南部鉄瓶買取りました/骨董品・福岡
南部鉄瓶買取りました
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福岡市南区で南部鉄瓶を買取りました!

ゴールデンウイークというやつは、どうにもこうにも人の判断力を鈍らせる装置らしい。普段は「わが道を行く」などと気取っている人間ですら、駅前の浮かれた空気と、昼間から堂々と開いている缶ビールのプルトップに、あっさりと魂を売り渡す。私も例外ではなかった。いや、むしろ率先して売り渡した側だと言っていい。

昼酒というのは不思議なもので、あれは「非日常」ではない。「堂々たる怠慢」である。まだ日が高いうちからアルコールを体内に流し込み、「今日は特別だから」と自分に言い訳をする。だがその「特別」は毎年律儀にやってくるし、毎回同じように堕落するのだから、もはや年中行事の一種である。神事にしてはだいぶ安っぽいが。

そんな緩みきった時間は、しかし長くは続かない。世の中は連休でも、解体業者はカレンダーに従わないし、骨董品は待ってくれない。電話一本で現実に引き戻される。骨董品の買取依頼。しかも「明後日から解体」という、時間との競争つきの案件だ。こういう話には、酒気など一瞬で引く。いや、引かざるを得ない。金の匂いというのは、アルコールよりもよほど強力な覚醒剤である。

次の日、現場は福岡市南区の旧家。いかにも「今までよく残っていたな」という顔をした家だった。古びた門、軋む引き戸、そして家そのものが、まるで「もう役目は終えた」と言いたげに静かに佇んでいる。だがその静けさの裏には、いつだって「まだ何かあるかもしれない」という期待が潜んでいる。骨董屋というのは、この期待に食わせてもらっている職業だ。

中に入ると、案の定、時間が止まっていた。いや、正確には「時間が層になって堆積している」と言ったほうがいい。押し入れを開ければ昭和が出てくる。戸棚を探れば大正が顔を出す。時には明治がひょっこり混じる。だがそれらの大半は、正直に言ってしまえば「雑多なもの」である。いや、「雑多」という言葉が優しすぎるくらいだ。

茶道具、掛軸、銀食器。どれも一応は骨董の顔をしているが、顔だけで中身が伴っているとは限らない。茶碗はあるが作者不詳、掛軸はあるが印刷に毛が生えた程度、銀食器はあるが純度は限りなく疑わしい。つまり「生活骨董」である。こういうものは数は出るが、値段は出ない。

しかし、骨董品の面白いところは、この「ほとんどが外れ」という山の中に、たまに混じる「妙に光るもの」にある。今回もそうだった。

押し入れの奥、誰も気に留めなかったであろう場所から、それは出てきた。鉄瓶である。

第一印象は「錆びている」。まあ鉄なのだから当然だ。むしろピカピカしていたら疑ったほうがいい。だが問題はそこではない。形、肌、そして文様。これらが静かに語りかけてくる。

麦の図柄。

これがなかなかどうして、見かけない。南部鉄瓶といえば、霰(あられ)文様が定番中の定番で、いわば「鉄瓶界の制服」である。誰が着てもそれなりに見えるが、個性は出ない。ところがこの麦の図柄は違う。制服ではなく、ちょっとした私服の洒落だ。しかも嫌味がない。

こういうものは、派手ではないが確実に「分かる人には分かる」領域に属している。市場での評価も、まさにその通りに動く。錆びていても構わない。むしろそのほうが「時間を経てきた証拠」として機能する。骨董というのは、劣化すら価値に変換する、実に都合のいい世界である。

評価額は光った。鉄瓶は光らないが、数字は光る。この瞬間、さっきまでの昼酒の記憶は完全に消える。人間とは現金な生き物だ。

さらにもう一点、これもまた奥のほうから出てきた。住吉棗。しかも蒔絵入り。

棗というのは、小さいくせに妙に威張っている道具である。茶道具の中でも「分かる人が分かればいい」という顔をしている。その上に蒔絵まで入ってくると、途端に「私はただの容器ではありません」という主張を始める。

今回のものも例外ではなかった。決して大仰ではないが、きちんとした仕事がされている。こういうものは、持ち主が日常的に使っていたか、あるいは「使うつもりでしまい込んだか」のどちらかである。後者のほうが多いのが、また人間らしいところだ。

結局、家全体を見渡せば、大半は「普段使いの延長にある骨董品」だった。つまり、特別な逸品ではないが、完全に無価値でもない。こういうものは評価に困るが、同時に最もリアルな生活の痕跡でもある。

骨董というのは、何も名品だけで成り立っているわけではない。むしろ大半は、こうした「誰かの日常の残骸」である。その中から、ごくわずかに光るものを拾い上げる。それがこの仕事の醍醐味であり、同時に業の深さでもある。

解体は明後日。つまり、この家はもうすぐ跡形もなく消える。だが今日拾い上げた鉄瓶と棗は、別の場所で、別の時間を生きることになる。そう考えると、骨董屋というのは「時間の引っ越し業者」みたいなものかもしれない。

もっとも、その引っ越し賃は、なかなかに現実的な数字で決まるのだが。

ゴールデンウイークの浮かれた空気の中で、こんな具合に現実と過去を行き来していると、どちらが本当の自分の居場所なのか分からなくなる。昼酒に溺れるのも、錆びた鉄瓶に目を輝かせるのも、大差ない気もしてくる。

ただ一つ言えるのは、どちらもやめられそうにない、ということだ。

ではまた。

この鉄瓶については下記で詳しくお話しておりますので最後までお付き合いください。宜しくお願い致します。

買取品の詳細

蓋の摘みは鉄釜を彷彿させます/鉄瓶の買取は福岡玄燈舎
蓋の摘みは鉄釜を彷彿させます

〇この南部鉄瓶は華やかさこそありませんでしたが状態もよく水漏れもありませんでした。本体は割と大きくたっぷりとお湯が入る鉄瓶でした。本体のまわりの麦模様は珍しくあまり見かけない図柄です。

買取査定額

珍しい麦の文様です/骨董品の買取は福岡玄燈舎
珍しい麦の文様です

〇鉄瓶の買取評価ですが最近では小ぶりでしっかりと銘が刻印されていて摘みには石や珊瑚、銀のものが人気で高価格で取引されています。ご自宅に鉄瓶や銀瓶がありましたら是非、お声かけ下さい。よろしくお願いいたします。

◆過去の買取履歴…

龍文堂 安之助 横銘 鉄瓶 400,000円
一正造 唐詩 鉄瓶 200,000円
小泉 仁左衛門 大糸目 姥口 鉄瓶 150,000円
富士形鉄瓶 藤田萬蔵 鉄瓶 100,000円 他多数

◇南部盛栄堂とは…

「南部盛栄堂」とあります/茶道具の買取は福岡玄燈舎
「南部盛栄堂」とあります

南部鉄瓶の名工房「盛栄堂(せいえいどう)」は、現在の及源鋳造株式会社に連なる伝統あるブランドです。

■ 南部鉄器と盛栄堂の成立背景

まず前提として、盛栄堂を理解するには「南部鉄器」という文化の流れを押さえる必要があります。南部鉄器は岩手県盛岡・水沢地域を中心に発展した鋳物工芸で、その起源は17世紀中頃、南部藩主が京都から釜師を招いて茶の湯釜を製作させたことに始まります。

やがて18世紀になると、茶釜を小型化し注ぎ口と鉉(つる)を付けた「鉄瓶」が誕生し、日常の湯沸かし道具として広く普及しました。
このように、南部鉄器は茶道具から生活用品へと展開しながら発展していきます。

■ 盛栄堂(及源鋳造)の歴史

盛栄堂の起源は、江戸時代末期の嘉永5年(1852年)に水沢で創業した鋳物師・及川家の工房にさかのぼります。

当初は「及川源十郎鋳造所」として、鍋・釜・鉄瓶などを製造し、その屋号として「南部盛栄堂」が用いられてきました。

戦後の1947年に法人化され「及源鋳造株式会社」となった後も、「盛栄堂」の名称はブランドとして継承され、製品に刻印され続けています。

■ 技術的特徴と製法

南部鉄器全体に共通する特徴として、以下のような性質があります。

  • 熱伝導が均一で、湯がまろやかになる
  • 保温性が高く冷めにくい
  • 非常に丈夫で長寿命
  • 鋳肌の質感と装飾性を兼ね備える

盛栄堂はこれらの伝統技法を守りながら、さらに次のような独自性を発展させてきました。

1. 焼型鋳造と近代技術の融合

伝統的な「焼型鋳造」(砂型を焼いて作る技法)を基本としつつ、工業的な精度向上や量産技術も取り入れています。
これにより、工芸品としての品質と日用品としての安定供給を両立しています。

2. 表面処理と意匠

南部鉄瓶特有の「肌打ち」や「霰(あられ)文様」などの装飾は、職人の手作業によって施されます。
盛栄堂ではこれに加え、現代的で洗練されたデザインを積極的に導入しています。

■ 代表作品

盛栄堂の代表的な鉄瓶には、以下のような系統があります。

● 八角鉄瓶

ジュネーブのカフェの要望をきっかけに開発されたモデルで、八角形という幾何学的フォルムが特徴です。
和洋どちらの空間にも調和するデザインで、盛栄堂の現代性を象徴する作品です。

● 霰(あられ)鉄瓶

南部鉄器の伝統的意匠である細かな突起模様を全面に施したタイプ。
湯の対流や熱効率にも寄与し、機能美と装飾性を兼ね備えています。

● モダン鉄瓶シリーズ

シンプルな球形・円筒形・カラー仕上げなど、現代生活に適応したライン。
海外市場でも高い評価を得ています。

 

 

◎関連、参考サイト

持ち手も時代がありますね/骨董品の買取は福岡玄燈舎
持ち手も時代がありますね

及源鋳造OIGEN)
岩鋳鉄器館

奥州市伝統産業会館

■その他の買取品目

 

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