福岡市城南区で矢立を買取ました!

 

◇ゴールデンウィークまであと3日… 世の中には、10日間の休暇で海外旅行に行く人もいますが、円安は関係ないようです。 私たちは自営業? 自由業ですので、悲しいながらお客様本位で動いています。 「今すぐ現場に来て!」 とか「今日の午後から待ってるから…」お客様は神様!のような昭和的なノリでお客様からご依頼いただけます。 もちろん断れない性格でしていつも前向きに仕事をさせて頂いておりとても有難いです。 そんな感謝の気持ちを込めて、今日は福岡市城南区の閑静な住宅にあるお宅を訪ねました。査定対象は、掛軸、中国陶磁器、煎茶道具、など。 古書、軍事品、切手、仏像、古銭、古書など、先代が収集した骨董品です。 世代が変わり、今回の依頼主はお孫さんで、骨董品には全く興味がなさそうで、明日は廃品物でゴミ出しをと思っていたそうです… いやいや待てよ、きっとここに宝物があるから掘り起こしてやるから、待ってな…と半日かけて探して査定して全部買取りました。 その中には明治時代の「矢立」と呼ばれた文房具もたくさんあり、先代は文人でおしゃれな持ち物が多かったようです。 この「矢立」については、後述しますので、最後までお付き合いください。 ありがとうございます。

買取品の詳細

 

◇この「矢立」は古い銅でできていますが、「虫食い」といわれる外観で、とても味わい深い文房具です。 矢立は筆と墨壺を組み合わせた携帯用筆記具で、素材は銅、鉄、、陶器、竹、木などです。 鎌倉時代には、戦場での筆記の状況に備えて、小さな硯と筆を箸に入れて持ち運び、この硯を「矢立硯」と呼んでいたことから、携帯用の筆記用具一式を「矢立」と呼ぶようになったようです。 この矢立は名は入っていませんが、普段使いができるように状態が良く、高値買取させて頂きました。

 

買取査定

 

◇矢立の買取鑑定や鑑定額は、まず作家の刻印の有無、次に素材、象嵌などの装飾があれば、より高値で買取できる点がポイントです。 なお、この矢立は銅製で状態も良かったため、買取価格は1万円でした。 矢立の買取価格については、前述したように、装飾、作家、素材などにかなりの差があります。 家に矢立や古い文房具があれば、ぜひ見させてください。 もちろん、材質や時代、作者、作品によって価格が変わってきますので、ご了承ください。

 

以下、公的機関に保管されている「矢立」について書きましたので、参考にしてみてください

古い文房具である矢立は、時代や地域によってさまざまな形や装飾があり、美術品として高く評価されています。以下は、日本の博物館や公文書館に収蔵されている代表的な矢立の作品です。

東京国立博物館

  • 国宝 蒔絵螺鈿菊桐文矢立(まっきえらでんきくきりもんやたて)

室町時代の武将、細川勝元が所持していたとされる矢立です。 金箔を施した地に、菊桐文様が蒔絵と螺鈿で華麗に装飾されています。

  • 重要文化財 蒔絵葡萄文矢立(まっきえぶどうもんやたて)

江戸時代の代表的な蒔絵師である宗家光が制作した矢立です。 金箔を施した地に、葡萄文様が繊細なタッチで描かれています。

京都国立博物館

  • 国宝 彫漆菊牡丹文矢立(ちょうしつ きくぼたんもん やたて)

鎌倉時代の矢立で、日本最古の矢立の一つと考えられています。 朱漆塗りに菊と牡丹の花文様が彫られ、簡素ながらも力強い美しさを感じさせます。

  • 重要文化財 蒔絵松鷹図矢立(まっきえしょうようずやたて)

江戸時代の絵師である狩野永徳の絵をもとに、光琳派の画家である俵屋宗達によって制作された矢立です。 金箔を施した地に、松と鷹の優美な姿が描かれています。

奈良国立博物館

  • 国宝 彫漆菊桐文矢立(ちょうしつ きくきりもん やたて)

鎌倉時代の矢立で、東京国立博物館所蔵のものとほぼ同時期に制作されたと考えられています。 朱漆塗りに菊桐文様が彫られ、力強い表現と洗練されたデザインが特徴です。

  • 重要文化財 蒔絵花鳥文矢立(まっきえかちょうもんやたて)

室町時代の矢立で、繊細な金箔画と鮮やかな色彩で花鳥が描かれています。 優美な雰囲気漂う作品です。

MOA美術館

  • 国宝 曜変天目茶碗 梅花皮鹿斑文矢立(ようへんてんもくちゃわん ばいかひかじかまだらもんやたて)

国宝の曜変天目茶碗と、それに合わせ制作されたと考えられる矢立です。矢立には、曜変天目茶碗と同じく、黒い釉薬に美しい斑紋が現れています。

  • 重要文化財 蒔絵葡萄文硯蓋付矢立(まっきえぶどうもん すずりがいづけやたて)

江戸時代の矢立で、硯蓋と矢立が一体となった珍しい形式です。金箔を施した地に、葡萄文様が華麗に装飾されています。

根津美術館

  • 国宝 蒔絵菊桐文硯蓋付矢立(まっきえきくきりもん すずりがいづけやたて)

室町時代の矢立で、東京国立博物館や奈良国立博物館所蔵のものと同様に、菊桐文様が金箔と漆で装飾されています。優美かつ力強いデザインが特徴です。

  • 重要文化財 蒔絵松鷹図矢立(まっきえしょうようずやたて)

江戸時代の矢立で、京都国立博物館所蔵のものとは別の絵師によって制作されたと考えられています。金箔を施した地に、松と鷹の力強い姿が描かれています。

矢立は、日本の伝統工芸の粋を集めた美しい文具です。 博物館・資料館で矢立作品を鑑賞することで、その歴史、技法、美しさに触れることができます。 ぜひ機会があれば、実際に矢立作品を手に取って鑑賞してみてください。

■過去の作品買取例


原羊遊斎作 本象牙蒔絵極上矢立硯 200,000円
純銀製 竹節形矢立 150,000円
三代金城一國斎作 古竹製鹿角墨壺高盛絵昆虫紋矢立 80,000円
他多数

「矢立」とは?

矢立は、筆と墨壺を組み合わせた携帯用筆記具です。その起源は鎌倉時代に遡り、戦場でメモを取るために武士が考案したとされています。当時は、小型の硯と筆を箙(矢立)に入れて持ち歩き、これを「矢立の硯」と呼んでいました。その後、携帯性 and 利便性を追求する中で、硯と筆を一体化した「矢立」が誕生しました。

室町時代になると、矢立は武士だけでなく、僧侶や文人にも広く普及し、装飾性も高まってきました。材質は竹、木、金属など様々で、蒔絵、螺鈿、彫金などの技法を用いて華やかに装飾された矢立も多く作られました。安土桃山時代には、武将たちが茶道具として矢立を持ち歩くようになり、茶道の発展と共に、矢立の芸術性もさらに洗練されていきました。

江戸時代になると、矢立は庶民の間にも広まり、日常的に使用されるようになりました。様々な素材やデザインの矢立が量産され、実用性だけでなく、ファッションアイテムとしても人気を博しました。また、学問や教養の象徴として、贈答品としても珍重されました。

明治時代に入ると、洋風の筆記具が普及し、矢立の需要は徐々に減少しました。しかし、その精巧な造りと美しいデザインは高く評価され、現代では美術品として鑑賞されています。

 矢立の種類と形状

矢立は、形状によって大きく3種類に分類されます。

  • 檜扇型:最も古い形式で、上部の蓋を横にずらすと筆と墨壺が納められています。
  • 柄杓型:墨壺に筆を収納する筒を取り付けた形をしています。一見喫煙パイプのような形をしています。
  • 印籠型:墨壺と筒を紐で繋いだ形をしています。

この他にも、様々な形状の矢立が存在します。

矢立の見どころ

矢立を鑑賞する際には、以下の点に注目すると良いと思います。

  • 素材: 竹、木、金属、陶磁器など、様々な素材が使われています。それぞれの素材の特徴を生かした造形や質感を楽しむことができます。
  • 装飾: 蒔絵、螺鈿、彫金などの技法を用いて装飾された矢立が多くあります。繊細で華麗な装飾は、矢立の芸術性を高めています。
  • 形状: 檜扇型、柄杓型、印籠型など、様々な形状の矢立があります。それぞれの形状の特徴や意匠を楽しむことができます。
  • 銘: 一部の矢立には、制作者の名前や年号などが記された銘があります。銘から、矢立の制作年代や制作者を知ることができます。

有名な矢立を見れる場所

矢立は、全国の博物館や美術館で鑑賞することができます。特に、以下のような施設では、多くの矢立コレクションを所蔵しています。

  • 東京国立博物館
  • 京都国立博物館
  • 奈良国立博物館
  • MOA美術館
  • 根津美術館

また、茶道関連の博物館や美術館でも、茶道具として使用された矢立を鑑賞することができます。

 

◎関連、参考サイト

 

 

■その他の買取品目

 

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