福岡市中央区で変形掛花入れを買取りました!

古物の海をこぎ、お宝を求めて駆け巡る、骨董品出張買取の福岡玄燈舎でございます!

今回のお客様は、福岡市中央区の高台にある一軒家にお住まいの、戦前から茶道の先生をされている上品なお母様。茶室には掛軸や茶碗、唐物の茶托や棗、茶入れなど、数え切れないほどの茶道具が所狭しと並んでいます。

まるでタイムスリップしたような茶室で、お宝探しに燃える私の目は、キョロキョロと忙しく動き回ります。そんな中、ひときわ目についたのが、茶室の奥の棚に飾られていた、煤竹製の掛花入れでした。

なんじゃこりゃ!?

目を疑うような形をしたその花入れは、まるで松露のようにゴツゴツとした表面で、ところどころに黒い斑点がついています。しかも、側面には「松露」と彫られているではありませんか!

松露って、松茸のような?はて?

松露とは松の根元に生える松茸のようなまたはジャガイモのような形をしたものだそう。そんな花入れなんて、見たことがありません。いったい誰が、こんな奇抜なアイデアを思いついたのでしょうか?

お客様に聞いてみると、

「これは、昔、茶道の師匠から譲り受けたものなのよ。確か、江戸時代のものだと聞いています。」

なるほど、江戸時代か。

江戸時代は、奇抜なアイデアで茶道具を作る職人が多かったそうです。もしかしたら、この花入れも、そんな職人の遊び心で作られたものなのかもしれません。

しかし、問題は形状です。

このような形をした花入れに、いったいどんな花を活ければ良いのでしょうか?

お客様に尋ねてみると、

「これはね、特別な花を活けるためのものではないのよ。茶室の雰囲気を演出するために飾るものなのよ。」

なるほど、そういうことか。

茶室の雰囲気を演出するためなら、形は関係ありません。むしろ、この奇抜な形こそが、茶室の遊び心をくすぐるのかもしれません。

というわけで、

このような煤竹掛花入れは、お客様のご厚意で、高額査定にて買取させていただきました。

この花入れは、その後…

その後、すぐに古いものに敏感な骨董品コレクターの手に渡り、茶室ではなく、コレクションルームの目玉として飾られているそうです。私としては茶室で飾られていた方が、この花入れの本望だったような気がしてなりません。しかし、コレクターの方の熱意も伝わってくるので、まあ、これで良かったのでしょう。

骨董品出張買取では、まだまだこんな珍品に出会うことがあります。これからも、福岡玄燈舎の骨董品探しの旅は続きます!なおこの掛花入れについては後程、ご紹介いたしますので最後までお付き合いください。よろしくお願いいたします。

 

買取品の詳細


松露と刻まれている変形の竹花入れ、江戸期の物で特に作家名はないということでございます。しかしつくしのような竹の頭にはぶつぶつとした凹凸と煤竹独自の色合い、そしてとてもユニークなシェイプが特徴の花入れでございました。大きさは約30cm、特に目立つ竹の割れやヒビは見当たらない。花を入れる穴は煤で真っ黒になっている模様。しかも古い金具も付属して150年以上経過した道具とは思えない逸品でもございます。

買取査定額

◇今回の竹掛花入れの買取査定額もしくは評価額ですがまず時代の物であること、次に形、ほかには作者名などがありましたらより高価買取&できます。なお、今回の掛花入れは時代もあり状態も良かったので40000円の買取価格になりました。

掛花入れ買取相場ですが上記のように造り、作家、形等などでかなり差があります。ご自宅に竹掛花や茶道具が御座いましたら一度拝見させてください。もちろん状態や時代、作者、作品でもお値段は変わりますのでご了承ください。

下記に代表的な作家や工房について書きましたので参考にされてください…。

竹は古くから日本人に親しまれてきた素材であり、そのしなやかさと強靭さを活かした竹工芸は、長い歴史と伝統を誇ります。今回は、竹工芸界を代表する巨匠たちとその代表作品について、詳しくご紹介していきましょう。

1. 井上宗保(1832-1896)

江戸時代末期から明治時代にかけて活躍した井上宗保は、竹工芸の近代化に大きく貢献した人物です。

代表作である「花籠」は、竹の持ち味を活かした繊細な編み込みと、流れるような曲線が特徴的な作品です。

また、「竹蜻蛉」は、竹の薄板を巧みに加工して作られた、軽快で美しい作品です。

井上宗保の作品は、国内外の美術館や博物館に収蔵されており、その芸術性の高さから高く評価されています。

2. 清水竹英(1859-1937)

明治時代から昭和時代初期にかけて活躍した清水竹英は、竹工芸を芸術の域にまで高めた人物と言われています。

代表作である「竹籠」は、華麗な装飾と洗練されたフォルムが特徴的な作品です。

また、「竹簡」は、竹を薄く削って作られた、繊細で美しい作品です。

清水竹英の作品は、その独創性と芸術性の高さから、国内外の多くのコレクターに愛されています。

3. 三谷一夫(1914-2005)

昭和時代から平成時代にかけて活躍した三谷一夫は、伝統的な竹工芸の技法を活かしながら、現代的なデザインを取り入れた作品を多く制作しました。

代表作である「竹の椅子」は、竹の曲線美を活かした、座り心地の良い椅子です。

また、「竹の照明」は、竹の温かみを感じさせる、優しい光を放つ照明器具です。

三谷一夫の作品は、国内外の多くの展覧会で展示されており、その高い評価を受けています。

4. 黒田辰雄(1940- )

現代の竹工芸を代表する作家である黒田辰雄は、竹の素材としての可能性を追求し、独創的な作品を次々と発表しています。

代表作である「竹のオブジェ」は、竹の持つ力強さと繊細さを表現した、迫力のある作品です。

また、「竹のインスタレーション」は、竹を空間構成の要素として取り入れた、ユニークな作品です。

黒田辰雄の作品は、国内外の美術館や博物館に収蔵されており、その革新的な取り組みから高い注目を集めています。

5. 中川忠義(1953- )

現代の竹工芸界を牽引する一人である中川忠義は、竹の持つ様々な表情を活かした、多彩な作品を制作しています。

代表作である「竹の食器」は、竹の温かみと使いやすさを兼ね備えた、日常使いに最適な食器です。

また、「竹の家具」は、竹のしなやかさを活かした、空間になじむ家具です。

中川忠義の作品は、国内外の多くのギャラリーやショップで販売されており、その高い品質とデザイン性から多くの人々に愛されています。

★その他にも、竹工芸の工房を紹介いたします…。

1. 江戸千家竹工所 (東京都)

江戸千家竹工所は、江戸時代から続く老舗の竹工芸工房です。茶道具を中心に、花器、香炉、菓子器など、様々な竹工芸作品を制作しています。伝統的な技法を継承しながらも、現代的なデザインを取り入れた作品も多く、幅広い世代から支持されています。

2. 竹工房 喜節 (京都府)

竹工房 喜節は、現代竹工芸を代表する工房の一つです。竹の特性を活かした繊細な作品で知られており、国内外の展覧会で数々の賞を受賞しています。代表的な作品としては、竹ひごを編み込んだバッグや、竹を削って作られた花器などが挙げられます。

3. 竹工芸 竹林 (福岡県)

竹工芸 竹林は、九州を拠点とする竹工芸工房です。竹の自然な風合いを生かした作品作りを得意としており、花器や照明、家具など、幅広いジャンルの作品を制作しています。近年では、竹と他の素材を組み合わせた作品も発表しており、新しい竹工芸の可能性を探求しています。

4. 竹工房 翠 (埼玉県)

竹工房 翠は、埼玉県を拠点とする竹工芸工房です。竹の持つ温もりを大切にした作品作りを得意としており、花器や茶道具、インテリア雑貨など、様々な作品を制作しています。近年では、竹を使ったワークショップも開催しており、多くの人々に竹工芸の魅力を伝えています。

5. 竹工房 龍泉 (神奈川県)

竹工房 龍泉は、神奈川県を拠点とする竹工芸工房です。竹の持つ力強さを活かした作品作りを得意としており、花器や照明、オブジェなど、様々な作品を制作しています。近年では、竹を使った建築作品も制作しており、竹の可能性を追求し続けています。

■福岡玄燈舎の過去の竹工芸作品買取例
松平不昧作 手造り竹掛花入 100,000円
二代田辺竹雲斎造 滴水居 竹花入 80,000円
西宮銘 変形竹花入 50,000円
他多数

「掛花入れ」とは?

 

茶道において、掛け軸と共に茶室の雰囲気を彩る重要な役割を担うのが掛花入れでございます。単なる花器ではなく、茶室の空間と調和し、茶人の心を映し出す芸術作品とも言えますね。

1. 掛花入れとは?

掛花入れは、床の間の壁に掛け、花を活けるための花器でございます。一般的には、竹、陶磁器、金属製のものなどが用いられますが、形や素材は様々で、茶人の好みや茶室の雰囲気に合わせて選ばれますのが花入れでございます。

2. 掛花入れの種類

掛け花入れは、大きく分けて以下の3種類に分類されます。

  • 竹花入れ: 竹をそのまま用いた花入れで、茶道の最も基本的な花入れです。節や年輪などの自然な風合いが活かされ、茶室に素朴な美しさをもたらします。
  • 陶磁器花入れ: 磁器、陶器、瀬戸物などの陶磁器で作られた花入れです。形や色、絵付けなどが豊富で、茶室に華やかさを添えます。
  • 金属製花入れ: 青銅、銅、真鍮などの金属で作られた花入れです。重厚感があり、茶室に凛とした雰囲気をもたらします。

3. 掛花入れの選び方

掛花入れを選ぶ際には、以下の点に注意する必要がございます。

  • 茶室との調和: 掛花入れは、茶室の広さや床の間の雰囲気と調和するものを選びます。
  • 花との相性: 活ける花の種類や色に合わせて、花入れの形や素材を選びます。
  • 季節感: 季節感を取り入れるために、春には桜や桃、夏には朝顔や桔梗、秋には紅葉や菊、冬には水仙や椿など、季節の花に合った花入れを選びます。
  • 茶人の好み: 茶人の好みや茶会のおもてなしの趣旨に合わせて、花入れを選びます。

4. 掛花入れの使い方

掛花入れは、以下の手順で花を活けます。

  1. 花入れを水で洗い、ぬめりを取ります。
  2. 水を張り、花を生けやすいように準備します。
  3. 花を茎の先から切り、水切りをします。
  4. 花を花入れに活けます。
  5. 花入れを床の間の壁に掛けます。

5. 掛花入れの文化

掛花入れは、単なる花器ではなく、茶道の精神を体現するものでございます。花入れを通して、茶人は自然の美しさや無常を感じ、心を静かにします。また、花入れは茶人の個性や感性を表すものであり、茶会における重要なコミュニケーションツールでもございます。

6. 掛花入れの楽しみ方

掛花入れは、茶道だけでなく、インテリアとしても楽しむことができます。お気に入りの花入れに花を活けて、部屋に飾れば、ワンランク上の空間を演出することができます。また、掛花入れについて学ぶことで、茶道の文化や歴史に対する理解を深めることもできます。

7. まとめ

掛花入れは、茶道において重要な役割を担うだけでなく、日本の伝統文化を象徴するものでございます。花入れを通して、茶人は自然の美しさや無常を感じ、心を静かにします。また、花入れは茶人の個性や感性を表すものであり、茶会における重要なコミュニケーションツールでもございます。掛花入れについて学ぶことで、茶道の文化や歴史に対する理解を深めることもできます。

掛花入れは、茶道を楽しむだけでなく、生活を豊かにするものでもございます。ぜひ、掛花入れの魅力を体感してみてください。

◎関連、参考サイト

■その他の買取品目

 

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