カメラの買取/福岡市南区でアンティークなカメラを買取り致しました。古くより写真館を営んでおられたお家でしたが蛇腹カメラや二眼レフカメラなどたくさんありました。その一つでライカタイプのニッコーというメーカーの国産カメラがあり高価買取させて頂きました。ありがとうございました。ニッカカメラ（Nicca camera Co. Ltd ）はかつて日本に存在したカメラメーカーで前身は光学精機で、後ヤシカの完全子会社大邦光学となり、最後はヤシカに合併されました。主にライカコピーを製造していて、一眼レフカメラの時代が来るまでは人気カメラの1つでした。
同様にライカコピーを製造していたレオタックスカメラは東京光学（現トプコン）のトプコールを装着していたがニッカカメラは日本光学（現ニコン）のニッコールを装着しました。戦前日本光学は主に日本海軍に、東京光学は主に日本陸軍に納入し「海のニッコー、陸のトーコー」と言われていたためその争いが再現していると言われたそうです。戦争によりライカの輸入が困難になったため「パテントを無視してコピーせよ」との軍の命令によりニッポンカメラを製造したそうですがほぼ同時期、アメリカ軍は戦中からプレミア・インストゥルメントにカードンを、イギリス軍はリード&シギリストにリードを製造させています。
1947年 – 社名を「ニッポンカメラ」、カメラ名を「ニッカ」に変更して製造再開します。当時はレンズは日本光学（現ニコン）のニッコールを装着したようです。ニッポンカメラはライカDⅢ型を忠実に再現しようとしたもので、現在では非常に珍しいコレクター垂涎のカメラとなっています。光学精機は戦後1947年ニッポンカメラ株式会社となり、その翌年にニッカ(オリジナル)が発売されました。1948年にはニッカⅢ型(Ⅱ型はないそうです)、1951年にはニッカカメラ株式会社と社名を変更してニッカⅢA型、ⅢB型を出します。そして1954年には今回のⅢS型、3S型、4型と発展していきます。ここまでのニッカカメラは、ベースとなったライカD3とボディサイズが同じため、ライカD3用の様々なアクセサリーがそのまま使用できるという大きな特徴がありました。世界各国で製造様々なライカコピー機のなかでも、ニッカは大変に良くできたカメラということができます。
★余談ですが…海軍と日本光学：戦時中のカメラ開発秘話
戦時中、日本海軍は世界屈指の海軍力を誇っていました。その影には、精密な光学技術を駆使したカメラの存在がありました。カメラは単なる写真撮影ツールではなく、偵察や測距など、軍事作戦において重要な役割を果たしていました。その中でも日本光学は、戦前から双眼鏡や顕微鏡などの光学機器で高い評価を得ていたメーカーです。海軍は、その技術力に目をつけ、戦時中に様々なカメラの開発を依頼しました。
海軍が求めたカメラは、厳しい戦場環境に耐えられる性能と、軍事作戦に特化した機能が求められました。具体的には、以下の条件を満たす必要がありました。
- 高い精度と鮮明な画像
- 防水・防塵性能
- 軽量で携帯性に優れている
- 特殊な撮影機能
日本光学は、これらの条件を満たすために、独自の技術を開発・改良しました。
代表的な海軍用カメラ
日本光学が開発した代表的な海軍用カメラは以下の通りです。
- 九四式艦載写真機：航空機搭載型カメラ。偵察写真撮影に使用されました。
- 九五式魚雷艇写真機：魚雷艇搭載型カメラ。魚雷発射時の撮影に使用されました。
- 九八式四〇糎測距儀用写真機：艦載型測距儀用カメラ。敵艦との距離測定に使用されました。
これらのカメラは、当時の技術としては非常に高性能なものでした。
まとめ
戦時中の海軍用カメラは、厳しい戦場環境で活躍しただけでなく、戦後のカメラ開発にも大きな影響を与えました。日本光学の技術力と、海軍の厳しい要求が融合して生まれたカメラは、歴史的にも重要な価値を持っています。
参考文献
- 日本光学工業株式会社社史編纂委員会編『日本光学工業株式会社百年史』(日本光学工業株式会社、2017年)
- 海軍省技術研究所編『海軍技術史. 兵器篇』(防衛庁技術研究本部、1974年)
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