福岡市東区で高橋道八の染付煎茶器を買取りました!

煎茶道具の買取
煎茶道具の買取

◇骨董品買取の福岡玄燈舎です。今回のお宝発掘は築40年ほどの昭和モダンな一軒家です。電話で依頼を受けた時、私は久々に「これは大物が期待できるぞ」と胸を躍らせていました。依頼主が電話越しに語るには、「古い中国美術の掛軸や壷、花瓶や硯などが山ほどある」とのこと。しかも、「150年以上前の物ばかりだ」と自信たっぷりに言うものだから、私の期待は否が応でも高まりました。

私は早速、その昭和のモダンなお家に足を運びます。玄関に足を踏み入れるや否や、漂う懐かしい香りとともに、時代を超えたレトロな雰囲気が私を包み込みます。家主の案内で、期待に胸を膨らませながら家中を見て回ると、なんと…そこにあったのは1980年代に中国観光地のお土産として買われた復刻品の数々。「あらまあ、こりゃあ、やられたかな?」と心の中でつぶやきつつ、渋い笑みを浮かべている私。掛軸や壷が150年物と言われたが、結局それは「昭和のお土産品」でした。

染付急須
染付急須

「まあ、こういうこともあるさ」と気を取り直し、今度は家主が誇らしげに案内する茶室へ向かった。しかし、ここでもまた期待は裏切られます。茶器が入っていたとされる箱の中は、ただの空っぽの箱ばかり。もはや泣きっ面に蜂とはこのことだ、と頭を抱えたくなる気分でした。

だが、その時ふと視線が捉えたものがありました。箱の中に放り込まれたように置かれた一つの小さな箱。箱の隙間から見えるその一部が、他のどれとも違う輝きを放っていました。「ん?これは?」と箱を手に取ると、その中から現れたのは、非常に美しい染付の煎茶器。見るからに繊細で愛らしいその器は、何年も放置されていたのか、すっかり埃にまみれていたが、布でそっと拭き取ると、そこに現れたのは見事な模様と鮮やかな色合い。そして、その底には「道八」という銘がはっきりと刻まれていました。「こ、これは……」私は思わず息を呑む。明治期の名工、高橋道八の作品に間違いないと確信した瞬間でした。

道八銘
道八銘

気分は一気に晴れやかになり、まるで嵐の後の青空が広がったかのようになりました。掛軸や壷は期待外れだったものの、この煎茶器の発見はそれを一気に帳消しにするほどの価値があります。家主様とすっかり話が弾んでしまった私は、この煎茶器の価値を丁寧に説明し、持ち主も大いに納得してくれました。そしてスムーズに取引が成立したのでした。

その後、帰り道で「骨董・アンティークの世界はミズ物、色物の世界。まるで株のトレーダーのようだな」と。幻のように期待を裏切られることもあれば、思いがけない宝が突然姿を現すこともあります。まあ、これだから、この仕事は面白くてやめられない…と。この「道八」の煎茶器については下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。

買取品の詳細

◇この「高橋道八」の煎茶器は山水画の染付で有田焼とは違う藍色の呉須を使用しており京焼の優しい画風と薄い造りでした。時代は明治期のもので100年以上経過してもなお良い状態で残っておりました。欠けや割れもありませんでしたので高価買取できました。ありがとうございました。

買取査定額

 

◆高橋道八の煎茶器はとても人気がありますが落款や時代で価格の差が出ます。例えば「華中亭」とあるものや漢字がや和歌が描かれているもの、その他には初代~4代目までの作品はとても高価に取引されています。ご自宅に煎茶道具がございましたら是非、福岡の玄燈舎へお問い合わせください。宜しくお願い致します。

 

湯冷まし
湯冷まし

 

■過去の作品買取例

仁阿弥道八 青華花器 染付唐花文管耳花生 箱付 700,000円
華中亭道八製 染付竹梅文鉢 盆栽鉢     100,000円
華中亭道八製 青華四君子文急須                               50,000円
仁阿弥道八造 染付山水風景紋陶製涼炉                  30,000円 他多数

 

高橋道八とは?

 

染付山水画
染付山水画

◆高橋道八(たかはし どうはち)は、江戸時代後期から明治時代にかけて活躍した日本の陶芸家で、京焼の代表的な名工の一人です。彼の作品は、茶道具や日常食器を中心に多岐にわたり、その精緻な技術と美しいデザインで知られています。

高橋道八は初代から始まり、代々「道八」の名を受け継ぐ家系でした。初代道八(1783-1855)は、もともと京焼の名門、野々村仁清に学び、その技術を受け継いでいます。彼は特に染付の技法に優れ、美しい青の発色と繊細な描写で人気を博しました。高橋道八家は、京焼の技法を継承しつつ、新たな技術やデザインを取り入れ、時代のニーズに応じた作品を作り続けました。

初代の死後、家督を継いだ二代目道八(仁阿弥)もまた、技術をさらに洗練させ、京焼の発展に大きく貢献しました。彼は海外との交流も深め、輸出用の陶器を多く制作し、日本の陶芸を世界に広める役割を果たしました。

代表作品

高橋道八の代表作品は、茶碗や香炉、花器など、煎茶道具を中心に多く残されています。特に初代道八による染付の茶碗や香炉は、その青色の発色と精緻な筆致が高く評価されています。これらの作品は、茶室の中で使われることが多く、現在でも多くの茶人に愛されています。

また、二代目道八が手がけた輸出用の陶器も代表的な作品とされています。これらの作品は、ヨーロッパをはじめとする海外で人気を博し、京焼の名を世界に知らしめました。

弟子とライバル

高橋道八の影響は広範囲に及び、多くの弟子が彼のもとで学びました。弟子たちは道八の技術と精神を受け継ぎ、それぞれが独自の作風を確立しました。その中でも特に著名な弟子には、九代目仁清(野々村仁清の後継者)がいます。彼は道八から学んだ技術を元に、新たな作品を生み出し、京焼の伝統を継承しました。

一方、ライバルとしては、尾形乾山が挙げられます。乾山は京焼を代表するもう一人の名工であり、彼の自由な発想と独創的なデザインは、道八と対照的でした。この二人の作風はしばしば比較されることがあり、それぞれの特徴を際立たせました。

 

特に有名な商品をいくつかご紹介します。

 

  • 黒赤一双茶碗: 煎茶道具の代表的な作品の一つ。黒と赤のコントラストが美しい、対になった茶碗です。
  • 色絵盧仝茶歌文急須: 盧仝という詩人の茶に関する詩を絵付けした急須。詩の世界観を表現した、芸術性の高い作品です。
  • 高麗茶碗: 高麗時代の茶碗を忠実に再現した作品。古陶の味わいを現代に伝える、貴重な作品です。

 

 

二代目道八(仁阿弥)について…

仁阿弥道八の作品は、その多様性と高い技術力が特徴です。代表的な作品や特徴を以下にまとめます。

  • 煎茶道具: 煎茶が流行した時代背景もあり、急須や茶碗など、数多くの煎茶道具を制作しました。特に、黒赤一双茶碗や色絵盧仝茶歌文急須などが有名です。
  • 高麗茶碗や中国陶磁、オランダ陶の写し: 古代の陶磁器を深く研究し、その写しを数多く制作しました。これらの作品は、当時の陶芸家たちの技術の高さを示すものとして評価されています。
  • 彫塑的な作品: 彫塑的な表現にも優れ、立体的で躍動感のある作品も残しています。寿老人や動物などを題材にした作品が多く、そのユーモラスな表現が特徴です。
  • 琳派の画風を取り入れた作品: 琳派の華やかな絵画様式を陶器に導入し、雲錦手と呼ばれる独特の技法を確立しました。
  • 御庭焼の指導: 地方の藩主などに招かれ、御庭焼の指導にも尽力しました。紀州偕楽園焼や讃窯の創始に関わったことが知られています。

仁阿弥道八独自の作風

仁阿弥道八の作風は、以下のような特徴が挙げられます。

  • 多様な技法の習得: 青華、色絵、青磁、雲鶴模様、三島手、刷毛目など、幅広い技法を駆使して作品を作り上げました。
  • 写しだけでなく、オリジナル作品も: 古代の陶磁器の写しだけでなく、独自のスタイルを確立したオリジナル作品も数多く制作しました。
  • 写実的な表現: 人物や動物を写実的に表現する技術に優れており、その観察眼の鋭さがうかがえます。
  • ユーモアあふれる表現: 彫塑的な作品など、ユーモアあふれる表現も得意としていました。

これら仁阿弥の作品は輸出向けにも作られヨーロッパでも人気を博しました。その当時の「里帰り品」はとても高価に流通しております。

◎関連、参考サイト

 

■その他の買取品目

 

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