
福岡市城南区で楽焼の置物を買取りました!

★写真はtremolo3247@gmail.com若しくはLINEからお願いします。
「山笠」…七月に入ると、福岡の町は妙に男臭くなる。
博多駅周辺では締め込み姿の男衆が「おっしょい、おっしょい」と威勢よく声を張り上げ、町中が祭りの熱気に包まれていく。普段は会社で上司に頭を下げ、家庭では奥方に財布を握られ、世の中では物価高にため息をつく普通のお父さん方も、この季節ばかりは別人である。
山を舁けば天下無敵…
まるで自分が戦国武将にでもなったような顔つきで町を闊歩する。一年のうち、男が一番男らしく見える数日間かもしれない。もっとも、その裏では奥様方が「あの人、祭りになると家のことは何もしないのよ」と冷めた目で眺めていることは、当の本人だけが知らない。世の中とは実に都合よく出来ている。
さて、そんな「おっしょい」の掛け声が町中に響く頃、我々骨董屋にも別の「おっしょい」が始まる。
こちらは舁き山ではなく、仏像。飾り山ではなく、屏風。
祭りの男衆が何百キロもの山を担ぐなら、こちらは百年、二百年生き残ってきた木彫仏を抱えて階段を下りる。
しかも担いだところで拍手も歓声も飛んでこない。「それ、玄関傷つけないでくださいね。」
依頼主から飛んでくるのは、ありがたいようでありがたくない一言だけである。
骨董屋という職業は、派手さはないが腰だけは確実に鍛えられる。
ジムへ通う必要もない。整形外科にはよく通うが。
そんなある日、一本の電話が鳴った。場所は福岡市城南区。
閑静な住宅街に建つ、ごく普通の一軒家である。
「茶道具があるんですが、一度見てもらえませんか。」
この「茶道具があります」という言葉ほど、骨董屋の心を揺さぶるものはない。
本当に名品が眠っていることもあれば、お茶会の参加賞が段ボールいっぱいということもある。
期待しすぎると肩透かしを食らう。かといって期待しないと、国宝級がひょっこり現れる。
骨董屋とは、毎日がくじ引きのような商売なのである。
現地へ到着すると、きれいに手入れされた庭木が迎えてくれた。
さすが茶道を嗜まれていただけあって、庭にも無駄な派手さはない。
最近流行りの「映える庭」ではなく、「落ち着く庭」。
こういう家は、家そのものが茶室の延長線上にある。玄関を上がると、早速お道具が並び始めた。
まずは京焼の抹茶茶碗。華やかな絵付けのものから、渋く落ち着いたものまで実に様々である。
茶入れも何点かあり、棗には控えめながら見事な蒔絵。これ見よがしではない。
「分かる人だけ分かればいい。」そんな職人の声が聞こえてきそうな意匠である。
最近は何でも「映え」が優先される世の中だ。料理も器より写真。旅行も景色より自撮り。
美術館へ行っても作品よりスマートフォンを見ている人の方が多い。
便利になったのか、不便になったのか分からない。
骨董品は写真では八割しか伝わらない。重さ、手触り、釉薬の艶、漆の匂い。
それら全部をひっくるめて初めて「本物」と向き合える。
人間も同じである。履歴書やプロフィールだけでは、その人の価値は分からない。
……もっとも骨董屋は、履歴書代わりに箱書きを見る癖がついている。
掛軸も数幅出てきた。茶掛けとして使われていたものらしく、決して豪華ではない。
しかし茶席とは、不思議な世界である。
派手さを嫌い、静けさを好み、小さな掛軸一本がその日の主役になる。
現代社会では声の大きい人ほど目立つ。茶の湯では、静かな人ほど存在感がある。
何とも羨ましい価値観ではないか。世の夫婦も見習うべきだ。
部屋の片隅へ目をやると、博多人形が整然と並び、その横には市松人形。
さらに西洋の陶磁器やブロンズの置物、銀食器まで顔を揃えている。
まるで国際会議である。日本代表、市松人形。福岡代表、博多人形。ヨーロッパ代表、銀食器。
誰も言葉は話さないが、それぞれ百年近い時間を背負ってそこへ立っている。
新しい家具には出せない空気というものがある。「古い」というのは欠点ではない。
時間に磨かれた証拠なのだ。査定は順調に進み、一点一点丁寧に拝見する。
価値が高いものもあれば、思い出の方が値打ちという品もある。
骨董屋は時として、品物より依頼主の思い出を査定しているような気になる。
「これは主人が京都へ行った時に買ってきたんですよ。」
「これは母がお茶を習っていた頃のものです。」
そんな話を聞きながら値段を付ける仕事は、少々切ない。
市場価格は数字で決まる。思い出には相場がない。だからこそ難しい。
そして今回、一通り査定が終わった頃、棚の奥から現れたのが今回の主役だった。

楽入窯の干支置物である。十二支を題材にした愛らしい姿。
しかし、その可愛らしさの中にも楽焼らしい温もりがしっかり息づいている。
派手に自己主張するわけでもない。静かにそこへ座り続ける。茶人が好む理由もよく分かる。
干支とは毎年変わる。人の運勢も変わる。景気も変わる。総理大臣も変わる。
税金だけはなかなか下がらない。それでも干支は文句一つ言わず、毎年律儀に交代していく。
人間社会も干支くらい穏やかなら、世の中もっと平和になるのかもしれない。

楽焼には、派手な技巧を競う美しさとは違う魅力がある。
土の温もり。火の力。そして手仕事の跡。
大量生産では決して生まれない「揺らぎ」がそこにはある。
最近は何でも均一が求められる。同じ品質。同じ形。同じサービス。
だが人間まで均一になったら、面白くも何ともない。
少しくらい歪んでいる方が味になる。楽焼も、人間も同じである。
今回も無事に骨董品の買取を終え、車へ荷物を積み込む。
帰り道では、どこからともなく「おっしょい、おっしょい」という掛け声が聞こえてきた。
祭りへ向かう男たちの声である。
こちらも仏像や茶道具を積み終え、汗びっしょり。
祭りとは少々違うが、十分に「おっしょい」である。
もっとも向こうは祝い酒が待っている。
こちらを待っているのは、腰に貼る湿布薬。
これもまた、骨董屋の夏の風物詩なのである。
さて、今回ご紹介する楽入窯の干支置物については、その歴史や魅力、見どころを次回じっくりご紹介することにしたい。骨董品の世界は、慌てて眺めるより、一服のお茶でも飲みながらゆっくり味わう方が、案外、本当の面白さが見えてくるものなのである。
買取品の詳細
◇この「楽入の戌」は干支というよりもどこか愛嬌があり親しい方への贈り物として重宝される置物です。状態もとてもよく、ひび割れやペイントロスなどは見受けられません。元々、京焼の赤楽や黒楽の茶碗などをメインに制作されていたとあってとても上品で優しい色使いです。
買取査定額

◇楽入作品の買取査定額もしくは評価額ですがまず作品の認知度や時代、そして作風や色遣い、ほかには刻印や鑑定書があればより高価買取&できます。ご自宅に京焼などの茶道具や置物が御座いましたら骨董品買取の福岡玄燈舎に一度拝見させてください。もちろん状態や時代、作者、作品でもお値段は変わりますのでご了承ください。
■過去の作品買取例

吉村 楽入 作 青楽 敷瓦 40,000円
吉村楽入作 夜桜画 茶碗 30,000円
吉村楽入 白楽茶碗 250,000円
他多数
吉村楽入とは?

★吉村楽入は、京都を代表する伝統工芸である「楽焼」の陶芸家・窯元であり、現在は三代目吉村楽入(本名:重生〈しげお〉)がその名跡を継承しています。千利休以来四百年以上の歴史をもつ楽焼の伝統を受け継ぎながらも、現代の生活空間や茶道文化に調和する新しい作品づくりにも積極的に取り組み、伝統と革新を融合させた作風で高い評価を得ています。
楽入窯の歴史
現在の楽入窯のルーツは、明治時代中頃に京都で焼砥石や坩堝(るつぼ)の製造を営んでいた吉村家にあります。
戦後になると、初代吉村楽入(吉村甚四郎)が趣味として制作していた楽焼が評判を呼び、本格的に陶芸へ転身しました。以来、茶碗を中心とした楽焼専門の窯元として発展し、「楽入」の名は代々受け継がれています。現在は三代目が窯を主宰し、京都の伝統工芸を支える代表的な作家の一人となっています。
三代目 吉村楽入の略歴
三代目吉村楽入は1959年、京都市に二代目吉村楽入の長男として生まれました。
学生時代には同志社大学経済学部で学び、その後、本格的に陶芸家を志して京都市工業試験場(現・京都市産業技術研究所)の伝統産業後継者育成陶芸コース、さらに京都府陶工訓練校成形科で専門技術を習得しました。
卒業後は父である二代目楽入に師事し、楽焼の伝統技法を一から学びます。
1989年には「楽入窯」を創始し、全国各地で個展を開催するようになります。
1993年には京焼・清水焼パリ展へ出品。
2001年には伝統工芸士に認定され、2004年には三代目吉村楽入を襲名するとともに、「萬福堂(まんぷくどう)」の号を名乗りました。
その後も京都市から「未来の名匠」に認定されるなど、数々の評価を受け、現在は京都工芸美術作家協会会員や大学非常勤講師として後進の育成にも尽力しています。
吉村楽入作品の特徴
① 楽焼本来の「手づくり」にこだわる
吉村楽入作品最大の特徴は、轆轤(ろくろ)を使わず、一点ずつ手で成形する「ひねり成形」です。
そのため左右対称ではなく、微妙な歪みや丸みが自然に生まれます。
これは決して技術不足ではなく、茶道で重視される「侘び・寂び」を表現するための重要な造形です。
さらに「引き出し焼成」と呼ばれる独特の焼成法によって、窯から赤熱した状態で取り出し急冷するため、一点ごとに異なる景色や窯変が現れます。
まさに同じ作品は二つと存在しません。
② 手に吸い付くような使い心地
楽焼は他の陶器より厚みがあり、保温性に優れています。
抹茶を点てた際の温度が保たれやすく、茶碗を持つと手のひらに柔らかく馴染みます。
口当たりも非常に滑らかで、茶人から「最も使いやすい茶碗」と称される理由の一つです。
吉村楽入も実用性を第一に考え、「眺めるだけではなく使って楽しめる器」を信条としています。
③ 伝統と現代性の融合
黒楽・赤楽といった伝統的作品だけでなく、
- 四季の草花
- 干支
- 桜
- 紅葉
- 金魚
- 雪景色
- クリスマス
など現代的な絵付けも積極的に取り入れています。
茶道具でありながら季節感を演出する作品は全国の茶人から高い人気があります。
代表作品
黒楽茶碗
吉村楽入を代表する作品です。
漆黒の釉薬が特徴で、抹茶の鮮やかな緑との対比が非常に美しく、茶席では定番の一碗となっています。
赤楽茶碗
赤褐色の柔らかな色調が魅力です。
冬の茶席だけでなく、祝い事にも好まれます。
伝統を守りながらも温かみある風合いを表現しています。
白楽茶碗・白楽水指
白釉を用いた作品も人気があります。
土の柔らかな色味を生かし、静かな存在感を放っています。
掛分茶碗
黒釉と白釉を大胆に流し掛けした作品です。
躍動感ある釉薬の流れが見どころで、現代的なデザイン性も高く評価されています。
干支置物
骨董市場でも比較的人気が高いのが、毎年制作される干支の置物です。
今回の買取品もこの部類に属します。およそ30年前の作品です。
十二支を題材にした可愛らしい作品でありながら、楽焼独特の柔らかな質感を持ち、茶席の床飾りや正月飾りとして親しまれています。
数量が限られる年も多く、古い作品ではコレクターが探しているものも少なくありません。
香合・蓋置
茶道具として欠かせない香合や蓋置も数多く制作されています。
季節や勅題をテーマにした作品が多く、桜、柿、桃、牛などをモチーフにした意匠は茶人から高く評価されています。
骨董品市場では…
吉村楽入作品は現在も制作されているため、一般的な作品は比較的入手しやすい価格帯ですが、「萬福堂」印の作品や個展作品、出来の優れた黒楽・赤楽茶碗は高い人気があります。
また、
- 共箱(作者自筆箱書き)
- 共布
- 栞
- 百貨店個展購入品
など付属品が揃っていると査定額が高くなる傾向があります。
特に干支置物は毎年異なるデザインで制作されるため、十二支を揃えて収集する愛好家も多く、状態が良ければ我々、骨董品の市場でも安定した人気があります。
■参考サイト
樂美術館(京都府京都市)

■その他の買取品目
★骨董品買取の福岡玄燈舎では古美術品の他、アンティークや掛軸、茶道具、書道具、絵画、仏像、勲章、中国陶磁、甲冑など多彩な骨董品を査定買取しております。お見積りだけでも構いませんのでお気軽にご相談ください。












































