アンティーク「エインズレイ」（西洋陶器）の置物買取りました/福岡市西区・骨董品買取

福岡市西区でアンティーク「エインズレイ」の置物を買取りました！

◇骨董品買取の福岡玄燈舎です。先日、骨董品の買取に伺った時の話でございます。ある日の午後、私はお客様のお宅に招かれました。ご主人が生前に集めていた古美術品とアンティーク品が並ぶ一室へと通され、その光景に圧倒されました。そこにはアンティークの西洋茶器、日本の掛軸、銀の置物、コイン、そして薩摩焼や九谷焼など、実に多種多様な美術品が揃っていました。全てが丁寧に並べられ、まるで小さな美術館のような雰囲気でした。

この美術品の数々は、10年前に亡くなられたご主人がとある有名デパートの外商から購入されたものでした。領収書がきちんと保存されており、その金額を見ると、驚愕せざるを得ない高額なものばかりです。これだけの価値ある品々を前にして、果たして無事に買取ができるのか、正直なところ少々不安になりました。

そんな中、私の目を引いたのは、「エンズレイ」の置物でした。周囲の圧倒的な存在感に比べると、割とリーズナブルなお品に見えましたが、その美しさは一級品です。このエンズレイの置物は、花のブーケを模した繊細な作風で、デザインや色使いも非常に可愛らしいものでした。特にこのタイプの置物は、花びらが欠けているものが多いのですが、驚いたことにこちらは欠けもなく、まるで新品同様の状態でした。

その置物は掌に収まるくらいの可愛らしいサイズで、同じデザインの色違いが3つ揃っていました。これなら高価買取が可能だと判断し、まずはこのエンズレイの置物から攻めることにしました。

さて、ここからが本題です。ご主人の美術品に対する愛情が伝わるエピソードがいくつかあります。その一つが、毎晩仕事から帰宅後、食事もそこそこに美術品の手入れを欠かさなかったということ。彼は特に銀の置物がお気に入りで、夜な夜な磨き上げては、その輝きに満足していたそうです。奥様曰く、「まるで宝物を扱うような手つきでした」とのこと。

また、薩摩焼に関してもご主人のこだわりが垣間見えました。薩摩焼の一つ一つに対して、その由来や作家についての知識が豊富で、奥様にしばしば薩摩焼の魅力を語って聞かせていたそうです。「これはただの陶器ではなく、日本とヨーロッパの歴史が息づいているんですよ」と、熱く語る姿が目に浮かぶようです。確かに以前、私が買取した「里帰り薩摩」にも当時の物語や時代の流れが垣間見えました。

ご主人が集めた美術品は、単なる物ではなく、彼の人生の一部だったのです。そんな思い出深い品々を前にして、私は一つ一つ手に取って査定を行いました。エインズレイの置物は、特にその美しさが際立っており、奥様も「これは主人が特に気に入っていたものでした」と語り、少し目を潤ませていました。

その後、査定を進める中で、特に印象的だったのはご主人が集めたコインのコレクションでした。彼は歴史的な価値のあるコインを集めることに情熱を注いでおり、それぞれのコインには詳しい説明書きが添えられていました。例えば、あるコインは「17世紀のイギリス製」で、当時の経済状況や歴史背景についても詳しく書かれていました。

こうしてご主人の愛した美術品を一つ一つ査定し、買取の手続きを進める中で、私は次第に彼の人生に触れることができたような気がしました。それは単なる買取の作業ではなく、一人の人生に寄り添うような時間でした。

最後に、エインズレイの置物を含むいくつかの品を高価買取することができ、奥様にも満足していただけました。帰り際、奥様は「主人もきっと喜んでいると思います」と微笑みました。その言葉に、私は深い敬意と感謝の念を抱きながら、その場を後にしました。

これが、私が体験した骨董品買取の一幕です。ご主人の美術品に対する情熱と愛情が伝わるエピソードを通じて、物に込められた思いを感じることができた貴重な時間でした。尚、今回の「エインズレイ」については下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。

買取品の詳細

◇この「エインズレイ」の置物はとてもよくできており、特に塗装やカラーはとてもリアルで花びらの一つひとつにも艶がありじっと見とれていても飽きない造りです。商品名は調べるとフローラルシリーズの「チェリーブロッサム」で細やかさも日本の物とも劣らない繊細さです。作品の裏には刻印がありますが古い為擦れや汚れがあります。しかしながらよく欠品や欠けが見かける花びらも完品でした。

買取査定額

◆エインズレイの買取査定額もしくは評価額ですがまず第一に人気度と製作年代、次に状態、付属品の有無などでより高価買取できます。エインズレイについてはやはり置物よりもカップ＆ソーサのような茶器に人気があり、高価買取ができます。なお、今回買取したフローラルシリーズは状態は良かったのですが、箱がありませんでしたので３品で２００００円で買取させて頂きました。現在の相場では箱入りで一品で５０００円から１万円の査定額になります。ありがとうございました。尚、ご自宅や倉庫にアンティークの西洋陶器や骨董品がありましたら是非、骨董品買取の福岡玄燈舎にお声掛け下さい。宜しくお願い致します。

■過去の作品買取例

カップ＆ソーサ　フローラル　一客　30,000円
カップソーサ金彩　　　一客　20,000円
フローラルシリーズ　15,000円他多数

英国「エインズレイ」とは？

エインズレイは、イギリスを代表する陶磁器メーカーの一つで、その美しいデザインと高い品質で世界中のコレクターから愛されています。エインズレイの歴史は1750年にさかのぼり、ジョン・エインズレイによってイングランド中部のストーク・オン・トレントで設立されました。当初は素朴な陶器を生産していましたが、19世紀に入ると、より洗練されたデザインの陶磁器を製造し始めます。

特に、ヴィクトリア女王時代に隆盛を極め、王室御用達窯として数多くの作品を製作しました。エドワーディアン時代には、アール・ヌーヴォー様式の繊細なデザインを取り入れた作品を発表し、モダンなデザインの陶磁器としても知られるようになりました。第二次世界大戦後も、伝統を守りつつ新しいデザインを取り入れ、現代においてもその人気は衰えることを知りません。

代表作品

エインズレイの代表作品は、その時代を反映した多様なデザインが特徴です。

ヴィクトリア時代:
- オーバルディッシュ: 繊細な手描き模様が特徴のオーバルディッシュは、エインズレイを代表する作品の一つです。
- ティーセット: 優雅な曲線と華やかな装飾が特徴のティーセットです。
エドワーディアン時代:
- アール・ヌーヴォーデザイン: 植物や昆虫をモチーフにした繊細なデザインが特徴です。
現代:
- ペインテッド・バード: 鳥の絵柄が特徴のシリーズは、現代的なデザインでありながら、伝統的な技術も取り入れられています。
- コテージガーデン: イングリッシュガーデンをモチーフにしたシリーズは、可愛らしいデザインが人気の作品です。

★特に有名な商品をいくつかご紹介します。

ブーケ・シリーズ（Bouquet Series）:
- エインズレイの中でも特に有名なシリーズで、色鮮やかな花のブーケが手描きされています。デザインは非常に繊細で、美しい色使いが特徴です。
コテージ・ガーデン（Cottage Garden）:
- 田舎の庭をテーマにしたシリーズで、カップ＆ソーサーやティーポットなどがあります。可愛らしい花や蝶が描かれ、温かみのあるデザインです。
フラワー・オブ・ザ・マンス（Flower of the Month）:
- 各月の花をテーマにしたシリーズで、それぞれの月にちなんだ花が美しく描かれています。コレクションとして人気が高いです。
エリザベス・ローズ（Elizabeth Rose）:
- エリザベス女王の名を冠したシリーズで、優雅でクラシカルなデザインが特徴です。特にティーセットやディナープレートが人気です。