高防水モデル。4時位置のりゅうずも特徴です。
③ 1968年 300mハイビートダイバーズ
10振動の高性能自動巻を搭載。エベレスト登頂にも使用された歴史的モデルです。
④ 1970年 150mダイバーズ
植村直己氏の北極圏冒険で使用されたモデル。独特の流線型ケースが最大の特徴です。
★今回のダイバーズはこのモデルに当たります。
⑤ 1975年 600mプロフェッショナルダイバーズ
世界初のチタン製ケースによる600m飽和潜水仕様。現在の「プロフェッショナル」シリーズにもつながる重要モデルです。
⑥ 1978年 600mクオーツダイバーズ
世界初のクオーツ式600m飽和潜水仕様。セイコーのクオーツ技術とプロフェッショナルダイバーズ技術を融合したモデルです。
最後に…
普通の古い腕時計なら「メーカー」「ムーブメント」「年代」「状態」などを見ますが、セイコーダイバーズの場合は、それに加えてリファレンス番号、文字盤、針、ベゼル、ケース、裏蓋、ムーブメント、ブレスレット、付属品などのオリジナル性が重要になります。
特に1960~70年代の初期ダイバーズは、同じように見えても仕様や製造時期による違いが存在します。さらに、ダイバーズウオッチは実用品だったため、ケースを研磨されていたり、文字盤や針が交換されていたり、ベゼルが後年品になっていたりする個体もあります。したがって、古いセイコーダイバーズを査定する場合には、「古いセイコーだから高い」という見方ではなく、どのモデルなのか、どこまでオリジナルが残っているのか、状態はどうか、付属品はあるかを一つ一つ確認する必要があります。

■参考サイト
■その他の買取品目
★骨董品買取の福岡玄燈舎では古美術品の他、アンティークや掛軸、茶道具、書道具、絵画、仏像、勲章、中国陶磁、甲冑など多彩な骨董品を査定買取しております。お見積りだけでも構いませんのでお気軽にご相談ください。












































