福岡市東区で茶釜を買取りました!

茶道具がたくさん
大量の茶道具が所狭しとあります

◇ついに8月に入り猛暑…いや酷暑の季節です。私ら還暦越えの輩にちとヘビィな季節です。そんな中でも、有難くもコンスタントに骨董品の出張買取のご依頼があり日々、過ごしております。今回の出張査定は福岡市東区にある高級住宅地のマンションです。今回のお宝探しはお母様が生前、お茶の先生をされていた関係で茶道具がメインだとお聞きしました。海の見えるお部屋に通されると小奇麗なお部屋で趣味の良い置き物や掛軸、廊下にはハイセンスな油絵などもチラホラ…。おまけにエアコンが快適に効いてリゾートに来た気持ちになりました。ビールでも飲みたい気分です。いかん!このままでは気が緩んでしまいお客さまの思うつぼ…(決してお客様と戦うわけではございませんが)。しか~し。ここからは財布の紐を閉めて…いや気を引き締めお仕事に入ります。

菊池政光の茶釜買取
菊池政光の茶釜買取

まずは和室の茶道具を拝見すると豪華な蒔絵のある棗や京焼の茶碗、茶入れなどが所狭しと並べられています。蒔絵の棗は住吉蒔絵など外人さん向けの物もあり高価買取ができましたが抹茶茶碗に関しては現在ではあまり売れないアイテムなのでなるべく角が立たないようにやんわりとお断りさせていただきました。そして最後に買取したものは「菊池政光作」の茶釜です。こちらはとても珍しい図柄で側面には和歌も刻まれておりこちらも外人さん向けに高く売れそうなので高価買取させていただきお客様にも喜んでいただきました。ありがとうございました。

尚、この 茶釜については下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。

買取品の詳細

 

大和絵が描かれている茶釜
大和絵が描かれている茶釜

◇この茶釜は釜師「菊池政光」作品で耳の部分にも珍しい創作画されており和歌も刻まれている逸品でしたので高価買取させていただきました。しかも」状態もすこぶる良くほとんど未使用状態で共箱に布、しおりも付属しておりました。案の定、持って帰ったその次の日に販売済みと相成りました。ありがとうございました。

買取査定額

しおりや釜環も付属
しおりや釜環も付属

 

◇茶釜自体は現在ではあまり高くは売れませんが作者やデザイン、時代によっては高価で流通いたします。この方の作品は茶釜は5000円~40000円、鉄瓶になると10000~80000円と価格の差があります。やはり意匠、デザインや状態と付属品。最後は人気がどの程度あるのかが査定基準になるようです。

 

下記に代表的な作品について書きましたので参考にされてください…。

釜師の菊池政光(きくち まさみつ)は、江戸時代後期の代表的な釜師の一人で、特に茶の湯釜の制作で知られています。彼の作品には以下のような特徴と代表作があります。

  1. 唐銅釜(からどうがま)
    • 唐銅(銅と少量の錫を混ぜた合金)を用いた釜で、深い色合いと落ち着いた質感が特徴です。菊池政光の唐銅釜は、非常に精緻な仕上げと優雅な形状が評価されています。特に、表面の細やかな文様や鋳込みの美しさが際立っています。
  2. 鉄釜(てつがま)
    • 鉄を用いた釜で、重厚な質感と力強いデザインが特徴です。菊池政光の鉄釜は、素朴でありながらも洗練された形状を持ち、実用性と美術的価値の両方を兼ね備えています。今回の作品も鉄釜で和歌や独特の意匠が特徴の釜です。

作品の特徴

  • 技術の高さ: 菊池政光の釜は、鋳造技術の高さが際立っており、特に表面の仕上げや文様の繊細さが特徴です。彼の作品は、茶道具としての実用性だけでなく、芸術品としての価値も高く評価されています。
  • 優雅で重厚なデザイン: 作品には、洗練された美意識が反映されており、形状や文様には日本的な美の要素が取り入れられています。これにより、茶室での使用においても視覚的な魅力を発揮します。
  • 伝統と創造性の融合: 菊池政光は、伝統的な技法を重んじつつも、独自の創意工夫を加えた作品を制作しました。これにより、彼の作品は当時の茶道具として広く愛され、現在でも高い評価を受けています。

菊池政光の作品は、その卓越した技術と美的感覚から、茶道具の世界では欠かせない存在となっています。今回の作品は鉄釜でしたが鉄瓶も人気の作品です。機会がありましたら手に取ってご高覧ください。

■過去の作品買取例
菊池政光作 /白肌雨龍粒銀地紋提手銀貼口鉄瓶  70,000円
菊池政光造銅蓋雲龍文道安形鉄瓶    60,000円
荒磯北紋窶風炉 50,000円
唐銅鳳凰風炉 40,000円 他多数

菊池政光とは?

◇菊池政光(きくち まさみつ)は、江戸時代後期の代表的な釜師であり、特に茶の湯釜の制作で名を馳せました。彼の釜はその技術力の高さと美的感覚が評価され、現在でも高い評価を受けています。

菊池政光は、江戸時代後期に活躍した釜師で、詳細な生没年については定かではありませんが、18世紀から19世紀にかけて活動したとされています。釜師としての彼の名声は、茶の湯釜を中心にした優れた作品によって築かれました。菊池政光は、京都を拠点に活動し、多くの茶人や大名に愛されました。

和歌が描かれています
和歌が描かれています

彼は伝統的な技法を重んじながらも、革新性を取り入れることを得意としました。特に、鋳物の技術を駆使して、美しい文様や形状を作り上げることに長けており、その技術は他の釜師たちに影響を与えました。彼の作品は、茶道具としての実用性と美術品としての価値を兼ね備えており、茶室での使用だけでなく、鑑賞用としても評価が高いものでした。

菊池政光の作品は、唐銅釜や鉄釜が代表的です。彼の唐銅釜は、銅と少量の錫を混ぜた合金を使用しており、深い色合いと落ち着いた質感が特徴です。これにより、釜全体が重厚でありながらも優雅な印象を与えます。特に、釜の表面に施された細やかな文様は、鋳物技術の高さを示すものであり、茶道の場で特に好まれました。

鉄釜もまた、彼の代表作の一つです。鉄を用いた釜は、力強さと素朴さが特徴で、菊池政光の作品はその両者を見事に融合させています。鉄釜の形状はシンプルながらも洗練されており、特に茶の湯において実用的でありながらも視覚的な美しさを兼ね備えています。また、鉄瓶も彼の代表作品の一つで凝った意匠の鉄瓶も数多く見られます。最後に菊池政光には、いくつかの弟子がいたとされています。彼の技術と美的感覚を継承した弟子たちは、後の時代にも茶釜の制作を続け、その伝統を受け継いでいきました。菊池政光の作風は、弟子たちに影響を与え、彼らが独自のスタイルを確立する助けとなりました。具体的な弟子の名前については、資料が限られているため詳細は不明ですが、彼の影響を受けた釜師たちは、江戸から明治時代にかけて活躍しました。

そのほかの有名な釜師とその作品…

江戸時代から明治時代、昭和にかけての日本の釜師は、それぞれの時代背景や茶道文化の発展に応じて、独自のスタイルと技術を持つ釜を制作しました。以下は、各時代の代表的な釜師とその作品、特徴についての解説です。

◎江戸時代

角谷四郎兵衛(すみや しろべえ)

作品と特徴:

芦屋釜: 「芦屋の名工」とも称される角谷四郎兵衛は、芦屋釜の制作で知られ、特にこの釜が代表作とされています。芦屋釜は、精緻な装飾と洗練されたデザインが特徴で、茶の湯釜として高く評価されています。

  • 角谷四郎兵衛は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した釜師で、精緻な鉄釜の制作で知られています。彼の作品は、特に力強さと洗練さを兼ね備えたデザインが特徴で、茶の湯の釜として高い評価を受けました。彼の釜は、実用性と美術的価値が両立しており、茶室での使用に適した品格を持っています。

明治時代

鈴木宗保(すずき そうほ)

作品と特徴:

瑞雲釜(ずいうんがま): 鈴木宗保の代表作で、雲の模様が浮かび上がるように鋳込まれた鉄釜です。精緻な装飾が特徴で、洋風の影響を感じさせるデザインです。

  • 鈴木宗保は、明治時代を代表する釜師で、京都を拠点に活動しました。彼の釜は、明治時代の工業技術の発展とともに、より精緻な鋳造技術が駆使されており、細やかな装飾と複雑な形状が特徴です。また、宗保の作品には、洋風の影響を受けたデザインも見られ、時代の移り変わりを反映した新しい美意識が表現されています。

浜野末吉(はまの すえきち)

作品と特徴:

梅文様鉄釜: 浜野末吉が制作した代表的な鉄釜で、梅の花を模した文様が特徴です。古典的でありながらも、独自の美しさを持つ作品です。

  • 浜野末吉は、明治時代後期から大正時代にかけて活躍した釜師で、古典的なデザインに忠実でありながらも、独自の工夫を加えた釜を制作しました。彼の作品は、茶室での使用を前提とした落ち着いた風格を持ち、実用性と美しさを兼ね備えています。

昭和時代

高橋敬典(たかはし けいてん)

作品と特徴:

松竹梅文様釜: 高橋敬典の代表作で、松、竹、梅の文様がシンプルに鋳込まれた鉄釜です。伝統的な文様を現代的な感覚で再解釈した作品です。

  • 高橋敬典は、昭和時代を代表する釜師であり、近代的な感覚と伝統的な技法を融合させた作品で知られています。彼の釜は、シンプルでありながらも力強いデザインが特徴で、特に表面の仕上げが美しく、モダンな感覚を持つ作品が多く見られます。昭和の時代においても、茶道具としての高い評価を受け、現代に至るまでその作品は愛されています。人間国宝

宮崎寒雉(みやざき かんち)

作品と特徴:

龍文様鉄釜: 宮崎寒雉の代表作で、龍が力強く描かれた鉄釜です。鉄の質感を生かし、立体的な文様が特徴です

  • 宮崎寒雉は、鉄釜の名工として知られ、昭和時代を通じて多くの優れた作品を生み出しました。彼の釜は、伝統的な技法に基づきつつも、現代的なエッセンスを取り入れたデザインが特徴です。特に、鉄の質感を生かした力強い造形美が評価されています。

まとめ

江戸時代から昭和時代にかけての釜師たちは、それぞれの時代の文化や技術の影響を受けながらも、独自のスタイルを築き上げました。角谷四郎兵衛や菊池政光といった江戸時代の釜師は、茶の湯文化の隆盛とともに伝統的な美を追求し、明治時代の鈴木宗保や浜野末吉は、新しい時代の風潮を取り入れた作品を生み出しました。昭和時代の高橋敬典や宮崎寒雉は、近代的な感覚と伝統技法を融合させ、今なお評価される作品を残しています。これらの釜師たちの作品は、茶道具としての実用性だけでなく、芸術品としても高い評価を受け続けています。

 

◎関連、参考サイト


東京国立博物館

MIHO MUSEUM

 

 

 

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