金襴手の香合買取りました/骨董品・福岡
金襴手の香合買取りました

福岡市南区で金襴手の香合を買取りました!

 

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◇ゴールデンウイーク前というのは、世間一般においては浮き足立つ季節であるらしい。高速道路は渋滞予測が花盛り、観光地は人の波、財布は軽く、心は重く、いや軽く――とにかく忙しい。福岡の街も例外ではなく、どこもかしこも段取りだの手配だの、まるで戦場のような騒がしさである。

だが、その喧騒の中心から半歩、いや三歩ほどずれた位置に生息する我々骨董屋という生き物は、まるで別の時間軸を生きているかのように、相も変わらずのんびりとしたものだ。イラン情勢がどうとか、原油価格がどうだとか、為替が円安だの円高だのと世間が騒いでいても、「ほう、それで古伊万里の皿が安くなるのかね?」などと、見当違いも甚だしい感想を述べる程度である。要するに、関係がない。いや、関係がないと思い込んでいるだけかもしれないが、少なくとも日々の仕事においては、湯呑一つの重みの方がよほど現実的なのである。

そんな暢気な午後、涼し気な一本の電話が鳴る。これがまた、骨董屋にとっては何よりありがたい音である。恋人からの電話よりも、銀行からの連絡よりも、はるかに胸が躍る。内容はというと、「実家にある骨董品や茶道具を見てほしい」とのこと。ありがたい、実にありがたい。ゴールデンウイーク前のこの時期に、仕事を持ってきてくれるというのは、神様仏様ご先祖様、ついでに外商担当者様のおかげである。

というわけで、福岡市南区へ向かうことになった。現地は昭和の中期に建てられたという、どこか懐かしさを感じる住宅である。玄関の引き戸の音ひとつ取っても、「ああ、これはきっと良いものが眠っている家だな」と、骨董屋特有の勘が働く。もちろん、この勘は当たるときもあれば、盛大に外れるときもあるのだが、その話はまた別の機会に譲るとしよう。

迎えてくださったのは、穏やかな雰囲気のご家族。話を伺うと、お父様が会社役員をされていた頃に、デパートの外商から骨董品やアンティークを購入されていたとのこと。なるほど、外商経由の品物というのは、いわば「選ばれし骨董品、美術品」である。少なくとも当時の百貨店が「これはお客様にお勧めできる」と判断したものばかりだ。もっとも、その「お勧め」が時代を経てどう評価されるかは、また別の話ではあるのだが。

部屋へ案内されると、そこには中国の掛軸、陶磁器煎茶道具、仏像、茶器などが静かに並んでいた。どれもが「私はここにいます」と主張するでもなく、しかし確かな存在感を放っている。こういう光景を見ると、骨董屋という職業を選んでしまった自分を、少しだけ誇らしく思う。ほんの少しだけだが。

小野珀子さんの香合です/茶道具の買取は福岡玄燈舎
小野珀子さんの香合です

さて、仕事である。中でも目についたのは茶道具一式。香炉、香合、鉄瓶、棗――どれもこれも「ちょっといい顔」をしている。こういう時、骨董屋の目は自然と細くなる。いや、細くなるというより、値段を探るために焦点が合っていくと言った方が正確かもしれない。

まずは香炉。重さ、手触り、焼きの具合を確かめる。次に香合。蓋の合わせ、意匠、素材――一つ一つが小さいながらも、なかなか侮れない存在だ。鉄瓶は音を確かめ、棗は蒔絵の状態を見る。蒔絵というのは、良いものは本当に良い顔をしている。まるで「私は本物ですよ」と静かに語りかけてくるようだ。

さらに見ていくと、萩焼や京焼も多く含まれていた。萩の柔らかな風合い、京焼の繊細な色彩――どちらも日本の美意識の縮図のようなものである。こういう品に囲まれていると、つい時間を忘れてしまいそうになるが、そこは仕事。心の中で「いいなあ」と思いながらも、手はしっかりと査定を進めていく。

一通り見終えた頃には、なかなかのボリュームであることがわかってきた。しかも、ただ量があるだけでなく、質も伴っている。これは正直、嬉しい誤算である。いや、誤算というより、願ったり叶ったりというべきか。

査定額を提示すると、ご家族は少し驚いた様子だったが、すぐに納得していただけた。こちらとしても、無理に高くも安くもせず、品物に見合った価格を出すのが信条である。結果として双方が気持ちよく取引できるのが、何より理想的だ。

今回の中でも特に印象的だったのは、人気のある作者の香合が含まれていたことだ。こういう品が一つあるだけで、全体の印象がぐっと引き締まる。まるで宴会の席に一人だけ妙に面白い人がいると、その場が一気に盛り上がるようなものだ。もっとも、骨董品や古美術の世界ではその「面白さ」が値段に直結するのだから、実にシビアである。

すべての手続きを終え、帰路につく頃には、夕方の空気が少しだけ柔らかくなっていた。世間はこれからゴールデンウイーク本番に向けて、さらに慌ただしくなるのだろう。しかし我々は、またいつものように、のんびりと次の電話を待つのである。

世界情勢がどうなろうと、為替がどれだけ揺れ動こうと、どこかの家の押し入れには、まだ見ぬ骨董品が眠っている。その事実だけで、我々は十分に生きていけるのだ。

さて、次はどんな品に出会えることやら。そんなことを考えながら、今日もまた、ゆっくりと看板を背負って歩いていくのである。ではまた。この香合については下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。

買取品の詳細

豪華な模様の香合です/骨董の買取は福岡玄燈舎
豪華な模様の香合です

 

◇この「香合」は小野珀子さんの作品で金襴手が特徴の波模様香合です。煌びやかな中にも繊細さや素朴さも感じられる茶道具です。

 

査定基準

波模様の図柄の金襴手です/香合の買取も福岡玄燈舎
波模様の図柄の金襴手です

◇香合の買取査定額もしくは評価額ですが第一に作者の知名度、次に図柄や模様、ほかには栞や箱、鑑識などあればより高価買取&できます。ご自宅に茶道具が御座いましたら一度拝見させてください。もちろん状態や時代、作者、作品でもお値段は変わりますのでご了承ください。

 

■過去の作品買取例

白磁が薄造りできれいです/骨董品の買取は福岡玄燈舎
白磁が薄造りできれいです

釉裏金彩花壷  400,000円
釉裏金彩草葉文壷 300,000円
釉裏金彩皿            250,000円
釉裏金彩 水指    100,000円 他多数

小野珀子とは?

桐箱付きです/骨董品の買取は福岡玄燈舎
桐箱付きです

陶芸界において「金を焼き込む」という、ある意味で無茶とも思える領域を、執念と美意識で切り開いた作家――それが 小野珀子 です。

■略歴

小野珀子は1925年、愛知県名古屋に生まれました。父は陶芸家であり窯元「琥山製陶所」を営んだ 小野琥山。いわば陶土の匂いが産湯の代わりのような環境で育った人物です。

幼少期に一家は福島県会津へ移住し、その後さらに佐賀県嬉野へと拠点を移します。この移動の多さは、単なる生活の事情にとどまらず、彼女の感性に「地方窯業の多層性」を植え付けたとも言われます。

1943年に会津若松高等女学校を卒業後、家業に従事。戦後は一度結婚するも離婚し、1960年に実家へ戻り、父の製陶所デザイン室で本格的に作陶へ向き合います。

転機となったのは、人間国宝の陶芸家 加藤土師萌 の作品――とりわけ「釉裏金彩」との出会いでした。これに衝撃を受け、独学で技法の研究を開始。最初は金箔が焼成中に剥がれるなど失敗の連続でしたが、試行錯誤の末、独自の完成度へと昇華させます。

1970年前後から各公募展で受賞を重ね、一気に頭角を現します。

  • 九州山口陶磁展 第一席
  • 日本工芸会西部工芸展 金賞
  • 日本陶芸展 優秀作品賞

など、受賞歴はまさに怒涛。

1981年には日本陶磁協会賞、1992年には佐賀県重要無形文化財(釉裏金彩)保持者に認定されました。

人間国宝目前とも評されながら、1996年に逝去。惜しまれる形でその生涯を閉じました。

■代表作品

小野珀子の作品は「一点で場の空気を変える」力を持つものが多く、特に以下が代表例です。

●釉裏金彩 花壺「茜の海」

  • 金彩が釉の奥で揺らぐ幻想的表現
  • 大胆な構図と詩的な題名の融合

(現存作品として知られる代表作)

●釉裏金彩 幾何文大皿

  • 幾何学模様と金の重層的表現
  • 抽象性と装飾性の高度な両立

●釉裏金彩茶碗・ぐい呑

  • 茶道具としての格調と華麗さ
  • 「使う美術」としての完成度

●釉裏白金彩作品

  • 金だけでなく白金(プラチナ)も使用
  • より冷ややかな光と現代性

■作風と技法

◎釉裏金彩という「手間の暴力」

彼女の代名詞が「釉裏金彩」です。

これは

  1. 素地に金箔を貼る
  2. その上に釉薬をかける
  3. 焼成する
    という工程ですが、実際には6回以上焼くこともある極めて難度の高い技法です。

金箔は熱で動き、消え、崩れる――
つまり「成功しないのが普通」の世界。

そこを制御して「釉の奥から金が幽かに光る」状態に持っていく。
これはもう技術というより、半ば執念です。

◎特徴まとめ

小野珀子の作風は次の三点に集約されます。

① 豪華絢爛と幽玄の同居

金を多用しながら、決して下品にならない。
むしろ「沈んだ光」を作ることで、日本的な幽玄美へ昇華しています。

② 装飾性と抽象性の融合

幾何学模様や自然モチーフを、ほぼ絵画的に構成。
「陶芸+絵画」の領域に踏み込んでいます。

③ 女性的感性と強靭な構築力

柔らかい色彩や曲線の中に、極めて計算された構図が潜む。
この「しなやかな強さ」が評価の核心です。

■師匠・影響関係

◎父:小野琥山

技術的基盤は完全に父から。
ただし、珀子は「家業の延長」には収まらず、芸術へと突き抜けた点で異なります。

◎精神的師:加藤土師萌

直接の師弟関係ではないものの、
釉裏金彩への道を開いた決定的存在。

言ってみれば
「遠くから殴られた一撃」
のような影響です。


・女性陶芸家として異例の高評価
・海外美術館にも収蔵
・重要無形文化財保持者

そして何より
「人間国宝目前」

この言葉が、彼女の評価を端的に物語ります。

 

参考サイト

珀子の刻印あります/茶道具の買取は福岡玄燈舎
珀子の刻印あります

佐賀県立九州陶磁文化館

  • 有田・嬉野系陶芸の中心的施設
  • 展示替えで登場することあり
  • 地元ゆかりのため遭遇率は比較的高い

呉市立美術館

作品(例:「山竝」「黄釉花入」)が収蔵。


敦井美術館

代表作「茜の海」を収蔵。

■その他の買取品目

 

★骨董品買取の福岡玄燈舎では古美術品の他、アンティークや掛軸、茶道具、書道具、絵画、仏像、勲章、中国陶磁、甲冑など多彩な骨董品を査定買取しております。お見積りだけでも構いませんのでお気軽にご相談ください。

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