福岡市早良区で江戸時代の甲冑を買取りました!

買取品の詳細他…

 

福岡市早良区の古民家から発見された、歴史の息吹を感じる甲冑
今回は福岡市早良区にある古いお宅に買取依頼で伺いました。 雲一つない青空が広がる絶好の買取日和。どこかワクワクした気持ちで、まるで宝探しのような期待感を胸に抱きながら、玄関を開けました。明治時代から続く歴史を感じさせるそのお宅は、何度か解体と新築を繰り返しながらも、美術品や骨董品はそのまま保存されていました。 お部屋には、日本刀、甲冑や陣笠、有田焼の大壷、古い掛軸、茶道具、硯、油絵など、大正時代から受け継がれてきた数々の貴重な品々が所狭しと並んでいます。

その中でもひときわ目を引いたのが、今回ご紹介する甲冑です。 時代を感じさせる漆の欠けや破れ、欠損などが見られますが、そこには紛れもない歴史の重みと息吹が感じられました。甲冑とは、武士が戦場で着用していた武具です。 主に兜、胴、籠手、臑当、佩楯などで構成され、敵の攻撃から身を守るために重要な役割を果たしました。今回買取させていただいた甲冑は、江戸時代のものと推定されます。 黒漆塗りの兜は、威厳を感じさせる重厚な存在感です。胴は鉄板製で、精巧な金具が随所に施されています。状態は決して完璧とは言えません。 しかし、長年使い込まれた傷や欠損は、甲冑の歴史を物語る貴重な証でもあります。このような状態の良い甲冑は、近年非常に希少価値が高まっています。 今回もしっかりと査定させていただき、高価買取させていただきました。

お客様は、ご先祖様から受け継がれてきた甲冑を手放すことに迷いがあったようです。 しかし、私たちの説明に理解を示していただき、最終的には買取を決断してくださいました。私たちにとっても、歴史を感じさせる貴重な甲冑を買い取らせていただいたことは、大変貴重な経験となりました。 今後も、お客様の大切な思い出を繋ぐお手伝いをできるよう、誠心誠意努めてまいります。

今回の買取で印象的だったのは、お客様の甲冑に対する深い愛情でした。 ご先祖様から受け継がれてきた甲冑は、単なる武具ではなく、ご家族の歴史そのものであり、かけがえのない宝物なのだと感じました。私たち骨董品業者は、お客様の大切な思い出を繋ぐ架け橋となる存在です。 物の価値だけでなく、お客様の想いをしっかりと理解し、丁寧に査定させていただくことを心掛けています。

もしご自宅に眠っている骨董品や美術品がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。 私たちがお客様の大切な思い出を丁寧に査定させていただきます。

 

買取品の豆知識…

■今回買取させていただいた甲冑の「丸に隅立て四ツ目」の家紋は、戦国大名の中でも佐々木氏が有名ですが、他にも多くの武将家が使用していました。以下、代表的な家紋と使用していた武将家をご紹介します。

1. 丸に隅立て四ツ目

佐々木氏:宇多源氏の流れを汲む名家で、源平合戦で活躍した佐々木定綱や、鎌倉幕府の御家人として活躍した佐々木盛綱などが有名です。
京極氏:佐々木氏の庶流で、室町時代から戦国時代にかけて近江国を支配しました。京極高次や京極丸などが有名です。
六角氏:佐々木氏の庶流で、室町時代から戦国時代にかけて近江国の一部を支配しました。六角定頼や六角義賢などが有名です。
2. 丸に違い四ツ目

朝倉氏:越前国を支配した戦国大名で、朝倉義景や朝倉宗滴などが有名です。
3. 丸に四ツ目菱

織田氏:尾張国を支配した戦国大名で、織田信長や織田信秀などが有名です。
柴田氏:織田信長の家臣で、賤ヶ岳の戦いで羽柴秀吉に敗れた柴田勝家などが有名です。
4. 丸に立ち四ツ目

毛利氏:安芸国を支配した戦国大名で、毛利元就や毛利輝元などが有名です。
5. 丸に二つ引き四ツ目

島津氏:薩摩国を支配した戦国大名で、島津義久や島津忠久などが有名です。
6. 丸に三つ引き四ツ目

伊達氏:陸奥国を支配した戦国大名で、伊達政宗や伊達輝宗などが有名です。
7. 丸に四ツ目結

上杉氏:越後国を支配した戦国大名で、上杉謙信や上杉景勝などが有名です。
8. 丸に四ツ目星

小早川氏:備中国を支配した戦国大名で、小早川隆景や小早川秀秋などが有名です。
9. 丸に四ツ目巴

真田氏:信濃国を支配した戦国大名で、真田昌幸や真田信繁などが有名です。
10. 丸に四ツ目扇

前田氏:加賀国を支配した戦国大名で、前田利家や前田慶次などが有名です。
上記以外にも、多くの武将家が「丸に四ツ目」に類する家紋を使用していました。 家紋は家系を表すだけでなく、個性を表すものとしても使われていました。

なお今回買取させていただいた甲冑の「丸に隅立て四ツ目」の家紋は、佐々木氏をはじめ多くの武将家によって使用されていたことがわかりました。しかしながら佐々木家の家紋としての確証は出来かねますのであくまでも参考としてお考え下さい。

 

買取査定額

今回の買取金額ですが兜の状態は良いものでしたが前立てがなく胴部分には珍しいつくりでしたが数か所の錆や欠損があり鎧櫃にはダメージも多かったです。全体に時代相当の状態ということもありましたが貴重なものでしたので25万円という金額をつけさせていただきました。ありがとうございました。
甲冑は状態やつくり、欠品の有無でもお値段は変わりますのでご了承ください。

★近年は骨董品の相場変動が激しいです。相場はあくまでこの時点での価格なのでご了承ください。

 

 

ちなみに下記は博物館に収められている代表的な作品です…ここでは、その中でも特に代表的な甲冑をいくつかご紹介します。

1. 国宝 大鎧(東京国立博物館蔵)

鎌倉時代の武将、源頼朝が所用したと伝わる大鎧です。赤糸縅(あかいとおどし)で威されており、金箔押しの大袖付(おおそでつき)という豪華な仕様です。

2. 国宝 当世具足(東京国立博物館蔵)

江戸時代の武将、徳川家康が所用したと伝わる当世具足です。黒漆塗りの胴に金箔押しの鬼面(きめん)が施されており、威厳漂う姿が特徴です。

3. 国宝 赤糸縅具足(京都国立博物館蔵)

室町時代の武将、足利義満が所用したと伝わる当世具足です。赤糸縅で威されており、金箔押しの錣(しころ)や籠手(こて)など、華麗な装飾が施されています。

4. 国宝 黒韋威胴丸(福岡市博物館蔵)

平安時代の武将、源義経が所用したと伝わる胴丸です。黒韋(くろかわ)で威されており、金銅製の金具が施されています。

5. 国宝 紺糸縅大鎧(大阪市立東洋陶磁美術館蔵)

鎌倉時代の武将、北条時宗が所用したと伝わる大鎧です。紺糸縅で威されており、金銅製の金具が施されています。

6. 国宝 糸縅小札腹巻(東京国立博物館蔵)

平安時代の武将、藤原秀郷が所用したと伝わる小札腹巻です。糸縅で威されており、金銅製の金具が施されています。

7. 国宝 赤韋威大鎧(東京国立博物館蔵)

鎌倉時代の武将、佐々木盛綱が所用したと伝わる大鎧です。赤韋で威されており、金銅製の金具が施されています。

8. 国宝 小桜韋威胴丸(東京国立博物館蔵)

鎌倉時代の武将、畠山重忠が所用したと伝わる胴丸です。小桜韋で威されており、金銅製の金具が施されています。

9. 国宝 朱漆塗筋兜(東京国立博物館蔵)

鎌倉時代の武将、源頼朝が所用したと伝わる兜です。朱漆塗りの筋兜で、金銅製の金具が施されています。

10. 国宝 星兜(京都国立博物館蔵)

室町時代の武将、足利義満が所用したと伝わる兜です。星形の兜で、金箔押しの装飾が施されています。

これらの甲冑は、いずれも日本の歴史上重要な人物が所用したと伝わる貴重なものです。当時の武具の技術や文化を知る上で、非常に重要な資料となっています。

参考資料

■過去の甲冑買取例
・早乙女家 江戸時代 甲冑  950,000円
・島津家家紋付大袖鎧一式         800,000円
・半月前立鉄錆地塗六十二間筋兜    600,000円
他多数

戦国大名(佐々木家)とは?

1. 佐々木氏の出自と隆盛

佐々木氏は、宇多天皇の玄孫である源成頼を祖とする宇多源氏の流れを汲む名族です。近江国佐々木荘(現在の滋賀県長浜市)を本拠地とし、鎌倉時代から戦国時代にかけて近江国守護を務めました。

佐々木氏は、源平合戦で源頼朝に味方して功績を挙げ、鎌倉幕府の御家人として栄華を誇りました。特に、佐々木定綱は、源頼朝に従って奥州合戦や藤原泰衡追討に活躍し、近江国守護に任じられた人物です。

2. 佐々木氏の系譜と家紋

佐々木氏は、嫡流である京極氏をはじめ、六角氏、佐々木氏(加地氏)、佐々木氏(信濃守護家)など、多くの庶流家が存在しました。

家紋は、嫡流である京極氏が「丸に違い四ツ目」、六角氏が「丸に隅立て四ツ目」、佐々木氏(加地氏)が「丸に二つ引き四ツ目」、佐々木氏(信濃守護家)が「丸に四ツ目菱」など、それぞれ異なる家紋を使用しています。

3. 六角氏の興亡

六角氏は、佐々木氏の庶流家で、佐々木泰綱を祖とします。「丸に隅立て四ツ目」の家紋を使用し、近江国南部を中心に勢力を拡大しました。

室町時代から戦国時代にかけて、六角氏は近江国の守護として権勢を誇り、京畿地方にも勢力を伸長しました。しかし、織田信長の侵攻により、最終的に滅亡しました。

4. 佐々木氏の功績と文化

佐々木氏は、武家としてだけでなく、文化面でも多くの功績を残しました。歌学や連歌、茶道など、様々な文化を 用い、近江国を文化の中心地として発展させました。

佐々木氏ゆかりの寺院や史跡は、現在も近江国各地に数多く残されており、当時の栄華を偲ぶことができます。

戦国大名と甲冑…

 

戦国時代は、戦乱が続く中で、甲冑は戦闘における重要な役割を果たしていました。同時に、武将の個性を表現する場としても重要な役割を果たしていました。

1. 甲冑の種類

甲冑には、大鎧、胴丸、当世具足など、様々な種類があります。

  • 大鎧:鎌倉時代から室町時代にかけて使用されていた甲冑です。胴、籠手、臑当、佩楯などで構成され、全身を覆うように着用します。
  • 胴丸:室町時代から戦国時代にかけて使用されていた甲冑です。大鎧よりも軽量で動きやすく、徒歩戦に適しています。
  • 当世具足:戦国時代に使用されていた甲冑です。鉄板を主体とした造りで、大鎧や胴丸よりも防御力が高く、動きやすいのが特徴です。

2. 甲冑のデザイン

戦国時代を通じて、甲冑のデザインは時代とともに変化しました。

  • 初期: 大鎧が主流であり、威厳を重視したデザインが多かったようです。
  • 中期: 胴丸が主流となり、機能性や機動性を重視したデザインが多くなりました。
  • 後期: 当世具足が主流となり、装飾性や芸術性を重視したデザインも登場します。

甲冑のデザインには、以下のような特徴があります。

  • 素材: 鉄板、革、糸、金具など様々な素材が使われていました。
  • 装飾: 家紋や金箔、金具など様々な装飾が施されていました。
  • 色: 黒、赤、金など様々な色が使われていました。

3. 甲冑のデザインの例

  • 前田利家:前田利家は、金箔押しの豪華な甲冑を着用していました。
  • 武田信玄:武田信玄は、赤糸縅の甲冑を着用していました。
  • 上杉謙信:上杉謙信は、朱漆塗りの甲冑を着用していました。

4. 甲冑のデザインの役割

甲冑のデザインは、実用性だけでなく、以下のような役割も果たしていました。

  • 威厳の象徴: 武将の威厳や権威を表す
  • 敵への威嚇: 敵を威嚇し、心理的に優位に立つ
  • 家紋の表示: 家系や所属を示す
  • 個性の表現: 武将の個性を表現

参考文献

  • 小和田哲夫『甲冑の歴史と種類』(吉川弘文館、2002年)
  • 山本博文『戦国武将の甲冑』(学習研究社、2006年)
  • 甲冑研究会『甲冑デザイン史』(思文閣出版、2023年)

■その他の買取品目

 

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